おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
何のために仕事をするんですか?
この問いに何と答えるでしょうか。
別に正解があるとも思えませんし、
個々それぞれで思うところを述べればいいと思います。
ですが、その述べた内容で
その人の本質はある程度把握されてしまう
なかなか恐ろしい問いなのかもしれません。
今回ご紹介する書籍は、
【 ビジネスを育てる
いつの時代も変わらない起業と経営の本質 】 です。

本書をピックアップした理由
『 ビジネスを育てる
いつの時代も変わらない起業と経営の本質 』
ポール・ホーケン
訳:阪本 啓一 解説:青木 耕平 を読みました。
中小零細企業を経営する私としては……
スモール・イズ・ビューティフルを意識する私としては…
「スモールビジネス」という言葉にピンと来ました。
しかも「名著復刊」ですか。
う~ん、と悩むことなくすぐに購入です。
そして自宅に届き次第に
すぐに楽しみにしながら読み始めた次第です。
目次
第1章 あなたらしさを実現するために
第2章 成功のヒント、成功のワナ
第3章 小さくても大丈夫!
第4章 グッドアイデアだと思ったら時すでに遅し
第5章 成長の秘訣
第6章 お金
第7章 商売のセンス
第8章 まず、顧客に「パーミション」をもらうことから始めよう
第9章 顧客の視点から学ぶ
第10章 よい仲間で良い会社を作ろう
第11章 聖堂守
訳者あとがき
解説 青木耕平
感想
良き良き。
読みながら、頷きながら、
う~ん、本当に名著だなと
つくづく思いました。
いつか自分のクリニックを持ちたい先生、
いつか起業を志す方々、
本書は絶対に読んだほうがいいです。
こんな経営本はなかなかない。
私も大変に勉強になりました。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。
私に言わせれば、
ビジネスは失敗のしようがないのです。
成功とは攻撃的になったり、
一日18時間働いたりすることを指すのではありません。
また、お金に対する強欲さや欲望でもない。
あくまで自分自身の内なる声と、
自分を取り巻く世界に耳を澄ますことを指します。
(中略)
だからといって、
私はビジネスとは座って
じっと待つことだと言っているわけではありません。
深い内省と不断の努力の積み重ね。
ビジネスとは誰かの役に立つことであり、
広く社会の役に立つためには、
まず自分自身に耳を傾ける必要があります。
(P.8)
創業者の「志」とか「大儀」とか
「思い」というのが大事なのですよね。
そして「目的」を見失わないこと。
売上だとか利益だとか上場だとか配当だのが
「目的」を見失わせることは多いですから。
「創業間もないビジネスが調子悪くなるのは、
充分な資金のないことが理由だ」と。
間違っている。ぼくに言わせれば逆だ。
育ち盛りのビジネスにとって、
資金があり余ることは、ないよりタチが悪い。
(中略)
本や教室で学べる「テクニック」だという本がある。
ねぼけた戯言だ。
革新的なマインドは経験を積むことで得られるのであって、
教科書をお勉強したって、身につくものじゃない。
(P.25)
一応、経営者の端くれである私としては
もう大賛成です。
SNSでキラキラしている経営者なんて
本物の経営者じゃないですよ。
100歩譲っても
お金はたんまりあるかもしれませんし、
「今」は成功しているのかもしれませんけど
自己顕示欲の強さが
顧客を軽視していることに繋がっていると思います。
本来、経営者がすべきことは
そんなことじゃないでしょう。
「起業家は、外にいる者からすれば
とんでもないリスクを、あえて取ろうとする。
しかし、確信に満ちた本人にとっては、
ちっともリスクではない。
目の前に飛び越えるべき
リスクの谷があったとしても、
第三者と起業家とでは感じる深みが違う。
自信ある起業家には、こんなもの、
やすやすと越えられる、と見えるようなのである」
(P.41)
飛び越えた人は成功。
