ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60冊以上の本を通じて、人生や社会の構造を読み解いています。 読書感想にとどまらず、キャリアや人生に彩りを与える言葉を綴っています。読書好きな方と繫がりたい!

B面 昭和史 1926-1945

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

私は歴史が好きなものですから

歴史関連の書籍はかなり読みます。

 

賢者は歴史に学び

愚者は自らの経験に学ぶ。

 

当ブログでも何度となく取り上げていますが

この言葉も身に染みて大事だなと考えておりますので

継続的に歴史を学ばねばならないと思ってます。

 

日本の歴史の場合は

戦国時代や明治維新の前後あたりが人気があり

もちろん私自身も好きですし

強い興味を持って学び続けていますが

それ以外にも学ぶべき時代って

実はたくさんあると思うんですね。

 

意外なことに

もっとも軽視されているのは

「昭和」ではないでしょうか。

 

時代が近いだけに…

実際に私も昭和生まれですし

昭和の後半に子供時代を生きてきましたから

実感として理解できるところもあるのですけど

まだ歴史として成立していないのかもしれません。

 

しかも私の経験上では

歴史の授業では

昭和って3学期の最後に駆け足になってしまい

あんまり深く取り上げなかったように

記憶しています。

 

皆さんはどうでしたか?

 

これはあまりにももったいないですし

大失敗を学ぶためには昭和を知らねばなりません。

 

もっと昭和を研究する。

それが令和を生きる人間としての

責務のように感じています。

 

だって平成生まれや令和生まれの子たちは

昭和に対して実感がないわけですからね。

 

後世に伝えるためにも

昭和を学ぶのは必要不可欠と考えています。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 B面 昭和史 1926-1945 】 です。

 



本書をピックアップした理由

『 B面 昭和史 1926-1945 』

半藤 一利 平凡社 を読みました。

 

半藤一利さんの昭和史シリーズも

いよいよ3冊めとなり

今回はB面と銘打ち

1926年~1945年まで

つまり戦前から敗戦までを

取り上げているようです。

 

ちなみに少し前に

下記2冊を読み終えていましたので

もうこのシリーズは制覇しようと考えており

今回のB面と、

近いうちに読むだろう

「世界史の中の昭和史」はすでに購入済みです。

 

他にも昭和について書かれた本が

半藤さんの場合はたくさんあるのですけど

まずはこの4冊を読み終えてから

先のことは考えようかなと思ってます。

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

いったいB面とは何ぞや?

裏話?あまり語られない話し?

 

よく調べないままですけど

大いに楽しみにしながら読み始めたのでした。

 

目次

プロローグ 一週間しかなかった年 昭和元年

第1話 「大学は出たけれど」の時代 昭和二~四年

第2話 赤い夕陽の曠野・満洲 昭和五~七年

第3話 束の間の穏やかな日々 昭和八~十年

第4話 大いなる転回のとき 昭和十一年

第5話 軍歌と万歳と旗の波 昭和十二~十三年

第6話 「対米英蘭戦争を決意」したとき 昭和十四~十六年

第7話 「撃ちてし止まむ」の雄叫び 昭和十七~十八年

第8話 鬼畜米英と神がかり 昭和十九~二十年

エピローグ 天皇放送のあとに

 

感想

なるほど~。

B面とは庶民の暮らしのほうなのですね。

 

A面が史実として

公式なもの、国家としての歴史としたら

B面は半藤さんが子供の頃の実体験を踏まえた

一般国民の生活に密着。

 

民から見た歴史という点では

とても面白い。

 

しかも子供時分ながら

半藤さんのリアルな体験記付き。

時々B面のはずが
いつの間にかA面になっているところも面白い。

当時流行っていた歌であったり、

それを少年たちが替え歌にしていたり

そんな日常も実に興味深いですね。

 

ただ昭和史から学んでいると

今もそうじゃん

令和になっても大して変わってないじゃん

この頃のダメなところを引きずってるじゃんと

思うところが結構多くて

それが非常に情けないですね。

 

私が感じたところを

徒然なるままに記述してみますけど…

 

まずは「国民の無関心」が

ベースにあるんですよね。

 

ようやく最近になって

増税社会保険料アップについては

やや厳しい目で見るようになりましたが

少し前までは野放しでした。

 

もちろん私もその1人だったので

とても恥ずかしく思いますが

結果的には政官財の思うがまま…。

 

国民の生活にプラスになるならまだしも

結局は私利私欲なんですよね。

 

政官財にいいようにやられて

みんなカネまみれになって

自分たちだけ良ければいいんだと。

 

こんなリーダーを抱えた私たちの不幸とも言えるけど

それを選んだのは私たち自身でもある。

 

振り返ってみれば

決していいとは思わないけれども

原敬浜口雄幸犬養毅

高橋是清齋藤實など

現役総理や元総理が

昭和初期から中期に暗殺されています。

 

財界人だって標的になっていますし、

古くは百姓一揆が行われていました。

 

私たちはあまりにも大人しくなり過ぎて

従順になり過ぎているのかもしれません。

 

