おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
これからどうしよう?
どうしたらいいんだ?
なかなか先が見通せない現代社会ですし、
複雑化を増している時代であるとも思います。
私たちは未来に対して
不安が増すばかりですし、
現状への不満は大きくなってしまいますね。
どう打破するか?
方法はひとつやふたつではありませんし、
正しい方法を取っていても
必ずしも上手く行くものでもありません。
だからと言って
何もしないでいられるものでもありませんし、
何もしないことのリスクこそは
特大と言えるかもしれませんよね。
にっちもさっちも行かないとも言えますが
まずは現在地点を正確に知るというのが
突破口を見い出すために必要ではないでしょうか?
そして現在地点を知るためには
なぜそうなったのか?も
合わせて知ったほうがいいですね。
つまり歴史を知る、歴史を学ぶという
意義とか、価値は
本来はこういうところにあるのだと思います。
我が国の学校教育では
歴史は暗記の授業になってしまい、
テストでいい点を取るためには
とにかく暗記する、覚える、
そうなってしまっているのが非常に残念ですが
歴史を学ぶべき理由は
これからどうする?に対しての選択肢を手に入れて
適切な決断をするためにあると考えます。
我が国の政治や行政を見ていると
歴史を軽視した時には
必ず手痛い失敗をしているようにも感じます。
私たちは歴史から学び、
より良い未来を作っていかねばなりません。
個人としても、
組織としても、全体としてもですね。
皆さん、大いに歴史を学んでまいりましょう。
ある歴史好きより…。
今回ご紹介する書籍は、
【 歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ 】 です。
本書をピックアップした理由
『 歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ 』
磯田 道史 中公新書 を読みました。
さて、冒頭で歴史を学ぶ意義について
私なりに解説をしてみましたが、
そうは言っても
子供時代から植え付けられた苦手意識は
そんなに簡単に払拭できるものではありませんよね。
幸い私はなぜか歴史は得意でして
子供の頃から今に至るまで
ずっと楽しく学べています。
お陰様で私の人生、
そんなに成功はしていなくとも
大きな失敗はしないでここまで生きています。
賢者は歴史に学び
愚者は自らの経験に学ぶ。
この格言を強く意識して
生きてきた「お陰」かもしれません。
その分、理系科目には苦手意識があるので
できるだけ科学的な思考を持つべく
こちらはこちらで学んでいるつもりですが、
やはり理系出身の方の考え方を知ると
学びやすいという側面は強いです。
よって歴史に関しては
たまたま得意だった私としては
苦手意識を持つ方に
何か伝えることができたらいいなと思ってます。
もちろんそんな偉そうなことは言えませんけど
磯田さんの著書は読みやすくて
難しいものを面白く伝えてくれて
ここから入っていくのはいいと思いますよ~というくらいは
私なんぞでも堂々と述べていいでしょうか。
本書も私自身、とても楽しみに手に取りましたが
やはり期待に応える1冊でしたよ。
目次
歴史の愉しみ方 目次
まえがき
第1章 忍者の実像を探る
忍者の履歴書
秘伝書に残された忍術
忍者の俸禄
赤穂浪士と忍者
甲賀百人組の居所
江戸の化学者たる忍者
第2章 歴史と出会う
「武士の家計簿」のその後
ちょんまげの意味
北陸の妖怪目撃記録
幕末の飛び交った不気味な声
蓮月焼のぬくもり
瀬山陽の真贋
皇族旧蔵品の発見
斎藤隆夫の命がけの色紙
子どもと歴史の感動
古文書が読めるまで
司馬さんに会えたらという反実仮想
第3章 先人に驚く
天皇土葬化のきっかけ
江戸の狆飼育
殿様のお世話マニュアル
江戸の食品安全基準
江戸時代の倹約効果
日本人の習性は江戸時代に
手塚治虫と幕末西洋医
トカラ列島宝島の薩英戦争
龍馬暗殺時の政局メモ
この国の経理の歴史
福沢諭吉と学者の気概
第4章 震災の歴史に学ぶ
和本が落ちてきて
小早川秀秋の墓
心の丈夫なる馬を用ゆべし
東北の慶長津波
地震活動期に暮らす覚悟
江戸時代の「津波避難タワー」
地震の揺れ時間
津波と新幹線
第5章 戦国の声を聞く
石川五右衛門の禁書を読む
五右衛門が獲ろうとしたもの
国宝犬山城の見方
小田原城主、大久保忠隣
家康と直江兼続
江戸城の弱点と攻略法
毛利が西軍について瞬間
島津の強みは銃にあり
井伊直政はなぜ撃たれたか
関ケ原見物作法①家康扁
関ケ原見物作法②三成扁
感想
率直に申し上げて
とても面白かったです。
ひとつのテーマを
3~5ページくらいにまとめてくれているので
1つずつ読むところもあったり、
