ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

考えて生きる 合理性と好奇心を併せもつ

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

どうしても私たちは

好き嫌いという感情で

人を判断してしまう傾向にありますが

別にそれが悪いとは思いませんし、

それでこそ人間らしいとも言えるのでしょうけど

それ「だけ」ではダメだと思うんですね。

 

やはり嫌いでも学ぶべきところがあるとか

好きだけど適度な距離を置くべきとか

是々非々で対処すべきシーンも多いです。

 

それこそ知性であり

知恵だし、知見でありますが

この判断で結構人生は変わってきそうですね。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 考えて生きる 合理性と好奇心を併せもつ 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 考えて生きる 合理性と好奇心を併せもつ 』

成毛 眞 ひろゆき西村博之】 集英社 を読みました。

 

前述した件ですが、

どうも私はこのひろゆき氏が

あんまり好きになれないんですね。

 

別に知り合いでもないし、

彼のことを深く知っているわけでもないし、

youtubeで動画を数本見たとか、

テレビやニュースアプリでコメントを読んだくらいで

きっと本当のところは全く知らないのだと思います。

 

まあ彼から見たら

私なんぞは箸にも棒にも掛からぬ存在でしょうし、

知る術すらないでしょうけど

なぜか好きになれない。

 

でも無視していい存在ではないし、

お!と思うようなユニークな着眼点を持ち

論客として存在価値はあるとは思ってます。

 

つまりあんまり好きではないけど

しっかり学んでおくべき対象というところでしょうか。

 

その一方で成毛さんは実に面白く感じていて

この方の考え方は刺激になりますし、

私とはタイプが全然違うだけに

とても参考になるところがあります。

 

実際に成毛さんの著書は

今まで結構読んできているのですね。

 

ka162701.hatenablog.com

 

その成毛さんと対談するならば

ひろゆき氏を学ぶチャンスかもしれないなと思い

どんなもんだろうと若干不安を持ちながらも

楽しみにしながら読み始めたのでした。

 

目次

●「まえがき」にかえて

 ーー30代、40代、50代 のときにやっておくべきことは?

 

●第1章:10年後、20年後の世界

10~20年後に残る仕事

地方と都心、住むならどっち?

東京一極集中はどうなるか?

世界が注目する核融合技術。でも日本は置いてかれる!?

日本の原発再稼働はあり? なし?

昆虫食、代替肉は定番食料になるか?

統治システムが機能しないロシアの問題点

ウクライナ戦争後の世界は冷戦時のようなブロック経済になるのか?

 

●第2章:情報はどう手に入れるか

SNS時代の情報収集術

友人の選び方、付き合い方

自分の頭でちゃんと考えるためには

会話の最中に意識していること

投資先の情報をどう得ているか?

21世紀型の資本調達法「社債転換型トークン」とは?

大きな選択をする時には、プランBを持つ

アートはビジネスの世界で役立つか?

なぜ、フランスでは木彫りの熊の置物が「アート」になるのか?

世代が変われば、日本も変わる!?

 

●第3章:メタバース、仮想通貨、デジタルのこれから

コロナ禍で日本のデジタル化は進んだか?

"安い国・日本"は、どこを目指せばいいのか?

メタバースはうまくいくのか?

メタ社の将来性

デジタル通貨が流通するかは「覚悟」の問題

世界中の投資家がアメリカ企業に投資する理由

 

●「あとがき」にかえて

 ーー合理性と好奇心を併せもつ

 

感想

意外とひろゆき氏が大人しくて残念。

やはりひろゆき氏といえども

成毛さんに対しては

それってあなたの感想ですよね…みたいなことは

さすがに言えないみたいで

今ひとつ突っ込みが甘いようです。

 

もっと喧々諤々していることを期待していたのですが

その意味ではちょっと不甲斐なく思いました。

 

そうは言ってもこの2人は

今をときめき論客とも言えますし

ところどころ、なるほど…と思うところはありましたし、

ほう、そう考えるのか…と勉強になるところはありました。

 

興味深いトピックスも取り上げてはいるのですが

なにぶん対談ですので

そこ、もっと深掘りして欲しいと思うところが

サーっと流してしまっていて

んん、と地団駄踏むような感じでした。

 

まあ新書ですし

たかだか189ページの本ですので

そこまでは求め過ぎというところでしょうか。

 

どうせならもっと徹底討論して欲しかったですが

それは他の機会を待つとしましょう。

 

それでは恒例の私がグッと来た箇所をご紹介いたします。

 

自分の年齢よりも

そのときの状況に合わせて動いたほうが

うまくいきやすいですからね。

年齢を軸にして目標を決めると、

身動きが取りづらくなる。

大事なことは「トレンドに乗れ」ということ。

人の情報感度って

「はやりものについていけない」と諦めた瞬間から

ガタ落ちすると思うんですよ。

(P.3)

 

