ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

総会屋錦城

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

私も若い頃は

できれば仕事なんてしたくないと

恥ずかしながら考えていましたし、

もし働かなくても

食べていけるくらいの蓄えがあれば

仕事せずに毎日遊びたいと考えていました。

 

そうですね~

20代から、30代前半の頃までは

この程度だったかもしれません。

 

しかし30代半ばから後半に差し掛かると

こういう稚拙な考えはいつの間にか姿を消して

世のため人のために働く意義のようなものを

しっかり理解するようになっていました。

 

すると不思議なことに

どんどん仕事ができるようになって

なぜか結果もビシバシ付いてくるようになったのですね。

 

仕事の結果が付いてくると

モチベーションは自然と高くなります。

 

モチベーションが高くなると

さらに結果は付いてきます。

 

こんな相乗効果が生まれて

いつの間にか仕事をするのが全然苦ではないどころか

楽しくてしょうがなくなってしまったのです。

 

ついでに言うと

私の中では仕事をしているという感覚はありません。

 

しいて言うなら「活動」という言葉が

わりと近いかなと思ってます。

 

働くとか、労働とか、勤務とか

そういう感じはまったくなくなりまして

それこそ自然な「生命活動」の一環のようです。

 

こればかりは良い悪いではなくて

たまたま私はこうなってしまったというだけの話しであり

別に自慢するとか

私を見習えとか

そんなことは露ほども考えていませんで

そうですね…

こんな人もいますよくらいに

頭の片隅に入れておいていただけたら嬉しいです。

 

特別な能力があったわけではありませんし、

誰よりも頑張ったということもありません。

 

何だか人の役に立てることが楽しくて

さらに喜んでもらおうと工夫をしたら

すごく感謝をいただいたりして

別に仕事が好きになったというわけではなく、

自分らしく「活動」しているだけなのです。

 

仕事が趣味だなんて言うと

多少、語弊がありますけど

私にとってはわりと近い感覚かもしれません。

 

いや、それどころか、

仕事と遊びがそれほど遠くないのですよね。

 

こうなるとストレスがなくなりますから

まるで遊びのように働いて

仕事で遊んでいる感じもなきにしもあらずです。

 

やはり変ですかね~???

 

今回ご紹介する書籍は、

【 総会屋錦城 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 総会屋錦城 』

城山 三郎 新潮文庫 を読みました。

 

2007年にお亡くなりになられましたが

なぜか城山三郎さんの著書は

今までも好んで読んできました。

 

ちなみに過去読んできた作品は

下記にてまとめてあります。

 

ka162701.hatenablog.com

 

もう何年も前から

ふとした時に読みたくなるのが城山作品でした。

 

確かに現代と比較すると

あり得ないような話しは少なくありませんけど

城山作品には時代の息吹と言いますか

圧倒的な熱量が含まれているように感じます。

 

もし自分がこの時代に生きていたら…と思うと

かなり大変ではあったでしょうけど、

生き抜いてみたいという気持ちが湧き出てくるのですね。

 

以前は私の積ん読本棚には

常に5~6冊の城山作品があって

ふと思いついた時に

さあどれにするかなと選んでいたのですが

最近では在庫も少なくなり

未読の本も手に入りずらくなっています。

 

今回、久しぶりに城山作品を読みたくなったのですが

ん~、こっちか、こっちかと選択肢の幅が狭くなり、

これはこれで若干の寂しい気持ちもありますが、

機会を見てまた探してみようと思います。

 

ちなみに本書は短編集です。

 

どうも私は短編小説に苦手意識があり、

随分前に購入していた本書ですが

なぜかずっと避けていたのですね。

 

長編小説のほうが好きという

単純な理由だけなのですが、

さすがに選択肢がなくなってきたので

どんなものかなと怖々と読み始めたのでした。

 

目次

・総会屋錦城

・輸出

・メイド・イン・ジャパン

・浮上

・社長室

・事故専務

・プロペラ機・着陸待て

 

感想

うん、昭和。

もうこれ以上ないくらいにガチ昭和です。

 

でも昭和44年生まれの私にとっては

ある程度の懐かしさとともに

決して嫌な感じを受けません。

 

むしろ現代社会にも

何らかの昭和のエッセンスが必要ではないか?

