おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
先行き不透明な時代ですし、
大手企業でも早期退職制度などが
頻繁に実施されるようになっていますから
終身雇用なんて夢のまた夢。
自分でキャリアを切り拓かねばならない時代ですね。
私はキャリアの専門家の1人ですので
キャリアについて語らせると
何時間でもしゃべれるのですけど、
どうも昨今はキャリアを軽視して
転職すればバラ色の未来が広がっているかのような
間違ったアナウンスが増えているようにしか思えません。
そりゃたまたまの幸運で
よい職場が見つかることはあるでしょう。
でも、それでは運を天に任せるようなものなので
何度も幸運が続くとは限りません。
大事なのはキャリアだと思うんですね。
私は個人的に
キャリアを「スキル」と「経験」と定義しています。
希少なスキルと
どこに出ても恥ずかしくない経験値があれば
転職なんて恐れるものではありませんし、
このキャリアがあってこその
転職の成功ではないでしょうか?
求人サイトや
転職エージェントの宣伝広告に騙されてはいけません。
大事なのはキャリアであって
転職ではないんですよ。
事実、転職をして
年収が上がるのは2~3割程度なのですよ。
裏を返せば
7~8割の人は
転職しても年収は同レベルか、
下がっているのが現実なのです。
これこそが転職よりも
キャリアを身につけることが大事である
証拠と言えないでしょうか。
今回ご紹介する書籍は、
【 転職の鬼100則 】 です。

本書をピックアップした理由
『 転職の鬼100則 』
早川 勝 明日香出版社 を読みました。
私の場合は転職支援を
長く生業としていますので
適宜、新たな転職ノウハウを手に入れるためにも
昨今の転職マーケットの動きを知るためにも
時々、転職本は読まねばならないと考えています。
そうは言いましても
私もすでに20年以上この業界で生きてきていますし
自分でも出版をしたくらいですから
それなりの知見は持っているつもりです。
ですからどうしてもシビアな視点で見てしまうのですが
この「鬼100則」シリーズは
どこかで見掛けたことがあり、
つい手が伸びた次第です。
著者のことも全く知りませんし、
ただこのタイトルに惹かれただけなのですけど
やっぱりウザいのかな~
変に熱いのかな~と心配を持ちながらも
取り合えず読んでみるか…と手に取った次第です。
<参考>
目次
第1章 Selections ~鬼選択~
第2章 Decisions ~鬼決意~
第3章 Interviews ~鬼面接~
第4章 Organizes ~鬼捨離~
第5章 Thoughts ~鬼思考~
感想
えっと、正直ウザいと思いましたし(笑)
熱いと言えば熱いのですが
それはウザがられる熱さです。
それは著者自身も意識しているようで
その熱さを欲している人だけ
読んでくれればいいんだというスタンスのようです。
著者はすでに20冊ほどの著作があり
そのなかでも「鬼」シリーズは人気が高いそうですね。
またお勤めになっている保険会社にて
中途社員の採用や育成に携わっており
その経験を元にして本書を書いたようですが
キャリアの専門家である私から見ると
ちょっと稚拙なところがあり
一般化はできないところも少なくありません。
穿った見方をすれば
困ってる奴はオレんとこに来いという
私利私欲が透けて見えるところもあります。
じゃ、読む価値ないか?と問われれば
それが意外と読む価値あります。
ちょっとガサツな口調ですけど
段々とそれに慣れてきて
何となく著者の性格までわかるようです。
特筆すべきなのは
・ストレートであること
・歯に衣着せぬ物言いであること
・物事を簡略化して本質を突こうとしていること
ま、3つとも似たようなものですし
本質を突いているのではなく
突こうとしているというのが何ともはやですが、
まだ経験値の浅い若手にとっては
これくらいの方が参考になるかもしれません。
特におススメなのは
転職活動が上手く行ってない人とか
転職活動を失敗してしまった人でしょうか。
かなり心にグサリと刺さるところが
多いのではないかと思います。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。
仕事に人生を捧げるのはいいが、
会社に人生を捧げてはいけない。
(P.21)
そりゃそうです。
仕事に人生を捧げた結果、
人生を棒に振るのでは何の意味もありません。
仕事は人生を豊かにするために
頑張るのがベストです。
どの段階でその次の転職を検討してきたのかといえば、
それは、瞬間的な「ひらめき」だ。
何か”天命”でも降りてきたかのように、
転職マインドが沸き上がってくるタイミングがあった。
そうひらめいてからはもうマッハスピード、
徹底的かつ戦略的に動き回り、
数週間から数か月で環境を変えてきた。
(P.62~63)
人間は感情を持っていますから
ひらめきのような感情論も時には大事でしょう。
ただここで考えて欲しいのは
転職ありきではなくて
キャリアを持って主導権を握ることです。
本書では転職ありき
