おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
普通、それなりの年齢になったら
後世のために何を遺せるか?と考えるのが
正しい姿だと思います。
しかし昨今では平均寿命が長くなったために
それなりの年齢というのが
相当の年齢になってしまって
後世のことなど思う余裕がなかったり、
そもそも自分のことすら何ともならない
生かされてしまっている人も少なくありません。
これじゃ人類の存続は
相当に危機的であると言わざるを得ませんね。
現役世代からお金を回収して
高齢者に送金するという
国家の滅亡に疾走する現代社会。
人口構成の多い年代の投票を目当てに
政治は既得権を死守するために堕落してきた。
官僚も企業も一緒になって
政官財一丸となって私利私欲を優先し
国家を貶めてきた。
そのツケを後世に押し付けるのは
万死に値するんじゃないか?
カネの問題じゃないんだよ。
仕組みや、構図、構造の問題なんだよね。
今回ご紹介する書籍は、
【 どうしたらいいかわからない時代に僕が中高生に言いたいこと 】 です。

本書をピックアップした理由
『 どうしたらいいかわからない時代に僕が中高生に言いたいこと 』
内田 樹 草思社 を読みました。
私も高校生の娘を持つ親ですから
そして敬愛する内田さんがこのテーマで書いたのですから
そりゃ読まないわけにはまいりません。
2025年4月に発行されたばかりの本ですが
予約購入をして、届き次第にすぐに読み始めました。
教育論に関しては
内田さんは超一流の方だと思っていますし
文科省の周辺にいる専門家よりも
実態にメスを入れることのできる人だと思ってます。
また内田さんの考えは
キャリア設計とか、人生設計という点でも
参考になることが非常に多いです。
突き詰めると「生存戦略」なのですね。
現代をどう受け止めればいいか?
これからの未来をどう作り上げればいいか?
思想という観点でも
実務としての考え方、生き方としても
大変に勉強になるんじゃないか…と。
そして本書を娘に読ませるか否か。
そんなことを考えながら
ワクワクしながら読み始めたのでした。
目次
■はじめに
■ポストコロナの時代を生きる君たちへ
コロナ後の世界
受験競争が過熱する中国
人口減少が急激に進む日本
好きなことをやりなさい
能力を発揮するには
隣の人に親切に
■今、中高生に伝えたいこと。進路について
■無数の「助けて」を聴き取ること
■天職とは、仕事の方から呼びかけてくる
集団全体の知的パフォーマンスを向上させる
外国語を学ぶことの意義
学びを通じて別人になる
■おわりに
感想
100ページくらいの薄い本なんです。
内田さんの著書の中では異例ではないでしょうか?
ですけど中身は濃いです。
中高生にとっては
なかなか含蓄のある
ステキな人生戦略が満載です。
別に内田さんの言うことを
すべて信じる必要はないけれど
ここをきっかけに
自分らしさを追求してみるには
とても良いノウハウが書かれています。
今までに何十冊という
内田さんの書籍を読んできた私としては
あ、もう終わり?みたいな感じですが
中高生にはちょうどよい分量かもしれません。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。
言葉が貧しくなるのは、
わからないことなのに
「わかったふり」をしたり、
できないのに
「できるふり」をするからなんです。
「ごまかす」と言葉は貧しくなる。
知性的・感情的な成長が停滞する。
(P.5)
おっしゃる通りと思います。
「フリ」をし始めるということは
自分に嘘をつくということですね。
自分に嘘をつく人は
平気で人にも嘘をつきます。
こうなると人生を棒に振ることになりますし
この先もいいことは何もないでしょう。
自業自得ですけど
自分に嘘をつくと
ひどい人生になることは間違いありませんね。
君たちがさしあたり直面するのは、
受験と雇用です。
何を勉強したいのか、
決めるのは自分です。
大事なのは何をしたいかです。
学術領域を選ぶ時に、
将来的に安定した職業に就けるというような
動機では選ぶべきではありません。
それだと自分の持っている潜在能力の
100%までしか出せません。
100が上限です。
でも、人間は潜在能力の150%とか200%とかまで
出そうと思えば出せるんです。
自分で想像している以上の能力を発揮できる。
そのことに寝食忘れて熱中する。
面白くてしょうがないという時に、
その人の潜在能力が爆発的に発揮される。
そういう分野を探り当てるのが
皆さんの仕事です。
(P.42~43)
わかる。
どうも私たちは100点満点に慣れてしまっていて
でもそんなのは学校でしか通用せず
社会に出たら1000点とか1万点とか
そういう領域に踏み入れないと
とても成功はできないのですね。
公務員とかサラリーマンでいいなら
そういう人生もいいとは思いますけど
成功したければ100点満点ではダメです。
全然足りません。
別にすべての科目で1000点を取る必要なく
これだけはという自分ならではの科目だけ
1000点取ればいいのですね。
