ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

やめるな外科医 泣くな研修医4

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

コロナが落ち着いて

医療に対する注目度が下がっているでしょうか。

 

あれだけ医療に対して、医療従事者に対して

骨身に染みて大切さを感じていたのに

人は勝手なものですね。

 

まあポジティブな意味だけではなく

ネガティブに捉える人も少なくなかったし、

医療従事者の中ですら

医療制度や医療体制、ワクチンなどに

否定的だった人もいたわけですから

そもそも正常に機能していたとは言えません。

 

結局、この国の医療というのは

医療現場で、真摯に、真面目に、

必死で働いてくれる現場の人の頑張りと

自己犠牲と負担が前提なのですよね。

 

それがいいとは思えませんし、

もっと国としてもサポートすべきと思いますけど

そのためには圧倒的な国民の理解と後押しが

ムーブメントのように湧き起らねばならないのだろうな。

そんなことを考えたりしています。

 

医療はインフラです。

コロナ禍では経済的にも苦境に陥り

普通の生活すら送れなくなったわけじゃないですか。

 

医療が機能しなくなると

社会は正常ではいられなくなるのです。

 

私たちはもっと医療を大切にして

医療は国家の礎であり、

医療従事者は私たちの宝だと考えるべきではないか。

 

私は強くそう考えています。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 やめるな外科医 泣くな研修医4 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 やめるな外科医 泣くな研修医4 』

中山 祐次郎 幻冬舎文庫 を読みました。

 

この研修医シリーズもついに4冊めです。

 

すでに5、6も購入済みですので

少しずつ読み進めてまいります。

 

ちなみに1~3の書評は下記です。

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

この研修医シリーズ以外にも

中山先生の著書は下記などおススメです。

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

私の個人的な評価ですが

いずれも五つ星が付いておりますので

少しでも医療に関心をお持ちの方には

是非とも手に取っていただきたい書籍です。

 

本書は中山先生らしさ満載の研修医シリーズの4冊め。

心を落ち着けて楽しみに読み始めたのでした。

 

目次

プロローグ

Part 1 緊急入院

Part 2 桜並木

Part 3 雨音

Part 4 結紮

Part 5 「おやすみ」

 

感想

あまりネタバレはしたくないので

詳細について書くのは

ここでは控えますが、

今回の4冊めも実に様々なトピックスがあり、

そのひとつひとつが人生ドラマとなっていて

心にズシリと来るものがありました。

 

やはり医療現場というのは

命が掛かっていて

生死の分かれ目が当たり前の世界ですので

とてもプレッシャーの強い職場ですね。

 

それだけでなく

人間模様が強く出てくると言いますか、

本書に登場する患者さんたちも

今まで様々な人生を歩んできており、

それが生死の狭間で浮き彫りになって

医師や看護師と分かち合うことになるわけで

その人らしい治療であったり、

その人ならではの死を迎えたり、

考えようによっては

深く、深く、追求しなければなりませんので

私自身も目を瞑って

自分の人生を振り返りながら

そして自分の死を考えさせられて

それまでの人生を全力で生きようとか

何だか本当に過去、現在、未来という時間軸で

ものすごく広く、深く、考えることとなりました。

 

それを物語のなかで

しかも実にさりげなく

難しい話しなんか何もなく、

日常に組み込んでくる

著者のセンスに脱帽です。

 

別に医療従事者でなくとも

一般の方にも普通に読めてしまうわかりやすさ。

 

ただただストーリーを楽しむこともできますし、

人生を深く考えることもできますし、

それこそ研修医という若手医師が

医療現場でどのような体験をして

医師として一人前になっていくのかの実例でもあり

読み手によって

あらゆる角度から楽しみ、学びになる

稀有な内容となっています。

 

私は仕事柄、毎日のように医師とお会いしますので

これらの先生方が研修医だった頃を想像しながら、

またその延長としての今がリアルにここにあり、

医師人生をサポートする人間の1人として

医師の実像を知る手助けにもなっています。

 

この研修医シリーズは

うちの社員たちにも読んで欲しくて

会社の本棚に置いているのですが

本書は読みやすいみたいで、

しかも内容が面白く

医師のことを知るきっかけにもなりますので

みんなが順番になって読んでいます。

 

これも会社としては大変にいいことですし、

それだけこのシリーズが優れていることの

証明ではないでしょうか。

 

あくまでも私の個人的な見解ですが、

この4冊めは、

起承転結で言うと「転」ではないかと予想します。

 

まだ5冊目、6冊目を読んでいない中で

こんなことを言うのはどうかと思いますが、

「死」というものについて

ここまで表現してきたのは

今後のシリーズを占うような

新たな展開の1歩のように感じますし、

主人公の雨野先生にも

恋人との別れや手術ミスなど

今までとは異なる展開の準備段階のようにも思えたり、

またラストシーンでは

前作、今作で、

かなり重要な人物であった方との別れがあるなど

次の展開がどうなるのか

楽しみとワクワク感と若干の怖さを感じたりします。

 

基本的には医療現場で起きている日常を

わりと淡々と表現している本ではありますが、

外科医という視点であることや

患者たちの人生を抱えていく研修員の葛藤など

エモーショナルに書かれているので

読みやすさを追求しながらも

読者は自然と感情移入をすることになります。

 

事実、私は読みながらも

登場人物たちがリアルに存在するかのような

柔らかな錯覚をするくらいでした。

 

過去、様々な作家たちが

医師や医療現場についての小説を書かれてきましたし、

そのなかでは今でも語り継がれる名作もありますね。

 

医療小説というジャンルのなかでは

中山先生の書く研修医シリーズは

いずれそのような名作の仲間入りをするのではないかと

実に楽しみにしております。

 

そして雨野先生が、研修医から専攻医、

そして専門医、指導医とキャリアアップしていくなかで、

いや違う展開もありますけど

どんな医師になっていくのか

とても楽しみです。

 

末永く読み続けていきたいと素直に思える

研修医シリーズ4冊めでした。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

早くこのシリーズの5冊目を読みたいと思いましたが

他にも読みたい本はたくさんありますし、

すべて読み切ってしまうのも

それはそれで何だかさみしいことですから

ここは慌てず、騒がず、

ゆ~っくりと読もうと思います。

 

そうは言ってもおそらく1~2か月後くらいには

こちらの書評に登場することでしょう。

 

こういうシリーズものって

読むほうは楽しいですけど

書くほうはかなり大変ではないでしょうか。

 

陳腐化してはいけないし、

ネタは段々と少なくなるでしょうし、

読者を飽きさせないってスゴイことですよね。

 

おそらく中山先生にとっては

このシリーズはライフワークのようなものでしょうから

次から次へと新たな展開が生まれてきそうです。

 

心より応援しつつ

次回作、そしてこれからも長く続けていただきたいです。

 

それでは、また…。

 

 

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