江戸時代ですら五公五民になると

打ちこわしなどが行われたそうですけど

今は完全に五公五民になっていますし、

自民党財務省はごく当然だと思っていますね。

 

それどころかさらに増やそうと画策し

影に、陰に、隠れて増やそうと目論んでいる。

 

さすがにテロを起こすようなことは

何とか避けなければなりませんし、

私たちは選挙に投票することで意思表示をして

私たちの暮らしを見ない政治家を

断固として落選させねばなりません。

 

しかし財界は組織票を作り

自民党にすり寄って

自分たちの都合のいい政策を

お金で買っていたわけです。

 

右肩上がりの経済成長の頃ならいざ知らず

(いやいつの時代でもダメなもんはダメですけど)

今は全体のパイが縮小しつつあるのですから

こんなことは許してはならんでしょう。

 

既得権を持つ政官財の奴らに

ひと泡吹かせねばならない時代になってきてます。

 

当時は軍事力を持つ陸軍の都合に

すべてが引っ張られてしまい

政官財がそれに乗っかったわけですけれども

現代も似た構図なのかなと恥ずかしく思います。

 

陸軍が自民党財務省に変わっただけ。

この人たちの共通点は

いいことをしていると信じているんだな。

いずれ歴史に裁かれるでしょうけど。

 

もうひとつは

大手メディアの劣化が当てはまりそうです。

 

フジテレビの問題もそうですが

NHKも政権ベッタリと批判を浴びていますね。

 

大本営発表を垂れ流していた当時と

そう変わらないとも言えそうです。

 

今はまだネットがありますので

課題や欠点もありますけど

批評や批判精神が失われていませんが、

当時は新聞やラジオを信じるしかなかったわけで

本来のメディアの役割である

反骨精神や政権批判があって然るべきだったのでしょう。

 

情報の量と質のバランスが大事ですが

それをどう受け止めるかという

私たちの知性の問題もあるでしょうか。

 

戦争に突入していく過程を見ていくと

何度も大きな判断ミスがなされています。

 

どこかで止められなかったのか?

国民はわからないまでも

斉藤隆夫のような反骨精神を持つ

稀有な政治家を支えることができなかったのか?

 

天皇陛下の意思を無視した

陸軍の幹部は万死に値すると思いますけど

それに抗うことのできなかった政官財の重鎮や

知ることすらしなかった国民にも

責任の一端はあるでしょうか。

 

そしてメディアは魂を売り渡してしまったと。

 

その結果として300万人以上の死者を出し

ポツダム宣言を受諾して

国土を占領されることになったわけです。

 

現代社会でも戦争は2度としたくないと

そう思う人は多いはずですけど、

憲法9条はギリギリ保っているものの

いつ戦争に巻き込まれてもおかしくない

法改正は与党のゴリ押しで可決され、

国民の生活を苦しめてでも

軍事費の予算は増えるばかり。

 

私たち国民が強い意思を持っておかないと

今の政官財は戦争をするんじゃないでしょうか。

 

多くの武器が使用され

国土が破壊されれば

それだけ金儲けの機会が増えますからね。

 

昭和の時代は陸軍の横暴に翻弄されましたが

現代社会はカネの力に翻弄されているようにも見えます。

 

本書を読んでいると

半藤さんご自身は子どもだったので

致し方ないとしても

当時の大人たちも危機感のようなものは

あんまり持っていなかったようです。

 

鎖国を解いた後は

日清戦争日露戦争第一次世界大戦

戦争を経験はしていましたが

国土を蹂躙されるような経験はなかったので

勝てばバンザイ、負ければ残念という

そのレベルの感覚だったのかもしれません。

 

むしろ戦争が起きてから

経済的には多少なりとも潤いましたので

そちらを喜んでいたところもあるようです。

 

現代を生きる我々も同じでしょうか。

自分の生活が優先されていて

リスクに対する危機感が薄いところがありそうです。

 

最後に触れておきたいのは

リーダーの資質ですね。

 

昭和の時代にも優秀な人はいたはずです。

しかし最終的には勝てない戦争に突っ込んだ。

 

ドイツのように

すべてはヒトラーが悪いんだと

責任が明確にならないのが

我が国の欠点でしょうか。

 

小物の悪意の積み重ねが

国民を苦しめたことは間違いなく

小物なんて所詮は私利私欲なんですよね。

 

欲望をコントロールできない

低レベルなリーダーなのですよね。

 

ああ、今の自民党もそうか。

総理になるような人は

良くも悪くも圧倒的な迫力と

グランドデザインを描いて欲しい。

 

けど財務省の言いなりになって

財界から票を勝って

政官財の小物たちの悪だくみの小サークル。

 

このままでいいのか現代日本

昭和の時代の大失敗を

また繰り返すことにならないか。

 

日本人の1人として

大変に危惧しますし、

私としては半径5メートルを守るために

歴史から大いに学ぼうと思ってます。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

単的に申し上げて

大変に面白かったです。

 

600ページを超える分厚い本ですが

重いという欠点はあるものの

その分だけ内容も充実していました。

 

次は4部作の最後になるのかな。

少し間を空けますけど

今から読み始めるのが楽しみです。

 

それでは、また…。

 

 

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