そんなことを考えてしまいます。

 

いや時代錯誤も

甚だしいと言ってしまえばそれまでですが、

どんな時代にも良い面も悪い面もあるでしょうし

学ぶべき点は素直に取り入れたほうが

いいように思うのですね。

 

そりゃ時代は進化をしていますし、

どう考えたってトータルで考えれば

今のほうが良いに決まっています。

 

スマホどころか

携帯電話すらなかった時代ですし、

固定電話のみなんてのは

今の若い方から見たら

いろいろやりにくくてしょうがないでしょう。

 

またインターネットもなくて

個人が社会に向けて情報発信をしようとすると

新聞の投書欄くらいでしたでしょうか。

 

もちろん非掲載のケースも多いでしょうし、

SNSのような気軽さはありません。

 

今のほうが絶対に便利なのは間違いありませんが

もし昭和のほうが優れているものがあるとしたら…

 

これは私の個人的見解ですが…

・情熱

・希望

・未来を信じる

この3点ではないかと思います。

 

高度経済成長期に特有かもしれませんけど

昭和ってのは何だか熱かった。

 

そして松下幸之助さんや本田宗一郎さんなど

一介の中小企業の経営者から

誰もが知る大企業を創りあげた。

 

そんなスゴイ人ばかりではなくて

ごく普通の方々が

去年より今年が良くなる

今年より来年が良くなると

無邪気に信じることができていた。

 

今の若い方には想像すら付かないかもしれませんが

そういう時代だったのですよね。

 

もちろんいいことばかりではなくて

今よりも制度が整っていなかったので不正もあったし、

コンピュータがなかったので

すべてが人海戦術で賄うしかなかったり、

今と比較したら決していい時代ではなかったのですよ。

 

でも、その分、なぜか、明日を信じることができた。

もっと良くなるよね。

みんな良くなるよね。

天真爛漫にそう思えたのですね。

 

今、そういうふうになろうよと言ったって

時代が違うのですからなれるわけがありません。

 

では昭和から何を感じ

どう活かせばいいのか?

 

実はですね

城山作品にはそのヒントがあるように感じます。

 

今の20代、30代の若い方は

城山三郎さんを知らない方も多いでしょうけど

私に騙されたと思って

何か1冊だけでいいから読んでみて欲しいです。

 

どの本がいいとかもありません。

何となくの感性で選んでいただいて

ザザザッと読み進めてみて下さい。

 

へ~こんな時代もあったんだとか

何だか理不尽な社会だなとか

良くも悪くもスゲーなとか

きっと何かを感じることはできると思います。

 

その「何か」が現代社会では失われているのです。

 

この「何か」があったほうがいいのか、

なくてもいいのかは私にはわかりません。

 

両面あると思いますし、

ないからと言って致命的に困るものでもありません。

 

でも持ち合わせたら

今という現代社会を生き抜く「術」が

手に入るのではないでしょうか。

 

昭和には「キャリア」を考えている人なんて

ほぼいなかったんじゃないかと思います。

 

それどころじゃなかったですし、

転職自体が少数派、

終身雇用が当たり前の時代でした。

 

今のように価値観は多様化されておらず

単一化だったと言わざるを得ないところもあるでしょう。

 

何のために仕事をするんだろう。

そりゃ食うためだよ。

 

やりがいのある仕事って何だろう。

仕事にやりがいなんて要らねえよ。

 

働くって何だろう。

汗水垂らして給料もらって女房子供を食わせるんだよ。

 

キャリアって何だろう。

何だそりゃ、欧米か?

 

私などが言うことではありませんが

戦後の焼け野原からの出発で

それこそ食うものもない状態だったんですよね。

 

みんなが必死になって生き延びようとして

政官財が国家のために一丸となれた。

 

昭和だって20年代、30年代と、

40年代とか50年代では

全然違うものなんですけど

城山作品は時代時代を的確に表わしていますし

何よりその時代を必死に生きる

「人」にフォーカスしているんです。

 

それが共感を生んだり

反発を生み出す源泉となり、

何だか訳のわからない

パワーを生み出していたように感じます。

 

そういう時代じゃないと言ってしまえば

それまでなのですけど

そういう時代じゃない時代も知っておくのは

決して悪いことだとは思いません。

 

えっと全然本編に触れてないのですが(笑)

それぞれの短編、普通に面白かったです。

 

今とは違う時代の何か。

確実にそういうものがありますよ。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

正直に申し上げると

やっぱり長編小説のほうが面白いですし、

勉強になるところが多いように感じました。

 

短編にも長所はあるとは思いますけど

私は個人的にちょっと合わないかなと…。

 

本書に収められている7つの物語も

それなりには読みがいもありますし、

別に大きな不満があるわけではないのですが

あ、もう終わり?

ん、もう少し深掘りして欲しいのに?と

つい思ってしまうんですね。

 

本のタイトルにもなっている

総会屋錦城は「直木賞」を受賞したようですし、

長編小説であれば城山さんの筆はもっと鋭く

そして幅広い展開が表現されたのではないかと思うと

私はむしろ少し残念に思ってしまいました。

 

まあいずれも面白いっちゃ面白いですし、

激動の昭和を感じさせてくれるところも

ところどころに散りばめられていますので

これはこれでいいのかな…。

 

私がちょっと偏屈なのかなと思いながらも

やっぱり城山さんは

長編小説でしょ…と思うところも強くあり、

自分的には少し腑に落ちない感じでしたね。

 

それでは、また…。

 

 

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