おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
なぜ日本は冷たい国になったのか。
この問いに対する答えは簡単です。
価値観の最優先がお金になったからです。
それも共同体のお金ではなく
個人のお金が最優先となったからです。
そういう人が増えて
みんなカネカネカネと
目を血走らせているからです。
と私は思ったのですが
いかがでしょうか?
もちろんそうでない人も多いです。
しかし世の中全体としては
善悪よりも損得勘定で物事を判断し
カネカネカネとお金があれば
すべて解決するかのように
必死に金儲けを考えている人が多いですよね。
しかもお金を稼ぐ能力がある人はいいですけど
能力がない人までお金を得ようとして
犯罪を犯したり、犯罪に手を貸したり、
お金を得るためなら何をしてもいいという
そんな風潮まで広がってきています。
そしてお金を得た人は
お金を自分のものと勘違いして
社会のためには使いません。
分かち合えば
世の中の隅々まで渡るのに
分捕り合うから
みんなが足りなくなっている。
そんな集団が暖かいわけがなく
そりゃ冷たい国になりますよね。
もっと怖いのは
心の中でカネカネカネと思っているのに
表面上はそれを出さない人たちです。
さらに怖いのは
こういう風潮が強くなればなるほどに
我が国の経済は弱体化していることですね。
中流階級は消えて二極化が進み
数億円の年収を得たり
不労所得だけで暮らせる人が増えた一方で
生活保護の人は増えたり
年収が200万とか300万の人は激増しています。
資本主義は本当に正しいのでしょうか?
私には形を変えた奴隷制度とか
資本主義が限界に近づき
社会が崩壊するまでに
とにかく金儲けしておこうというような
そんな終末期の恐ろしさを感じます。
さあ内田さん。
こんな祖国は救えるんですか?
今回ご紹介する書籍は、
【 沈む祖国を救うには 】 です。

本書をピックアップした理由
『 沈む祖国を救うには 』
内田 樹 マガジンハウス新書 を読みました。
前述したように
絶望的な状況とも言えなくもない日本社会。
内田さんがどう考え
どんな処方箋を出すのか?
本書の存在を知った時には
すぐにポチっとして
自宅に届き次第に読み始めたのでした。
目次
第1部 冷たい国の課題
第1章 衰退国家の現在地
第2章 世界の中を彷徨う日本
第3章 温かい国への道程
第2部 冷たい国からの脱却
第4章 社会資本を豊かにするために
第5章 教育と自由
感想
率直に言って
大変に勉強になりました。
特に第2部ですね
第5章の教育と自由については
非常に読み甲斐があり
そうだ、そうだと思いながら
じっくりと読み込みました。
ただ厳しい現実を赤裸々にしており
しかもその要因も的確に分析しているので
読んでいて暗い気持ちになってしまいます。
なんでこんな世の中になっちまったんだ。
かなり絶望的な気分になりましたけど
「あとがき」でそれを払拭してくれました。
どんなに難しい時代でも
我々は生きていくしかないんですよね。
そして変えることは
決してできないことではありません。
今より少しより良い未来のために
自分にできることを
コツコツとするしかないなと強く思いました。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。
あらゆる組織は
何らかの使命を託されており、
それを実現するために存在する。
けれども、組織が長く生き続けると、
人々はその組織が
そもそもいかなる「よきこと」をもたらすために、
あるいはいかなる「悪しきこと」を防ぐために
創建されたのか、その起源を忘れてしまう。
必ず忘れる。
そして、いつの間にか組織の存続が
自己目的化する。
何のためにこの組織が存在しているのかを
問うことを忘れて、
「どういう組織であるべきか」
についてばかり語り始める。
(P.41)
確かに。
我が国にはすでに役割を終えているのに
存続だけが目的となっている
旧態依然とした組織があまりにも多いですね。
何のために?を見失った組織は
スクラップ&ビルドをすべきでしょう。
日本の食料自給率が
先進国の中でも際立って低いのはなぜか。
一つはわが国では農産物についても
「必要なものは、必要な時に、
必要なだけ市場で調達すればよい」という
市場原理主義が支配的だからである。
そんなはずがないことは、
コロナのパンデミックで
骨身にしみたのではなかったか。
(P.50~51)
コメ不足が叫ばれて
値段も急上昇している昨今、
内田さんの言う通りになっていますね。
市場万能主義に陥ると
市場にないケースを想定できなくなります。
ないものはないのだから調達はできません。
食料がなくなったら
さすがに暴動が起きるんじゃないでしょうか。
自分が幼児的で、利己的で、偏狭で、
攻撃的な人間だと思ったら、
かつてならそれは
「成熟」へのインセンティブになった。
「もっとちゃんとした大人になろう」と思った。
でも、今は違う。
今は「そういう自分がけっこう好き」だと
カミングアウトすることの方が人間的で、
端的に「よいこと」だとされる時代なのだ。
正直言って、私には意味がわからない。
この人たちはそんなに自分が好きなのか。
そんなに同じ自分のままでいたいのか。
私は同じ人間のままでいるなんて
まっぴらである。
息苦しいし、不自由だし、
何より退屈で仕方がない。
「自分自身に釘付けにされていること」を
考えられる限り
最も苦痛な体験だと書いていた。
私もまったくそうだと思う。
そもそも「自分が自分でしか
あり得ないことの不快」を推力として、
生物はここまで進化してきたのではないのだろうか。
話はそこで「おしまい」である。
だから、アイデンティティーに
固執する人たちを見ていると、
私は奇妙な生き物を見ているような気になる。
なぜ「そんなに自分自身でいたい」のか。
自分であることに
うんざりすることがないのだろうか?