わかる。その通りだと思う。

考え方が老けたおっさんとか

逆に若いのにフリーズしてる人とか

先がないんじゃないかな。

 

そもそも僕は

「未来を予想しても、基本的に外れる」

と思ってるんです。

大きく外れないのは

人口動態くらいですよ。

(P.21)

 

そうでしょうね~。

そうじゃないと面白くないし、

未来は自分で作るものです。

 

僕は自分の頭で考えないほうがよい派なんですよ。

世の中、自分の頭で考えたほうがうまくいくのって、

頭の良い上位1%の人だと思うんです。

んで、残りの99%の人たちは頭の良い人が考えたものを、

そのまま受け止めて使ったほうが断然よい。

(P.87)

 

一理はあると思いますが、

一理しかないかなとも思います。

 

自分の頭で考えないと

何を受け止めるべきかを見誤りますからね。

騙されたり、虚偽を拡散するようでは困ります。

 

誰かの発言に対して、

とりあえず反論は考えています。

そして、自分の反論が正しいか、

またその場のウケがいいかどうかを

瞬時に評価しています。

他人の発言をそのまま受け入れるのではなく、

どんな会話でも必ず一回は逆を考えていますね。

言うかどうかは別として。

(P.95)

 

頭の使い方、考え方としては正しいでしょうけど

それを何でも口に出したり

SNSなどで反論するのはいかがなものでしょうか?

 

それでは知性の欠如の証明であり、

ただの嫌な奴に成り下がりますね。

 

ビル・ゲイツは天才ですから。

もうひとつは、

ビル・ゲイツマイクロソフトをつくったのは1975年で、

Windows95」で有名になったのは1995年。

20年かかっていますよね。

しかもあの天才がやって20年。

(P.118)

 

ホント継続は力なりですね。

そして今だけカネだけ自分だけのことしか考えない人には

何もいいことなどないのだろうなと思います。

 

必ず成功するものではないけど

続けなきゃ挑戦権すら手にできません。

 

まじめな話、

「時代が変わる」というのは

「世代が変わる」ことです。

団塊の世代がいなくなることが、

日本の最大の変化になるんじゃないですかね。

(P.135~136)

 

本当は自発的に変化をすべきでしょうけど

既得権を持って何も変えたくないジジイ達が

大手を振っている間は無理でしょうね。

 

早く時代を変えたいですね~。

 

大事なのは、楽観的に生きることですよ。

結局、将来的にサバイブしているのは、

未来を楽観視している人たちです。

楽観的になると行動も変わりますから、

そういう人が結果的には成功する。

反対に未来を悲観しすぎる人は、

不幸になる確率がめちゃくちゃ高いと思います。

(P.141)

 

共感します。

未来に絶望していたり

生きる元気を失っている人って

ほぼ悲観的な人ですよね。

すべては自己責任なのだけど。

 

それはSNSの影響が大きいかもしれませんね。

論理的にものが考えられない人にも

発言権が与えられたでしょ。

しかも、日本語は読めても、

文章の意味をきちんと理解できない人も多い。

(P.149~150)

 

こうして行き過ぎた人が

アカウントを特定されて

賠償金を支払わざるを得なくなったりしていますね。

 

SNSもリアルな社会と変わらないことすら

理解できていないのでしょうか。

 

ビル・ゲイツが成功した理由は、

「まず、売り上げをつくる」ことを重要視したからなんです。

だって、売り上げがない限り、

会社としては成立しないから。

だから、「どんな会社にしたいか」といった

ビジョンを持つことよりも先に、

「まず、何かを売ってカネを作れ」ということです。

とことん合理的ですね。

(P.187~188)

 

当たり前っちゃ当たり前なのですけど

おかしな美辞麗句に酔ってしまう人も少なくないですね。

 

カネカネカネという風潮はどうかと思いますけど

正当な対価としていただく売上は企業の根幹でありますし、

発展の「礎」とも言えるのではないでしょうか。

 

確かに合理的と言えば合理的ですけど

私には社会の仕組みであり、

構図、構造であると考えられます。

 

別にビジネスの世界だけではなく、

何ごとも道理や、摂理や、条理というのは

避けて通れませんし、

ここをしっかり見ることが肝要ですよね。

 

後先を間違えると

あんまりいいことはなさそうです。

 

評価

おススメ度は ★★★☆☆ といたします。

 

少し厳しめの評価ですが

この2人が対談するなら

もうちょっとボリュームが欲しかったという点。

 

それと全てとは言わないものの

もっと深掘りして詳細を議論して欲しかった点。

 

この2点をマイナスといたしました。

 

まあ読み物としては面白かったし

お2人の掛け合いは満更でもなかったので

そこそこの満足度でありますね。

 

ただ成毛さんが相手だと

さすがのひろゆきさんも遠慮したのでしょうか。

 

それでは、また…。

 

 

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