ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60冊以上の本を通じて、人生や社会の構造を読み解いています。 読書感想にとどまらず、キャリアや人生に彩りを与える言葉を綴っています。読書好きな方と繫がりたい!

ドラッガーと会計の話をしよう

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

経営者になりたいか?

 

YESと言う人もいれば

NOと言う人もいることでしょう。

 

またなりたくないけど

ならざるを得なくて

やってみたらできたという人もいるでしょうし、

逆になりたくてなったのだけど

全くその能力がなかったという人もいますね。

 

経営とは何か?

そこから突き詰めないと

本物の経営者になんかなれません。

 

ただ金儲けが上手い人は

経営者とは言い難く、

単なる集金マシンになってしまっている場合も

少なくないかもしれません。

 

とか何とか思ったりしますが

別に経営者の定義なんてものがあるわけではないので

いろ~んな経営者が存在していいのでしょうけど

少なくとも勉強しない経営者ってのは

その組織にとっても害悪じゃないかなと思う次第です。

 

経営者でなくたって

勉強を怠らない人は少なくありませんが

経営者で勉強をしない人は

組織の未来を崩壊させるのではないでしょうか。

 

今回ご紹介する書籍は、

ドラッガーと会計の話をしよう 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

ドラッガーと会計の話をしよう 』

林 總 中経出版 を読みました。

 

実は本書は随分前に購入をして

ずっと積ん読本棚で眠っていました。

 

あまりにも私の積ん読本棚が溢れているものですから

さすがにこれはもう読まないだろうという本を整理していて

そこで見つかったのが本書なのです。

 

うん、どうしようか?

読むのか、読まないのか。

 

一瞬、悩んだのですが

これは経営者として読んでおかねばならんだろうと考えて

前の本が読み終わりましたので

すぐに手に取ってみた次第です。

 

目次

プロローグ ファーストクラス

      ーレストラン経営者と謎の紳士

第1章 ディナータイム

    ー利益が会社を潰す

第2章 あかりの消えた機内

    ー「松」「竹」「梅」はどれがお得か?

第3章 真夜中の決断

    ーコストカットは未来を奪う

第4章 再起の朝

    ー客はオーケストラの何にお金を払うのか?

エピローグ 2年後ー経営の神髄

 

感想

ひと言で申し上げますと

「スゴイ!」本です。

 

経営者なら誰もが読むべきと思いましたし、

リーダーやマネージャーも学んでおくべきです。

 

書かれているのは

確かに「会計」の話ではありますが、

素晴らしい「経営本」でした。

 

ここではあえて述べませんが

経営の「根幹」とか「秘訣」とか

「最重要な考え方」が本書には散りばめられています。

 

取り上げているのは

イタリアンレストランの経営ですが、

そこから自社の経営に転換すれば

様々なアイデアが湧いてくるんじゃないでしょうか?

 

読み進めるうちに、

これは単なる「会計の話」ではなく、

経営そのものの「物語」だということに

気づかされました。

 

主人公であるレストラン経営者の苦悩や学びが、

自分自身の過去の迷いや判断と重なり、

何度もハッとさせられました。

 

数字を扱うはずの会計が、

ここまで人間臭く、

ドラマチックに語られるとは思いませんでしたし、

それがまた経営という営みの

本質を照らしているように感じました。

 

ドラッカーの思想が物語の随所に息づいていて、

読者に「あなたの経営は本当に機能していますか?」と

鋭く問いかけてきます。

 

この本は、知識を詰め込むのではなく、

自分の考えを深掘りさせてくれる、

そんな物凄い力を持った一冊です。

 

それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。

 

さっきも言ったけれど、

ボクは人一倍会計を勉強した。

だが、本で学んだ知識はなんの役にも立たなかった。

というより、会計の知識では、

正しい経営判断ができないんだ。

(P.37)

 

いきなり賛否両論ありそうな主張ですが、

これを前提にすると

本書が非常に楽しめますし

とても勉強になります。

 

会計士や税理士の先生方にとっては

何を言い出すんだ!と憤る方もいると思いますけど

著者は会計士であり税理士であるところが興味深いです。

 

ある経理畑出身の社長が

いみじくもいっていたように、

「事業年度という暴君」から

自らを解放しないかぎり、

合理的な事業のマネジメントは行えない。

(P.56)

 

事業を縛る要素は諸々ありますけど

「年度」はそのひとつであるのは間違いありません。

 

これは私も知りませんけど

江戸時代に「年度」という概念はあったのでしょうか?

 

もしなかったとしたら

商人たちの商売は自由で闊達で

とてもよい商いだったのではないかと想像します。

 

そもそもなぜ「年度」なんてものが生み出されたのか?

事業にとってのプラス面はあまりありません。

 

管理のための管理。

あえて言葉を選ばずに言えば

そんなもんクソくらえだと思いますけど

「管理」は問題を隠してしまうものです。

 

そこから解放されると

事業はメチャクチャ楽しくなります。

 

何度も言うが、

経営者の関心は過去の短期的な業績ではなく、

過去から現在、

そして、現在から将来をどのように切り開くかだ。

このような視点で利益について考えてみよう。

ドラッガーは利益を幻想だと言った。

そんなものは存在しないと言った。

(P.70)

 

経営を学校のテストのようなものと考えてしまうと

中長期的には必ず失敗すると思います。

 

最高が100点満点であり

そこに近いか、遠いかという経営じゃ

夢も希望もありません。

 

ですが我が国の学校教育に絡めとられてしまうと

100点を目指すか、カネまみれになるか、

いずれかしか選ぶ道はありません。

 

しかし本物の経営者ならば

100点じゃないとダメなのか?