いや、ほんとに、率直にそう訊きたいのだ。
(P.59~60)
ちょっと長いですが
これは非常に重要と思い記載しました。
私も内田さんの主張に全面的に賛成ですし
冒頭に述べたように
「カネ」が全ての価値感のなかで
最優先とされた結果だと思ってます。
成熟より「カネ」なんです。
別に稼がなくてもいいんです。
人から略奪すればいいのだから。
バカはバカなりに
一生懸命に生きなきゃいけないはずなのに
バカが「カネ」に魂を奪われて
「カネ」さえ手に入れれば
すべてが許されると思ってるんじゃないでしょうか。
「カネ」から自由にならなければ
大人になれないどころか
人として道を間違えるのでしょうね。
近代市民社会は、
私権の一部、私財の一部を手離し、
それを公共に負託する方が、
成員たちが自己利益の最大化を求めて
喉笛を掻き切り合うよりは
長期的には自己利益を安定的に確保できるという
合理的判断の上に成立した。
ロックもホッブズもそう説いている。
公共の利益と市民の自己利益は
短期的には相反しても、
長期的には一致する。
(P.99)
我が国においては
既得権を持つ政官財が
国民を軽視して
自分たちの利益のためだけに
公共を利用した。
そういうことなのでしょうね。
だから公共への信頼が薄れて
それどころか不信感だらけで
我が身を守るためには
自分で「カネ」を得るしかないと
人心が乱れてしまったのでしょう。
失われた30年の末にこうなったのですし
まさに万死に値すると言わざるを得ません。
喉笛を搔き切り合う時代の到来です。
今の世界では、
この近代的な国際秩序の理念そのものが
揺れ動き始めたように見える。
個人は自己利益のみを追求すればよい。
国家は自国益のみを追求すればよい。
そういう「自分第一主義」が
支配的なイデオロギーとなってきた。
個人も国家も「公共」から撤退しようとしている。
「法の支配」が終わり、
世界は再び「力の支配」、
弱肉強食の「自然状態」へ退行しようとしている。
そんなふうに見える。
(P.140~141)
アメリカファーストを叫ぶ大統領を選び
当選したトランプさんが
私利私欲、自国益自国欲で猛烈に動き、
世界に不幸をバラまいていますから
これはもういかんともしがたいです。
我が国も同じです。
いやもっとヒドイか。
ジャパンファーストどころか
自公政権ファーストなのですから
弱肉強食の奪い合いは進むばかりでしょう。
それがどんな結果を生み出すか。
まあ泣く人は多いでしょうね。
命を絶つ人も、命を失う人も多いでしょう。
世界は、日本も、間違いなく混乱していきますね。
この世の中には
「贈与したらなくなるもの」と
「贈与しても減らないもの」がある。
権力や財貨は誰かに奪い取られると失われる。
しかし、文化資本は贈与しても目減りしない。
知識や教養や技能は人に与えても減らない。
あまり言う人がいないが、
そうなのだ。
(P.168)
想像力の問題なのか
欲望の問題なのか
カネカネカネの人が増えているのは
あまりにも自分の首を自分で絞めていますね。
社会共通資本への意識が薄れると
ディストピアが待ち受けているでしょう。
私たちはそれに耐えられるのでしょうか?
資本主義は
人口が均等に分散している状態を望まない。
まずこのことを覚えておいてください。
ですから、人口問題の解決を
市場に丸投げした場合に
100%の確率で、
市場は「地方を過疎地にして、
都市を過密地にする」ことを選択します。
ビジネスマンは「市場は間違えない」という
信仰箇条に従って、
市場は必ず適切な解を与えてくれると
信じているようです。
ですから、ビジネスベースで、
つまり「金の話」で人口減問題を論じている限り、
資源を地方に分散して、
過疎地も過密地も作らないという
ソリューションには絶対にたどりつきません。
これは「絶対に」と僕は断言します。
資源の地方分散は政治主導でしか実現しない。
(P.204)
逆に言うと
政治が資本主義にまみれて
政治家が「カネ」のことしか考えていないのだから
人口減は自明ということでしょうか。
人口問題の解決には何年、何十年という
時間が掛かるのですから
もう間に合わないでしょう。
一旦は5000万人くらいまで減り
そこからやり直すしかないと思います。
一番たいせつなことは
生態系を守ることです。
日本の山河を守ることです。
森や山や海や川を守る。
そして、それぞれの土地に固有の産業を守る。
伝統を守る。
宗教を守る。
教育と医療を守る。
それが皆さん方のミッションです。
(P.220)
国破れて山河在り。
人類は本当にバカだと思います。
殺し合いの歴史も多いし
何度反省してもすぐに戦争を起こす。
所詮自分だけ良ければいいのだし
共存共栄よりも
自分の、自国の繁栄を優先する。
落ちるところまで落ちて
ようやく気づいて
またやり直していく。
その繰り返しですもんね。
私たちは原理原則基本基礎に立ち戻り
資本主義や民主主義を超えて
地球とともに生きるしかないのでしょう。
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。
今だけカネだけ自分だけ。
そんなことじゃダメだ。
そう思える人が
どれくらいいるのか?
そこが我が国の未来を決めるのだと思います。
果たしてどうなることやら。
まずは私たち1人1人が
半径5メートルを幸せにするために
我が身を尽くすことが大事なのですね。
それでは、また…。
<ジーネットが発信する情報提供サイトはこちらです!>
・ジーネット株式会社 公式ホームページ
・医療ビジネス健全化協議会<IBIKEN>ドクター向け情報提供サイト
・ジーネット株式会社 <社長のtwitter>
・ジーネット株式会社 <社長のfacebookページ>
