おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
一応、恥ずかしげもなく
私は歴史好きだと述べていますし、
世界史は弱いけど
日本史はそれなりに詳しいつもりでいますので
読書のなかでも歴史本を読むことは
自分のミッションだというように考えています。
それともうひとつ…
賢者は歴史に学ぶ
愚者は自らの経験に学ぶ
この言葉が本当に好きで
これって真理だなと考えていますので
現代に生きながらも
歴史は生存戦略として学ぶべき対象と
個人的に考えております。
そんなこんなで
数冊に1冊は歴史関係の本が
私の読書スケジュールには
自然と入ってくるのですね。
今回ご紹介する書籍は、
【 昭和史 1926-1945 】 です。

本書をピックアップした理由
『 昭和史 1926-1945 』
半藤 一利 平凡社レーベル を読みました。
「昭和天皇物語」という漫画をご存知でしょうか?
私はある時に大人買いをしまして
それ以降は新刊が出るのを楽しみしており
毎度すぐに購入して読んでいます。
この原作者が半藤一利さんなのです。
過去、半藤さんの著書は数冊読んでおりますし、
映画を見たら半藤さんが原作を書いていたなどもあり
歴史作家としてリスペクトしています。
そして本書「昭和史」です。
何かのSNSで投稿している方がいて
へえ~昭和史か。
なかなか面白そうだな。
え、半藤さんの著書なの?
ふ~ん、みたいな感じで
楽天ブックスで検索を掛けてみましたところ
昭和史は3部作となっていて
取り急ぎ本書「1926-1945」と
「1945-1989」を購入しました。
他に「B面昭和史 1926-1945」という
著書もあるようですが、
なにせ積ん読本棚が満杯になっていますので
取り急ぎ「1926-1945」と
「1945-1989」を読んでから考えようと思い
まずはこの2冊を優先しようと思ったのです。
もうひとつ昭和という時代ですが
私は昭和44年生まれですので
たっぷり昭和に浸って生きてきたのですが、
やはり昭和と言えば激動の戦前、戦中、
そして戦後の奇跡の復興を知らねばなりません。
私の世代は復興を果たした後、
バブル崩壊までが実体験としてあるのですが
その前からは学ぶべきところが
数多くあると思うのですね。
実は学生時代から
昭和初期について書かれた本は
結構読んでおりまして
斉藤隆夫、石橋湛山など異質な政治家など
自分なりに勉強はしてきたつもりです。
もちろん学者ではないし
専門家でもないし
ただの素人の物好きというレベルですけど
昭和というのは「激動」という言葉がピッタリで
歴史から学ぶという点では
戦国時代、明治維新と並ぶほど
学ぶべき時代ではないかと考えています。
最近の若い方から見たら
昭和のモーレツに働くとか
バブル時代のイケイケドンドンとか
かなりイメージが悪いのかもしれませんけど
そういう黒歴史が厳然とあったのは事実ですけど
そういうものとは一線を引いて
純粋に昭和という歴史を学ぶことは
賢者は歴史に学ぶという観点で
かなりプラスになると思います。
なにせ「激動」の時代ですから
いい悪いとかではなく
サバイバル戦略としての参考になるでしょうか。
もちろん私自身もさらに学びたく
大きくて分厚い本ではありますけど
大いに楽しみにしながら
本書を読み始めたのでした。
目次
昭和史の根底には“赤い夕陽の満州”があった
―日露戦争に勝った意味
昭和は“陰謀”と“魔法の杖”で開幕した
昭和がダメになったスタートの満州事変
軍国主義への道はかく整備されていく
―陸軍の派閥争い、天皇機関説
二・二六事件の眼目は「宮城占拠計画」にあった
―大股で戦争体制へ
日中戦争・旗行列提灯行列の波は続いたが…
―盧溝橋事件、南京事件
政府も軍部も強気一点張り、そしてノモンハン
第二次大戦の勃発があらゆる問題を吹き飛ばした
―米英との対立、ドイツへの接近
―ひた走る軍事国家への道
独ソの政略に振り回されるなか、南進論の大合唱
―ドイツのソ連進攻
四つの御前会議、かくて戦争は決断された
―太平洋戦争開戦前夜
栄光から悲惨へ、その逆転はあまりにも早かった
―つかの間の「連勝」
大日本帝国にもはや勝機がなくなって…
日本降伏を前に、駆け引きに狂奔する米国とソ連
「堪ヘ難キヲ堪ヘ、忍ビ難キヲ忍ビ…」
三百十万の死者が語りかけてくれるものは?
―昭和史二十年の教訓
ノモンハン事件から学ぶもの
感想
いや~面白かった。
とても勉強になりましたし
口語体なので、
とても読みやすくて
これはいろんな方に読んでいただきたいなと
素直に思えました。
絶賛おススメいたします。
私は全然知らなかったのですが
本書はかなり売れたようですね。
歴史好きの方から見たら
今どきかよ?