飛び越えられなかった人は失敗。
ただそれだけ。
むしろ挑戦したことには価値がある。
失敗なんて恐れる必要はありません。
スモールビジネスにとって
最大の問題は資金不足である、という
昔からある言い伝えには賛成できない。
ビジネスにとって
ーー規模が大であれ、小であれーー
最大の問題は想像力の欠如であって、
資金じゃない。
創業間もない企業が
イージーに資金を手に入れられることは、
創造性をスポイルする悪しき影響を及ぼす。
(P.56)
大企業のサラリーマン社長がダメなのは
資金繰りに窮した経験がなく
出世の勝ち組ではあっても
創業という経験がないことなのでしょう。
だから役員報酬は平気でもらうけど
会社が曲がろうと全然気にしない。
大企業でも創業社長が現役なところは
だいたい上手くいってるんじゃないでしょうか。
二代目、三代目が潰すパターンは多いけど。
成功した経営者は
やるべきことをきちんと実行した。
それだけ。
そこに「誰も知らないとっておきの成功の秘密」など、
ない。
びびることはないのだ。
ビジネスの世界は相当複雑で、
しかも高速に変化している。
だから、大企業トップは日替わりのように変わる。
多くのトップはどっしり椅子に座るというより、
かろうじてぶら下がっている、というほうが正しい。
(P.60)
裏返すと
やるべきことを実行しない
やってはいけないことを実行する
もうこれだけで失敗街道まっしぐらですね。
どこかに正解があると思っている人は
成功者に成功の秘訣を聞くけれど
それは答えではない。
真似しても上手く行かないことは多いし
その行為自体がやるべきことではない。
「問題は常にある」
問題があるからこそ、そこにチャンスがある。
問題はチャンスが姿を変えているだけなのだ。
同じくハチャメチャな状況というのも
チャンスの山だ。
好んでハチャメチャの中に首を突っ込もう。
ハチャメチャを愛そう。
逃げず、自ら愛してその中に飛び込むことこそが
ハチャメチャを解決する唯一の方法なのだから。
(P.64)
経営者向きか、否か。
ここで判断できるかもしれません。
小さな問題でも逃げたい人や
問題を解決することを考える人は
経営者向きではありません。
問題は常にあるのです。
ただ逃げずに立ち向かえばいいだけです。
こんにち巷にある
ビジネス書の犯した罪のうち最大のものは、
「確かさ」を金科玉条にしてしまったことだ。
チェックリスト、TODOリスト、
原理原則、なんとかの10か条、
これだけやればOKという秘訣集、などなど…。
これらを実行すれば、
経営に「確かさ」が生まれる、とする。
ウソだ。
本書の読者にぼくが伝えたい原理原則はたった一つ。
「自分の頭で考えよう」
これだけ。
(P.66)
いいですね~。本当そう思います。
経営者なんだから
すべての責任を負うのだから
正解があるとしたら自分の内側にしかありません。
それが経営者の本質ですね。
起業家はフットワークが軽いので、
よりたやすく高度に情報化された製品を
生み出すことができる。
この情報こそが品質そのものなのだ。
スモールビジネスは素早く考え、
高速で変わることができる。
社内コミュニケーションも良好だ。
おかげで、自社の製品・サービスを、
より小さなターゲット市場に向けて
仕立てることができる。
ビジネスをやるからには
お金を儲けなければならないが、
何より優先するべきなのは、
人が「欲しい」と思う
製品・サービスを提供することだ。
想像力と創造性が、
これまで工業化社会で定石の
「競合相手を打ちのめす攻撃性」よりも
必要性を増している。
(P.78~79)
ビジネスが政治化したら終わりです。
日本にはそんな企業がたくさんありますけど
社会的な迷惑にしかなっていません。
ビジネスはより良い商品・サービスを
マーケットに提供すること。
考えるべきはそれだけですよね。
競合を意識する必要はない。
商品やビジネスの仕組みを念入りに観察する。
競合ではなくあくまで顧客の視点から、
「この点は改善できる」と思う
リストをすべて書き出してみよう。
