おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
読みたい本がたくさんあって
積ん読の本棚が常に満杯です。
少し減ると
それ以上に購入してしまうので
増える一方なのです。
妻からは何とかしなさいよと言われますが
これが何とかなってる状態なのです(笑)
ただ最近の読書の傾向として
新しい作家さんへのチャレンジが
若干欠けているような気がしていました。
やはり片寄りというのはよろしくないですし
学びを広げるためには
時々は新しい作家さんの本も読まねばなりません。
今回ご紹介する書籍は、
【 国を蹴った男 】 です。

本書をピックアップした理由
『 国を蹴った男 』
伊藤 潤 講談社文庫 を読みました。
本書はスレッズか何か
SNSで見掛けたんだと思います。
伊藤潤さん…。
ん?私はあんまりテレビは見ないんですが
録画して常に視聴しているのが
「英雄たちの選択」です。
確かこの番組に時々出ていらしたような…。
よし、これは良いきっかけだ。
まずは1冊読んでみようと思いポチっと購入。
内容は全然知らないままに
思わず読み始めたのでした。
目次
・牢人大将
・戦は算術に候
・短慮なり名左衛門
・毒蛾の舞
・天に唾して
・国を蹴った男
感想
ん~、面白い。
歴史ものであることも知らず
短編小説であることも知らず
ただただ伊藤潤さんに
ほんの少しだけ興味を持っただけなのに
本書は大当たりでした。
私が歴史好きというのはありますが
逆に言うと短編小説はあまり好きでなく、
構図としては1勝1敗みたいな感じですけど
とにかくストーリーが面白い。
そして取り上げる人物たちが
実に興味深い方々であるともいいですね。
こんなに面白い短編小説は
初めてと言っても過言ではないくらいに
グイグイと物語に引き込まれました。
まずは「牢人大将」ですが
武田家の牢人である
那波無理之介と五味与惣兵衛が主人公。
戦うことでしか
身を立てることができない牢人衆の運命を
どこまでもリアルに書き立てる。
仕官のチャンスも敢えて棒に振り
ただ戦いの場に己を置く。
私には実在の人物なのか
作者の創作なのかもわからないけど
その生き様には感じ入るところがありました。
損得より善悪。
こすっからく自分の利益を追う人が多い
現代社会の中で
そのアンチテーゼとしての
武士の生き方に心を揺さぶられます。
次に「戦は算術に候」の長束正家。
個人的にはこれが1番面白かったです。
豊臣政権の五奉行として
名前くらいは知っていたけど
実際には何をしたのか
どんな人物なのか全く知りませんでした。
算術の天才として
石田三成とともに
豊臣秀吉の全国統一に
多大なる貢献をしたようです。
ただ晩年は天才であるがゆえに
身を崩していく様が興味深いです。
天才は天才であるがゆえに
何かが決定的に欠けている。
その典型であるように思えたし
戦国という世の中で長束正家のような人物を
重宝した豊臣秀吉もまた天才ということか。
そして天才であるがゆえに
晩年を汚したわけですね。
お次は「短慮なり名左衛門」の毛利名左衛門秀広。
いわゆる武士らしい武士として
戦いの場で活躍してきた名左衛門ですけど
上杉家の混乱のなかで
謀略家の直江兼続に騙される。
上杉景勝の家臣として
徳川家康と丁々発止のやり取りをするなど
無骨者で正義を貫く人物という
イメージがありましたが
それが完全に覆されるような陰謀に次ぐ陰謀。
自分が修羅の道に入ろうとも
鬼になろうとも国を維持しようとする男の姿。
現代の政治家や官僚に
こんな男は出てこないのか?と
器の大きさに地団駄を踏むような気分になりました。
そして「毒蛾の舞」の佐久間盛政。
柴田勝家の家臣として
武の象徴のような印象を持っていましたが
豪傑と純粋の両面を持ち合わせていたと。
もし佐久間盛政が
豊臣秀吉方に付いていたら
相当に取り上げられたんじゃないかという
戦略と激しさを持っていた人物。
柴田勝家では使いこなせず
暴走させてしまったというところでしょうか。
同時代を生きた前田利家の印象も
あまりにも私の知識と異なるところが大きく
いったいどちらが実体に近いのか?
前田利家についても学びたくなりました。
さらに「天に唾して」の山上宗二。
茶人としての名声を得つつも
豊臣秀吉という権力者に人生を翻弄される。
ただ骨のある人物は
時に権力者に正々堂々と歯向かい
それが自分を窮地に陥らせる。
そうなることをわかっていながらも
自分を止められないところに
男の生き様を感じさせられます。
千利休などもそうでしたが
この時代の茶人たちは
なかなかの強さを持っていますね。
最後に本書のタイトルにもなっている
「国を蹴った男」です。
鞠職人である五助を通じて
今川氏真の人物像に肉薄していく。
父、今川義元の嫡男として
あまりにも暗愚なイメージを持っていましたが…
いやそれは間違いのないところですが
生まれてくる時代と場所を間違えた氏真。
人間というのは
持って生まれたものがあり
それを活かすも殺すも運命なのですね。
武士としては最低レベルの氏真でも
人として価値がないわけではない。
それを鞠と通して
五助と氏真が関係性を深めていくところが
実に滑稽でもあり、清々しくもありました。
今回、私は初めて
伊藤潤さんの著書を読んだわけですが、
とにかく人間模様が面白い。
きっと伊藤さんは人が好きで
人の奥深い部分にまで踏み込んでいくのが
この上なく楽しいのではないでしょうか。
歴史上の人物ですから
直接話しを聞くことはできませんが、
そこにこそ知性を発揮して
想像力を豊かにして
史実と真摯に向き合い
ストーリーに落とし込んでいく過程は
とても有意義なものと思えます。
何となく伊藤さんの執筆作業というのは
ご本人が最高に楽しんでいる感じがしました。
それが1冊の本として形になるのは
きっと大変に喜ばしいものなのだろうなと。
そして読者がワクワクしながら
本書を読み、そこから何かを感じることを
伊藤さんは心から喜んでいるようにも思えます。
正の循環と言いますか
これこそが世のため人のための仕事だな。
そんなことを思いました。
本書の存在を教えて下さった方に
厚く御礼を申し上げたいです。
とても良い出会いとなりました。
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。
グイグイと物語に引き込まれていく感覚。
そして右に左に揺さぶられて
最後はスッと落ち着かせてくれる。
まるでジェットコースターに乗った感じでしょうか。
とても貴重で刺激的な時間を得ることができました。
おそらくこれから伊藤潤さんの著書は
折に触れて読むことになると思います。
読後、取り急ぎ1冊ポチっと購入しました。
やはり新たな作家さんは
意識的に探して、読まねばなりませんね。
今回の成功体験を活かして
これからも新たな作家さんとの出会いを
積極的に作っていこうと思いました。
問題は積ん読本棚が満杯状態の中で
いつ読めるんだ?ということだけです(笑)。
ま、一生掛けて読むつもりで
のんびりと読書を楽しみ続けます。
それでは、また…。
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