とっくに読んでおくべきだろう…と
言われちゃいそうですが、
いいのです。
別に遅ればせながらでも
私は全然構いませんし、
良いことをするのに遅すぎるなんてありません。
というか…
長年読書をしてきて思うのは
出会うべき時に出会う本があるということです。
書店や、ネットや、図書館でも
それこそ積ん読本棚でも
今読みなさい!とピカーっと光る時がありますよね。
私にとっては
本書は今読むべき本だったのだと思います。
控えめに言って
本当に読んで良かったです。
さて、内容ですが、
まあイデオロギー的な問題は別として
昭和という通史を
ここまでわかりやすく、
そして面白く書かれた本は
なかなかないんじゃないかと思いました。
日露戦争から始まって
昭和という時代がスタートし
満州事変が起きた…と。
いや起きたというか
陸軍が起こしたわけですけど
ある意味ではここから敗戦までの転落が
始まったと言わざるを得ませんね。
ソ連の南下を恐れて
満州を欲したというのは
理屈ではわかるのですけど、
それが日中戦争となってしまい
全面戦争に陥ったのは
結果論としてもあまりにも痛いです。
日中戦争には大反対していたくらいですから
途中で引き返せなかったのか…。
いや何度も引き返そうとしていたのだけど
流れが加速するとそう簡単には止められない。
これも人生戦略として
頭に叩き込んでおきたい歴史ですね。
もうひとつ太平洋戦争が
真珠湾攻撃で始まったわけですが、
たまたま幸先よく勝ててしまったばかりに
こちらも歯止めが効かなくなってしまい
ソロモン諸島まで…。
現代に生きる我々から見たって
ガダルカナル島ってどこだよ?
ラバウルってどこにあるんだよ?
そんな感じじゃないですか。
アメリカとオーストラリアの連携を
阻止したかったという意図はわかりますけど
欲していたのは「資源」なのだから
フィリピンやインドネシアあたりで
もう充分と満足して
このラインを絶対国防圏としておけば良かったのに。
欲を描けば痛い目に合う。
足るを知るの精神。
そもそも近代史というのは
ヨーロッパが中心であり
彼らから見ると
アジアの国々は
占領するための存在だったかもしれません。
迷惑千万な話しですけど
事実としてそうだと思いますし、
インドや香港を見ても
インドネシアやマレーシア、フィリピンも
そうだと言わざるを得ませんね。
そういう動きに唯一対抗したのが
我が国、日本だったのですから
その点に関しては価値があるように思います。
いわゆる八紘一宇のような考えですけど
日本にとっては
アメリカ、イギリスとの関係悪化により
石油などの資源を調達する必要に迫られただけですし
お題目としては素晴らしくても
事実としてやったことは
欧米諸国とそう変わりはなかったとも言えます。
もし違う手法を取っていたら?
相手国にもメリットを提供し
共存共栄できるような連携を取っていたら?
ついそんなことを考えてしまいますけど
これって現代にも通じますよね。
アメリカやロシアの横暴ぶりは目に余りますし
資本主義は限界に近づいている感がありますし
拝金主義もそろそろいい加減にしないと
自然環境と搾取されている労働者の側が
大反発を起こしそうな気がします。
まあ人類なんてのは
マルクスの頃から
ずっと同じことを繰り返しているわけですが
さすがに地球と
貧困層が反撃に出るんじゃないでしょうか。
当時の日本も緒戦に大勝してしまったので
謙虚な姿勢をどこかに置き忘れて
もっともっとと手を広げ過ぎたことによる
悲劇があったわけですよね。
戦略的な足るを知る。
もし軍部が控えめに考えることができたら
また違った歴史があったのでしょう。
あと今では多くの日本人が
2度と戦争はしたくないと考えていますし、
マスコミも戦争反対という論調が多いですけど
この頃は政府や軍部だけではなく
多くの国民が戦争で勝つことを望み
新聞社なども戦争を支持していたんですよね。
いや支持どころか
新聞が売れるからと
むしろ主導的に導いていたとも言えそうです。
敗戦後、誰もかれもが手のひら返しをしましたけど
どの口が言っとんじゃ!という話しです。
斉藤隆夫のような
立派な代議士は存在していましたし、
反戦を主張する市井の人々もいたとは思います。
でも憲兵隊にしょっぴかれたり、
非国民と名指しされる時代でしたから
致し方ないのは確かなのですけど
勇気を出して反対を述べる人がもっと多かったら
ここまで多くの人を亡くすことはなかったでしょう。
声の大きな人に従い、
大多数の流れに身を任せてしまうことは
現代社会でもよくあることです。
しかし自らの正義感と
後世への責任感、
そして世のため人のためにと考えて、
正しいと思うならば
勇気を振り絞って
反戦の主張をすることも
あっても良かったのだろうなとは思います。
ひとつ間違えれば
命を失うことになるかもしれませんが
結果的には
戦争で多くの尊い命が失われたのですから
死をかけて猛反対しても良かったのかもしれませんね。
なんてことが言えるのは
平和な時代に生きているからですけど
形を変えて現代にも活かせる
サバイバル戦略は充分に学べたような気がします。
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。
冒頭申し上げたように
早くも「1945-1989」を読みたくなってます。
ただ他にも読みたい本が目白押しですし、
少し間を空けたほうが
読みたい情熱が高まってきますので
しばらくお預けにしておきます。
昭和史にご関心がある方は
是非とも本書を手に取ることをおススメいたします。
それでは、また…。
<ジーネットが発信する情報提供サイトはこちらです!>
・ジーネット株式会社 公式ホームページ
・医療ビジネス健全化協議会<IBIKEN>ドクター向け情報提供サイト
・ジーネット株式会社 <社長のtwitter>
・ジーネット株式会社 <社長のfacebookページ>