この実行の積み重ねによって、
毎年ビジネスの
OKラインのバーを引き上げることが可能になる。
(P.121)
どちらがより良い商品か。
どちらがより良いサービスか。
競争とはそれだけですよね。
それが真のビジネスパーソンであり、
経営者の本来あるべき姿なのだと思います。
しっかり練られたビジネスプランは
あなたのビジョンと目的に真摯に沿ったものであり、
それ自体が役に立つビジネスツールだ。
企業のいわばDNAとも呼ぶべきもので、
あなたや共同経営者が前進する際に
強力な手引きとなる。
(中略)
そう、せっかく作成したビジネスプランも半年経ち、
1年経つうちに実態にそぐわないものになるのである。
適宜アップデートしよう。
もし何事もないとすれば、
それはビジネスが成長も変化もしていないことになる。
さらに、あなたが何も学んでいないことになる。
それこそ問題だ。
(P.141)
脱皮できない蛇は死ぬ。
脱皮が必要ではない状態は
相当の危機的状況に追い込まれているのでしょう。
変化は進化ですね。
ビジネスは生きるために行うものではない。
行うために生きるのだ。
(中略)
成功したものの、
一夜にして転落の人生となってしまった例は
枚挙に暇がない。
これについて、ぼくたちがなかなか気づかない
シンプルな教訓がある。
それは、「私たちがビジネスをどのように(how)進めるかが、
私たちが達成するもの(what)である」ということだ。
(P.155)
前述しましたけど
「目的」を見失わないって
言葉にすると簡単ですけど
実現するにはメチャクチャ難しいことですね。
自分をビッグに見せるような
こけおどしのマーケティング・キャンペーンもご法度だ。
だって、実際ビッグじゃないんだから。
あなたの顧客はビッグであることなんか、
望んでいない。
もし望んでいるのだとしたら、
そもそもあなたが選んだビジネスそのものが
間違った選択だということだ。
顧客はあなたがその市場では
ニューフェースだということなど、
百も承知だ。
顧客の家の玄関に
太字フォントで自分の名前を書きつけるような
無粋な真似はやめよう。
逆に、顧客にあなたを発見してもらうことだ。
(P.255)
虚偽マーケティングや
引っ掛けマーケティングが増えるばかりの
日本社会でもありますから、
真摯に受け止めるべきだと思います。
終わったビジネスや、役割を終えた会社は
そっと退場すべきです。
無理に生きながらえさせようとするから
政官財が金目当てにくっつくわけです。
顧客が欲しいのは責任ある行動であり、
できるなら最初に接触した社員と
最後まで話をしたい
(途中で『担当者』にバトンを渡されたくなどない)。
どんな社員であれ自分の意思で顧客に同情したり、
言うことを聞いたりしたい。
それをするための許可を得るために、
「上の」上司とやりあったりしたくない。
「一人の顧客に時間を取られ過ぎるな」という
言い草も無意味だ。
なぜなら、すべての顧客は
一人ひとり特別なのだから。
また、サービスを、製造業のように
生産性という指標で測定しようとしてもいけない。
利益は製品によって上げるべきであり、
人によってではない。
(P.290)
何のために、誰のために仕事をするのか?
この大事な目的を失わせているのは
金儲け至上主義の経営者と
旧態依然とした資本主義なのかもしれません。
自然体で、人間らしい仕組みを
私たちは再構築すべきではないでしょうか。
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。
あんまりにも素晴らしい本で
だいぶ長くなってしまったので
最後は簡潔にまとめます。
起業とは問題解決であり、
経営とは信頼の積み重ね。
派手さではなく、
誠実な実践こそが
永続するビジネスを育てる
そんな「普遍的」な「本質」を教えてくれる
経営本としては最高部類の一冊です。
それでは、また…。
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