1000点取るためにはどうすればいいんだ?と

当たり前のように考えるものです。

 

経営は人生なのです。

経営者はもちろん、社員やクライアントなど

みんなの人生を支えるのが経営ではないでしょうか。

 

経営者は利益を増やそうとしてお金をかける。

会計のテキストは売上から

それにかかった費用を差し引いて

利益を計算すると教えている。

だが、現実はそうではない。

売上とコストは対応していない。

それどころか、意識しておかないと

お金はムダに使われてしまう。

ところが、損益計算書を見ても、

お金がどのように使われたのか、

何も書かれていない。

かかった金額はわかっても、

それが利益を生むのに使われたのか、

ムダに使われたのかは、

損益計算書の隅々まで目を通しても、

けっしてわからない。

にもかかわらず、

業績が悪くなると、

むやみにコストを削って利益を確保しようとする。

帳簿上の数字合わせだけで

会社の経営ができるわけがない。

実に愚かなことだ。

(P.122~123)

 

これは「超」大事なことですけど

創業社長とサラリーマン社長では

常識が全く異なっていて、

この部分はサラリーマン社長に対する苦言です。

 

昨今ではほとんどの上場企業が

サラリーマン社長となっており

この人たちには永遠に理解できないでしょうね。

 

視点の長さ、視野の広さ、

目的意識の高さが雲泥の差なのです。

 

さっき、ボクは短期利益に翻弄されてはならない。

目指すべきは長期の利益であって、

将来のキャッシュフローだって話したよね。

個人も、会社も、

お金は目指す目標を実現するために

使わなくてはならない、ということだよ。

(P.125)

 

手段と目的を混同するなということが

経営上でも絶対に必要ですね。

 

それ、何のため?

 

業績が悪化したのは、

過去にしてきた何十億、何百億という

ムダな支出(投資)が

キャッシュを生んでいないからなんだ。

(P.134)

 

過去、現在、未来という時間軸。

 

人間の活動は

すべて時間のなかで行われるのですから

時間を味方にするか、敵にするかで

結果は大いに変わりそうです。

 

ドラッカーが富の創造プロセスを強調する理由は、

”事業を成功させるものは、コストではなく、

 価値の創造”と考えているからだ。

(P.182)

 

頭ではわかっていると思うんです。

それなのに視野の狭い経営者は

マーケティングや営業や管理会計に頼るんです。

 

大事なのは価値の創造。

クライアントに選んでもらえる価値次第なのですよね。

 

成果を出すには何をすべきかを

論理的に考え抜くことだ。

勝負は戦う前に決まるんだよ。

(P.186)

 

そうだろうなと思いました。

ビジネスモデルと事業の設計が全てです。

 

儲かりそうだから参入とか

そういう企業はあっという間に退場しますね。

 

将来のことは誰もわからない。

だから経営は将来に対する賭けなのだ。

当然リスクが伴う。

経済が複雑化すればリスクは増加する。

しかも、誰もリスクを避けることはできない。

会社が存続し続けるためには、

もしものときの備えが必要だ。

つまり、利益は

将来のリスクに備えるための保険ということだ。

(P.189)

 

利益を出すのは目的ではなく手段ですね。

出した利益を何に使うか?

この目的がないと会社は迷走しそうです。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

ストーリー仕立てになっていますから

まるで小説を読むように

気軽に読み進めることができます。

 

しかし、楽しかったで終わる代物ではありません。

 

むしろ深い問いのきっかけが満載で、

うちはどうだ?

自分ならどうする?と

発想が次から次へと湧いてきます。

 

あやうく読まずに捨てるところだった本書ですが

直観が働いて、すぐに読んで良かったです。

 

本書は医療機関の経営者、

病院やクリニックの院長先生や

これから開業を目指す先生にも絶賛お勧めいたします。

 

経営とは何ぞや?というところから

自分の頭が働いてくること間違いなしです。

 

経営者が勘違いをすると

組織は崩壊しますし、

すでに崩壊した組織は多く

また現在進行形で崩壊寸前の組織も多いでしょう。

 

すべて経営者の責任であり、

勘違いを続けてた結果です。

 

ま、私にとっては自省と自戒となる

とても学びとなる1冊でした。

 

それでは、また…。

 

 

*ジーネットTV 毎週新着動画をアップしています!

医師キャリア相談

*ZOOMキャリア相談を無料で行っています。

 

ジーネットが発信する情報提供サイトはこちらです!>
ジーネット株式会社 公式ホームページ
医療ビジネス健全化協議会<IBIKEN>ドクター向け情報提供サイト
ジーネット株式会社 <社長のtwitter>
ジーネット株式会社 <社長のfacebookページ>

よろしければ下記もポチっとお願いします!
      にほんブログ村 転職キャリアブログへ