おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
私ごとではありますが
弊社は「自由」を大事にしていまして
経営理念にも「FREE」が謳われています。
現代社会はどの程度自由でしょうか?
会社で働くことに自由はあるでしょうか?
私たちの人生は自由でしょうか?
自由とはいったい何でしょうか?
どういう状態を自由と呼ぶのでしょうか?
私たちの日常は自由と言えるでしょうか?
サラリーマンは自由ですか?
公務員は自由ですか?
医師は自由ですか?
経営者は自由ですか?
伝統や文化、慣例や習慣に雁字搦めにされて
自由を失っていないでしょうか?
私自身は
かなり自由を満喫しているのですが
それは誰かの犠牲のうえでの
自由になっていないでしょうか?
自由って難しいです。
だからこそ深く学ばねばと思っておりました。
今回ご紹介する書籍は、
【 自由論 】 です。

本書をピックアップした理由
『 自由論 』
[訳] 山岡 洋一 を読みました。
本書は随分前から読みたかったのですが
なかなか出会いがなくて
読む機会が訪れなかったんですね。
何で知ったかは忘れましたが
本書の存在を知った時には
2秒後にポチっとしてました。
少し積ん読本棚で休憩してもらいましたが
ずっと楽しみにしておりまして
いよいよと思い
満を持して読み始めた次第です。
目次
第1章 はじめに
第2章 思想と言論の自由
第3章 幸福の要素としての個性
第4章 個人に対する社会の権威の限界
第5章 原則の適用
感想
自由論。
言葉にすると簡単ですが
物凄く深い考察が必要ですね。
本書は翻訳が良いというのもあるのでしょうけど
とても平易な言葉で書かれていて
スラスラと読めてしまいます。
しかし内容は実に濃いです。深いです。
スラスラ読んでしまったら
大事なことを見逃してしまいます。
何度も何度も同じ箇所を読みました。
私は自由だという発言の裏には
何らかの不自由さが隠れていますし、
私は不自由だと発言できることには
すでに自由があるとも言えます。
自由とは何ぞや?という問いに対する
答えは本書にはなさそうです。
いやそもそも答えなんてあるのかどうか。
ただし自由を考えるきっかけは
あちらこちらに散りばめられています。
本書との出会いは
私の人生のなかでも大きな分岐点になりそうです。
実に良い本だと思いました。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介します。
人間が個人としてであれ、
集団としてであれ、
誰かの行動の自由に干渉するのが
正当だといえるのは、
自衛を目的とする場合だけである。
文明社会で個人に対して
力を行使するのが正当だといえるのはただひとつ、
他人に危害が及ぶのを防ぐことを
目的とする場合だけである。
本人にとって
物質的か精神的に良いことだという点は、
干渉が正当だとする十分な理由にはならない。
ある行動を強制するか、
ある行動を控えるよう強制するとき、
本人にとって良いことだから、
本人が幸福になれるから、
さらには、強制する側からみてそれが賢明だから、
正しいことだからという点は
正当な理由にならない。
(P.26)
自衛と他人に危害を与えない。
自由の大原則と言えそうですが、
昨今では自分を守れない、
他人を傷つけるというケースが多いでしょうか。
自由とともに
正しさとは何ぞや?という問いも
合わせて熟慮しなければなりませんね。
現代は「信仰を失いながら、
懐疑論におびえている」時代だといわれており、
人びとは自分の意見が正しいとは確信できないまま、
その意見が否定されれば途方に暮れることだけは
確かだと感じている。
(P.53)
何が正しいかわからない時代。
いや、いつの時代もこんなものか。
だからこそ私たちは問い続けねばならないのでしょう。
思想家にとって、
どのような結論に達するとしても、
自分の知性にしたがって
どこまでも考え抜くのが第一の義務であり、
この点を理解しないかぎり、
偉大な思想家にはなれない。
十分に研究し
準備したうえで自分で考え抜く人は、
その意見が間違っていた場合ですら、
自分で考えようとしないために
正しい意見を鵜呑みにしているにすぎない人よりも、
真理に大きく貢献する。
思想の自由が必要なのは、
偉大な思想家を生み出すには
それが不可欠だからだけではないし、
この点が主要な理由だというわけですらない。
それどころか、
思想の自由はごく普通の人が
知的能力を
最大限に高められるようにするためにも必要であり、
そのためにこそ必要不可欠である。
(P.76~77)
自分の頭で考える。
研究する。調べる。
それは何のために?
やはり何ごとも目的がないと
人は続けることができませんね。
真理とは何ぞや?
思想の先には何があるのか?