一気にまとめ読みしたり、
読み方は読み手の自由自在です。
きっと本書であれば
歴史に苦手意識を持つ方でも
スラスラと読めるのではないでしょうか。
もちろん私自身がワクワクしながら
ページを捲りまくってしまい、
あっという間に読み終えてしまったから
言えることでもあります。
磯田さんの素晴らしいところは
古文書を自分で探し、読み、考えて、
わかりやすく解説してくれるところです。
なにせ一次資料を丹念に当たっているから
他にはない情報が満載なのですね。
私たちが歴史の教科書で習った事柄とは
若干異なるケースも少なくありませんが、
最新であること
一次資料から得た情報であること
お偉いさんのバイアスが掛かっていないこと
もうこれだけで私なんぞは磯田さんのほうを
信じるに値すると考えてしまいます。
もうひとつ磯田さんのステキなところは
大きな歴史の流れであったり、
有名な歴史的人物だけではなく、
その時代に生きていた名もなき普通の方々に
しっかりとフォーカスできるところです。
歴史は大事件や大人物だけが作ったわけではなく、
そこには知られざる多くの方が関わっていたわけです。
そこに焦点を当てるというのは
古文書を情報源とする
磯田さんならではの美点ではないかと思います。
特に本書において考えさせられたのが
「第4章 震災の歴史に学ぶ」です。
この書評を書いているのは
2024年8月11日(日)なのですが、
宮崎で大きめの地震があり、
すぐに神奈川県西部でも中規模の地震が起きて、
世間を騒がせました。
磯田さんはライフワークとして
真摯に研究をして発表しています。
地震学の権威の方々とは違う角度で
私たちに天災への警報を鳴らし
歴史から対策を教えてくれています。
これぞ生存戦略として有効でしょうし、
私たちは素直に耳を傾けるべきなのでしょうね。
それ以外にも
本書には教科書には載っていない
おそらく未来永劫に載らないだろう
ユニークな歴史が満載です。
本当は歴史の面白さって
こういうところにあるのだろうなと思いながら
私は読み進めました。
普通の人。
ごく普通の日常生活。
こういう当たり前があるからこそ
イレギュラーな事件が起きるのでしょう。
プロセスを見ずして
大事件だけをピックアップしても
それこそテスト用の知識であり、
私たちが歴史から学ぶとか
歴史を未来に活かすというようにはなりませんよね。
歴史から何を学ぶか?
磯田さんの著書を読んでいると
「普通」の積み重ねの価値を意識させられます。
私自身、磯田道史さんの著書を
少しずつ読み込んできており、
歴史の知識が相当に広がった実感があります。
是非、多くの皆さんに磯田さんの著書をお読みいただき
それぞれの未来に活かしていただけばいいなと思います。
本書は様々な話題に斬り込んでいるだけに
きっと楽しく読めるんじゃないでしょうか。
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
磯田さんの著書の良いところは
「他にはない」という点ではないかと考えます。
歴史について書かれている書物は多いですが、
だいたい似たような内容が多く
それは史実とすれば当然ではありますが、
磯田さんは観点が違うので
必然的に「他にはない」話しが多く書かれており
そこが磯田本を好んで読んでしまう理由のひとつです。
本書の冒頭には
「歴史は愉しいものである」と書かれていますが
私個人的には本当にそうだなとつくづく感じています。
しかしそう思えない人も少なくなく
それは学校教育に要因があると思うのですね。
もう子供時代の歴史の授業なんて忘れて
磯田さんの本をみんなで読めば
歴史好きは一気に増えるんじゃないでしょうか。
歴史は歴史単体で考えるべきものではなく
現代社会に通じるものも多いですし、
え、そことそれが繋がるの?なんてことも多いです。
ですから私たちの知識を、知見を、
大いに豊かにしてくれるのですよね。
別に大人になれば
テストでいい点を取る必要なんてありません。
ただ私たち自身の人生を
今よりも少しより良いものにしていくために
歴史は大いに貢献してくれるのではないか、
私はそう考えています。
当書評ブログでも
歴史本の感想を書くことが多いですが
それだけ私自身にも学びとなり、
大いに役立っていることでもあります。
若かりし頃は
司馬遼太郎さんの著書を
貪るように読み漁っていましたが、
最近では「人物文庫シリーズ」と
磯田道史さんの著書を好んで読んでいます。
人類が滅亡でもしない限り
歴史は連綿と続いていくわけですし、
最新の研究により
かつての認識とは大きく変わることも多いので
ずっと歴史は学び続けていきたいと思います。
それでは、また…。
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