こういう考え方をしないと
右肩上がりの経済成長を終えて
昭和的な価値観が通用しなくなっている昨今では
もう通用しなくなってしまうのではないでしょうか。
「頭がよくなる」というのは、
試験の成績が上がるということではありません。
自分の頭が活動的になるということです。
自分の頭が活動的になるのを妨げているのは、
自分自身です。
知性がのびのびと活動するのを妨げているのは、
自分自身です。
その妨害を解除すること。
それが「頭がよくなる」ということです。
(P.51)
学びたいことを
徹底的に学ぶ。
もうこれだけですよね。
ただひとつだけ言えるのは
生存戦略だけは
考えておいたほうがいいですよということです。
これも自分次第ではありますけど
社会は学校の延長ではないことだけは確実ですね。
君たちはこれからの人生で
無数の「助けて」を聴き取ることになると思う。
聴き取れる「助けて」は一人ずつ違う。
それは君だけに向けられた救難信号なのだ。
だから決して聞き逃さないようにね。
(P.68~69)
とても大事な考え方だなと思いました。
昨今では「助けて」と言いにくいし
「助けて」を無視して
自分だけ良い思いをしようとする人も
多いと言わざるを得ませんから。
どうでしょうね…
私はこれからの時代は性格の良い人は
相当のアドバンテージを得る気がします。
他者の「助けて」に敏感な人は
それだけで存在価値が高くなりますからね。
受験は、同学齢集団内部で
「誰でもできること」を
「他の人よりうまくできる」競争です。
でも、「競争」と「学び」は違うものです。
そして、僕が経験的に言えるのは、
相対的な優劣をどれほど激しく競わせても、
それによって集団全体の知的なパフォーマンスが
向上することはないということです。
競争を強いると個人的には力を伸ばす人もいますが、
集団全体としては弱くなる。
(P.73)
資本主義が限界に近づいているということであり、
ポスト資本主義を見い出さないと
社会はさらに荒れていくかもしれません。
勝者総取り、優勝劣敗、弱肉強食の社会って
ぶっちゃけ生きにくいじゃないですか。
それを望む人もいるでしょうけど
望んだからって勝者になれるものではなく、
そもそも本物の勝者って
勝ち負けの世界を超越しているとも言えます。
限られたパイを分捕り合うのではなく
パイ自体をいかに大きくするか?
そろそろこの点を考えていかねばなりませんね。
このままでは暴動が起こるんじゃないでしょうか。
多くの人は、
「学ぶ」というのは
所有する知識や情報や技術の総量を
増やすことだと思っていますが、
それは違います。
「学ぶ」とは
自分自身を刷新してゆくことです。
学んだことによって
学ぶ前とは別人になることです。
学ぶことによって語彙が変わり、
感情の深みが変わり、
表情も発声もふるまいも
すべて変わることです。
「コンテンツ(内容物)」が増加することではなく、
「コンテナ(入れ物)」そのものの形状や
性質が変わることです。
(P.85)
自分自身の「刷新」って
自分では気づけないものかもしれませんが、
刷新した時には
周囲が変わってきますから
少しずつ気づけるものですね。
大人の勉強とか、大人の成長とは
「刷新」を前提にしたほうが
大きく伸びていきそうです。
だから中高生の皆さんにも
今の自分を中心に物事を考えるのではなく
なりたい自分を中心に考えたほうがよいと思います。
それに、「夢を持て」と言ったって、
子どもたちはこの世にどのような学術分野があるか、
どんな仕事があるかを知りません。
世の中がどういうものかを知らない段階で、
「この世の中で、どういう立ち位置を選ぶのか、
はやく決めろ」というのはほとんど虐待です。
ですから、中学生高校生に
「将来何になりたい?」というような
質問を不用意にすべきではないと僕は思います。
そこでうっかり口にした言葉に
自分自身が呪縛されるということがあるからです。
10代の頃になんか、
将来のことなんて決めなくていいんです。
天職というのは、
自分で決めるものではなくて、
仕事の方から呼びかけてくるものですから、
気長に待っていればいい。
(P.88)
キャリア論としても正しいです。
どうしても私たちは
学校教育に雁字搦めにされていて
優等生になりたがります。
でも現代社会は優等生なだけでは
自分らしく生きることがしにくいです。
もっと大きな志を持って
世のため人のために
自分勝手に生きることも必要なのかもしれません。
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
私のように内田さんの著書に慣れている人は
ちょっと物足りない感を持ってしまいます。
ただ内容は内田さんらしさが満載で、
中高生に向けて
伝えるべきことを
わかりやすく、丁寧に、
しっかりと伝えていると思います。
娘にそっと渡してみるつもりだけど
果たして読んでくれるかな?
読んでくれたら嬉しいし、
きっと娘の人生にもプラスになると思うな。
それでは、また…。
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