ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

維新回天 高杉晋作

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

多少なりとも歴史に興味があれば、

好きな人物って何人かはいますよね。

 

ちなみに私のトップ5は…

 

西郷隆盛

徳川家康

武田信玄

伊達政宗

高杉晋作

 

ま、時間が経てば

これも変わってくるかもしれませんが(笑)

しばらく前からこの5名が好きです。

 

他にも土方歳三だったり、

坂本龍馬なんかも好きなのですが

あえて5人選べと言われたら

こんなセレクトをするでしょうか。

 

当ブログを書く前から

この5人について書かれている本は

何冊も読んできました。

 

今回、ご紹介する高杉晋作についても

数冊は読んでいるはずです。

 

たまたま未読の本を見つけちゃいましたので

久しぶりに高杉晋作に触れたくなったんです。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 維新回天 高杉晋作 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 維新回天 高杉晋作

村上 元三 人物文庫 を読みました。

 

前述したように

久々の高杉晋作にワクワクしてしまったこと、

それと私の好きな人物文庫であること、

これだけでもう読む理由は充分です。

 

ka162701.hatenablog.com

 

高杉晋作って

わりと若くして亡くなっていますので

明治維新は見ていませんし、

活躍の期間もごく短いのですね。

 

でもこの方には

現代では通用しない破天荒さがあって

当時には珍しい自由な発想があって、

私はそこが気に入っています。

 

さて本書はどんな感じに書かれているのだろうか?と

楽しみにしながら読み始めたのでした。

 

目次

・牛と犬

・左に筑波

・懐中手帳

・二つの日記

・おしゃべり談義

・象山と松陰

・江戸の秋風

・泪と洟と

・毒蛇

・雨と風

・親不知

・京の夢は

・角屋の客

・鴉

・笑わぬ顔

・白い河風

・右の腕

・兎狩り

・朝鮮茶碗

・火付け役

・菊屋横丁

・納屋の中

・番手行

・土蔵相模

・若い声

・選ばれた一人

・宇津谷峠

・思誠塾の先生

・天下国家

・下には下が

・灯明りの影

・正月の風

・犬の死

・船子の才助

・千歳丸

・霧

・上陸第一日

・上海雑記

・香琴に似た女

・アームストロング砲

・洋銀五千ドル

・青い服

生麦事件

・女乗物

・御楯組

・同行二人

・加茂神社行幸

・金十郎と二百人

奇兵隊

・回天記

 

感想

いや~かなり期待を裏切ってくれました。

これが良いほうなのか、悪いほうなのかは

正直、読後の今でも何とも言えません。

 

おそらく両面あるんだとは思います。

 

普通、こういう伝記物は

生誕もしくは少年時代から始まり、

成長していくなかでの物語があり、

大人になって世に出て活躍するところが

通史として書かれているパターンが多いんじゃないでしょうか。

 

ところが本書では、

ただでさえ短い高杉晋作の人生の

それこそほんの数年しか書かれていません。

 

しかも最も活躍する頃の前ばかりで

奇兵隊や長州征伐などは

ほんの少し触れられただけです。

 

あくまでも歴史小説ですから

基本的にはフィクションであるのでしょうが、

歴史物って割と史実に則りながら

一部に作家の創作が入り、

かなりノンフィクションに近くなるものが

多いように思うんです。

 

しかし本書においては

結構な創作が入っており、

それが物語を面白くしてはいるものの

もっとストーリー展開を早めて

晋作の活躍シーンを増やして欲しかったところはあります。

 

あくまでも個人的な感想ではありますが、

お市、信太和一郎、河上彦斎が登場するシーンや

晋作の女性関係のシーンなどは

バッサリと割愛してしまって

幕府と長州の戦いであったり、

晋作の死の間際であったり、

そちらに分量を割いて欲しかったです。

 

なんて言うと

本書の面白みも欠けてしまうでしょうし、

正直、小説としてはとても出来が良くて

非常に面白く読めたので

まあ致し方ないかあというところです。

 

逆に興味深いシーンとしては

晋作が上海に渡航してのあれこれだったり、

吉田松陰の門下生を中心とした

長州の人々の人間模様は面白かったです。

 

晋作が単純な尊王攘夷から

考えを変えるきっかけになったのは

やはり上海で自分の目で見た列強の力でしょう。

 

その気づきこそが

晋作をただの暴れ者で終わらせなかったのでしょうし、

その当時の上海の人のイメージがついて

私にとっても有難かったです。

 

それと長州の人々ですが、

だいたい歴史上に出てくるのは

藩主の毛利敬親と定広の親子、

桂小五郎久坂玄瑞伊藤俊輔あたりでしょうが、

本書においては長井雅楽や周布正之助など

長州藩の幹部クラスの人たちが描かれており、

それと晋作とのやり取りが面白かったですね。

 

高杉晋作を部下に持つというのは

おそらく相当に大変なことだと思います。

 

できることなら避けたいことでしょう。

私ならストレスで負けそうです。

 

独善的で、我儘で、金遣いが荒くて、

いつも女性を侍らせていて、

何をしでかすかわからない暴れん坊です。

 

ところが藩主親子や長井、周布などは

かなり上手く扱っていたように思います。

 

手綱を締めたり緩めたり、

近づけたり遠ざけたり、

晋作もそれを上手く利用していましたし、

ある種のマネジメントとしては

かなり有効だったのかもしれません。

 

そこが長州の面白さです。

その後に人材が輩出できた理由でしょうか。

 

そう言えばこの頃の藩主、敬親は

「そうせい公」と呼ばれていたんですよね。

 

家臣が何か提案すると

「そうせい」といつも言うから付いたあだ名です。

 

ある意味では器がデカいと言えますし、

またある意味では適当であったのかもしれません。

 

高杉のような人物が

自由気ままに動けたのは

敬親のような藩主だったからというのもあるかもしれません。

 

歴史に「もし」はないですが、

高杉がいなかったら

長州はどこかで没落していたかもしれません。

 

また高杉が長州以外の藩にいたら

たぶん高杉は許されなかったと思います。

 

もし高杉が現代社会に生きていたら

かなり窮屈に生きにくそうにしているでしょう。

 

まあこのようにですね、

維新回天というタイトルとしては

若干どうなの?という部分はあったんですが、

それでも小説としてはとても面白かったですし

久しぶりに高杉晋作に触れてみて

いろんな思いを持てただけでも

価値があったかなと思います。

 

個人的には読んで良かったと思えましたが、

もし高杉晋作についての知識があまりないのであれば

他の本を読んでから本書を読むといいでしょう。

 

高杉2冊め…みたいな感じが最適です。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

高杉晋作を学ぶとか、

幕末を学ぶという点では今ひとつで

その分、星がひとつ欠けました。

 

ただ読み物としては

とても面白かったですし、

時代の息吹を感じるという点では

なかなか秀逸な1冊だったかと思います。

 

もし高杉のような生き方を

現代社会でしようと思ったら

相当に難しいと思われますが、

一部にそういう人が出始めているような気もします。

 

時代の転換期では

今までの常識にない新しい発想を持てる

少し破天荒な人が求められるのでしょう。

 

もし高杉がもう少し長生きしていたら

その後の明治でどう生きたでしょうか?

 

たぶん政府からは離れて

好き勝手にやったんだろうなと思うんです。

ホント面白い人物ですね。

 

それでは、また…。

 

 

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