頭の中が沸騰しそうですが
それがまた楽しいものなのですね。
一般論として、
道徳や宗教でもそうだが、
人生の知恵や知識でも、
定説になった教えのすべてで同じことがいえる。
どの言語で書かれた書物にも、
人生とは何か、
人生でどのように行動すべきかの両面で、
人生についての教訓が大量に書かれている。
ところが誰でも知っている教訓、
誰でも他人に言い聞かせ、
他人にいわれれば自明のこととして
受け入れている教訓であっても、
たいていの人は現実の問題にぶつかって、
それも一般には苦しい思いをしてはじめて、
その意味を学ぶ。
予想もしなかった不幸や失敗に苦しんでいるとき、
よく知っていた格言や常識を思い出し、
その意味を前から実感していれば、
その問題をうまく避けられただろうにと思うことが
いかに多いことか。
(中略)
真理のなかには、
個人的に体験して実感しないかぎり、
意味を完全には理解できないものがたくさんあるのだ。
(P.94~95)
人は体験しないと学ばない。
そういうものでしょう。
賢者は歴史に学び
愚者は自らの経験に学ぶとも言われますが
歴史から学んでいても
それが実生活で必ず活かせるものでもありません。
生存戦略とは
生きるノウハウと言って良いでしょうか。
人生とは何か?
私たちは生きることを
もっと学ばねばならないのでしょう。
ずっと昔から
きっと言われていたことでしょうけど。
ある問題について、
世間の人たちの意見が一致していると思えるときに、
例外的に違った意見をもつ人がいた場合、
世間の一致した意見が正しいとしても、
少数派の意見には聞くに値する何かがあって、
少数派が沈黙していれば
真理のうち何かが失われる可能性が高い。
(P.105)
トランプ大統領のやり口を見ていると
この人には哲学がない。
あるのは「利」の計算だけと思えます。
少数意見を排除する姿勢は
人類が何度も失敗を犯した要因ではないでしょうか。
国家のような大きな単位だけではなく
小さな組織でもじっくり考えたいですね。
他人がそうしているからという理由で
他人と同じ行動をとっていては、
人間の能力は鍛えられない。
(P.129)
長い物には巻かれろとは
日本人の行動指針と言われますけど
これも国の方向を見誤った時の
大きな原因のひとつですね。
多数派が正しいとは限らないし
声の大きな人が正しいわけでもない。
人間が高貴で美しいといえる人物になるのは、
個性をすべてなくして
画一的になることによってではない。
他人の権利と利益をおかしてはならないという
条件のもとで、
個性を育て際立たせることによってである。
(中略)
各人は個性を伸ばすとともに、
自分自身にとっての価値が高まり、
したがって、他人にとっても
価値の高い人間になりうる。
(P.138)
自由論というか
人間関係の根幹に踏み込んでますね。
相手の個性を認めるとか
相手を常にリスペクトするというのは
関係性を良好にするための第1歩です。
ネット上の言い合いを見ていると
みんな!自由論を読もうよと言いたくなります。
要するに、他人か社会に明らかな損害を与えたか、
損害を与える危険が明らかにあった場合には、
自由の領域ではなくなり、
道徳か法の領域の問題になるのである。
(P.179~180)
自由とは人が生まれながらに持つものであり
道徳や法に縛られるものではない。
しかし為政者は人民をコントロールするために
自由を道徳や法の中に組み込もうとする。
権力者は権力を維持するためなら
何でもしでかしますから
私たちは冷静さを持って
よく監視しないといけませんね。
自由を制限するなんて
誰にもできるわけがないのだから。
自分で選択したことは、
その選択が本人にとって望ましいか、
少なくとも我慢できるものであることを示しており、
人が全体的にみて
もっとも幸福になれるのは、
幸福を追求する手段を
各人が自分で選べるようになっているときである。
しかし、自分を奴隷として売るとき、
その人は自分の自由を放棄することになる。
自分を売るという一回の行動の後には、
自由を行使できなくなる。
(P.222)
幸福の前提にも自由がある。
当たり前のことが
当たり前でなくなっている現代社会。
なぜ生きるのか?
どう生きるのか?
現代人は哲学から学ぶ必要がありますよね。
本書のように100年以上前に書かれたものでも
こんだけ学べるというのが
人類が進化していない証でしょうか。
いや進化なんてできないのかもしれない。
ただ今を生きるのみ。
でもどうせ生きねばならないのならば
賢く生きたいものですよね。
そのための哲学なんだな。
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。
とても平易な言葉で書かれていますけど
考えれば考えるほどに深い沼にハマり込むようです。
私のように
わからないことを前提に哲学を学ぶと
本書は大変にためになります。
わからないことがわかったとか
わからないなりにほんの少しだけわかったとか
そんな情けない状態ですけど
私にとって実に貴重なものを得たように感じます。
長く読み継がれてきただけのことはあります。
心から素晴らしき良書ですねと言えそうです。
それでは、また…。
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