それこそ転職のススメのような内容ですが
キャリアがなければ転職は成功しません。
精神論ではカバーできないのですね。
この世の中、根拠のない自信が一番強い。
逆に、理屈をこねくり回し、
夢幻にすがりつこうとすればするほど、
出口が見えなくなるのである。
(P.69)
これは自責か、他責かと言ってよいでしょうか。
自責の人ではないと自信は持てません。
他責にすると
自分は無敵の人になる一方で
成功からは遠ざかるでしょうね。
企業が嫌う人材ベスト3とは、
「消極的な指示待ち人間」
「人間関係になじめない不気味なキャラ」
「没個性のマニュアル君」である。
(P.113)
思わず笑ってしまいましたが
まあ確かにと頷けますね。
問題は、自分は当てはまらないと思っているのに
周囲からは当てはまっていると思われている人です。
大きな組織には
こういう人が多そうですね。
プライドばかり高くて
生産性は低い…どころか、何もしていないという…。
面接官の立場から、
印象だけで不採用にしたくなるタイプ「五か条」
①地味で暗くて汚い。
②話が回りくどい
③要領を得ない回答
④ユーモアが通じない
⑤上司の悪口が止まらない
(P.120~121)
これもニヤリとしてしまいましたが
最も問題なのは⑤です。
上司にリファレンスチェックでもした暁には
数倍になって悪口を言われるんじゃないでしょうか。
面接の最後に、
「何か質問はございますか?」と、
面接官の私から確認することがある。
すると、採用候補者からの最も多い回答というのが
「特にありません」である。
(P.136)
今まで面接に何千件と同行した私としては
ここは事前にしっかりアドバイスします。
ありませんはダメです。
2~3時間くらい話して
もうこれ以上話すことありませんという
そんな状況なら話しは別ですが、
通常、ありませんは
評価をマイナスにするだけです。
私はその”体験学習”を通して、
初めて腹がくくれた。
普通のサラリーマンをやるなら、
どこの会社へ入っても大差がない。
(P.183)
ここは著者の転職失敗経験を語り、
どうせだったらフルコミッションでいいやと
保険業界に転身した場面ですが、
まあフルコミとか、保険業界は別にして
この割り切りとか、達観というのは
決断をする際には不可欠と言えるでしょう。
「働き方改革」だけが大事なのではない。
あなたの「生き方改革」に取り組まなければならないのだ。
どれだけ会社を変えたところで、
あなた自身の「生き方」に変わらなければ、
人生は変わらない。
いい換えれば、「労働条件」重視派なのか、
それとも、「自己実現」重視派なのか。
私は断言する、
転職に成功するタイプは、
自己実現に生き方をシフトできる人だ。
(P.183)
これはその通りと思います。
ただ、だから転職ではないんです。
キャリアなのです。
キャリアがなければ転職は成功できません。
あなたは何ができますか?
あなたは何がしたいのですか?
ここに自分らしい答えを持ち、
キャリアを活かして人生をより良くするのです。
それが自己実現に繋がります。
だが、断言したい。
今、あなたがなっている自分こそが、
正真正銘の「これまで成し遂げた結果」なのだ。
兎にも角にも、まずそこを認めないと、
転職したってうまくいかない。
だって、そこと直面して認めない限り、
同じことの繰り返しだから。
人間、本当になりたいと思っている自分にはなれるが、
なれたらいいなあと
漠然と願っているだけの自分にはなれない。
それが真理である。
(P.227)
楽して稼ぎたい人が増えている昨今、
それができずに犯罪を犯す人も増えています。
稼ぐために苦労をする必要はありませんが
楽して稼げるほど世の中は甘くありません。
だからこそキャリアなのです。
他にできる人が少ないとか
確実に仕事を遂行するためのスキルを持つとか
安心して任せられる経験があるとか、
そういうキャリアが自分を成長させるのです。
キャリア思考がないと
転職は上手く行きません。
本書は転職、転職と
まるで転職をすれば
バラ色の世界が待っているという論調が多いですが、
それは誤りです。
キャリアアップすれば
転職は自ずと上手く行きますし、
人生もより良くなっていくでしょう。
評価
おススメ度は ★★★☆☆ といたします。
悪い本ではないんですが、
突き詰めると「転職のススメ」なんですよね。
おそらくこれからの時代は
転職を成功させよう、成功させようと思えば
根性論に行き着いて
もの凄く窮屈になると思います。
そうじゃないんです。
キャリアなんですよ。
所詮、キャリアに応じた転職しかできないんです。
だから先にキャリアアップが必要なのです。
そういう大事なところは書かれておらず
転職のことしか書かれていません。
その点は非常に残念ですけど
転職に悩んでいる人、
転職活動が上手く行かない人、
転職を失敗した人には
参考になるところは多いかと思います。
医師の皆さんには
ちょっと不向きかなと思いました。
それでは、また…。
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