おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
もともと私は野球ばかりしている子供でしたから
決して頭のよいほうではなかったです。
悪いほうでもなかったとは思いますが、
不思議なことに
野球を究めれば究めるほどに
知性や、知恵が必要であることを感じてしまい、
大学生になる頃には
それなりの読書家になっていました。
おかげさまで身体は強くなりましたし、
今でもまだ結構無理が効きます。
しかも、それなりの賢明さを持って
日々生きていることが実感できていますので、
自分で言うのもなんですが
まあまあいい人生を歩んできたように思います。
今回ご紹介する書籍は、
【 混沌を生き抜く思想 21世紀を拓く対話 】 です。

本書をピックアップした理由
『 混沌を生き抜く思想 21世紀を拓く対話 』
梅原 猛 PHP文庫 を読みました。
少し前に下記の本を読みました。
少し古い本ではありますが、
とても知的な内容でした。
どこまで理解できたのかはわかりませんけど、
かなりの満足感を持っていましたら
本書と出会ってしまったのです。
梅原猛さんという
これまた日本を代表する哲学家であり、
知性派と言ってもいいでしょうか。
梅原さんが対談するならば
それ相当の人が選ばれているはずです。
どんな「知」と出会えるのか。
大いに楽しみにしながら読み始めたのでした。
目次
天皇・この巨大なる謎
ー神道がもつ人類普遍の輪廻の思想が世界を救うー
対話者 山本 七平
地球の生命を救う思想
ー日本の強みは現代に「森の信仰」が残っていることだー
対話者 高坂 正尭
人類四百万年の大遺産
―環境問題はたかだか一万年の文明認識では解けないー
対話者 松井 孝典
父親はどこに行った
ー日本の男たちよ、母子関係の快い繭から脱すべし!ー
対話者 伊丹 十三
鎌倉仏教・日本思想の栄光の時代
ー「愛」と「無私」の思想が今なお我々を魅了するー
対話者 杉本 苑子
芸術家は畸人たれ!
ー現界の道徳にしばられず、異界の狂気を手に入れよー
対話者 横尾 忠則
天下大乱を生き抜く思想
ー日本人の力量が問われている世界秩序崩壊の第二幕ー
対話者 会田 雄次
ー”ヤマトタケル”"オグリ”そして次作”平家”への情熱ー
対話者 西山 松之助
感想
対談相手は…
日本論者の山本七平さん、
宇宙物理学者の松井孝典さん、
映画監督の伊丹十三さん、
作家の杉本苑子さん、
芸術家の横尾忠則さん、
江戸文化の研究家の西山松之助さんです。
存じ上げない方もおりますが、
文句の言いようのない布陣でしょうか。
とにかく感じたのは
我が国にはとんでもなく深い考察をして
イチ時代を作り上げた人が多いのだということです。
バカな政治家が学者を下に見て
政治力で抑えつけましたけど
もう、とんでもない愚策です。
日本の「知」を弱体化させた結果が
今の失われた三十年という結末ではないでしょうか。
最近、思うのは
我が国でも、アメリカでも、
その他、多くの国が
〇〇ファーストと称して
非常に短絡化した
オレ様になっていることへの危惧です。
この傾向は
知性の欠如以外の何者でもないように
非常に心配しております。
この流れを避けるためには
私たちが、どれだけ「知」を重視するか。
そこに掛かっているように感じます。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。
文化の接触というのは、
ある意味で自分の伝統の再確認になりますね。
(P.33)
短い文章ですけど
なるほど…と思いました。
これは文化だけではなく
他者との接触とか
未知との接触なども
同様に自分の伝統を確認できそうだな。
そんなことを考えました。
人類は古くから宗教的です。
宗教を発明したということは
ものすごいことだという気がしますね。
何万年も前から
人類は死んでどこかへ行くということを
考え出しているんですからね。
それを考えないと、
生きているということを
意味的に考えることができなかったんでしょうな。
できなかったと思います。
それがキリスト教に変ったり、
仏教になったり、
いろいろな形になって脈々と流れている。
これからの人類は
そういうところから考え直すべきでしょうな。
二千年や三千年のスパンでは考えられないような、
そういう循環の思想をもち続けているわけです。
そういう世界観が残っていますから、
その世界観の意味を問うべきではないかという
気がしてならないのです。
(P.43~44)
こちらは少し長いですが、
現代を生きる私たちの生存戦略としても
実に有効と思い書きました。
どうしても私たちは目の前のことに翻弄されて
物事の本質を見失うケースが多いです。
こういう時は時空を超えて
発想を広げることで
大事なものに気づけるのではないか。
キャリアや人生を考えると
そういう結論に帰結します。
国の根底に全部わかるものがあったら
国の伝統なんてあり得ません。
わからないものがある国のほうが、
ずっと深い意味をもっているというように
私は思いますけれどね。
日本国家とは何かということは、
まだよくわかっていません。
よくわかっていませんけれども、
われわれの国の伝統は
人類にとって
きわめて大事なものを秘めている。
そして天皇はそのよくわからないものと
どこかつながっている。
(P.47)
頭のいい人ほど
わからないことがあることをわかっています。
頭のよろしくない人ほど
何もかもわかった気になっています。
わからないって
本当に大事だなと思います。
だから私はわからない自分を素直に認めて
わからないことをわかろうとする自分でありたいと
常々考えております。
昨今の何とかファーストって
わからないことをわかろうとしていないで
何もかもわかっていると思っているところが
非常におそろしいです。
哲学というものは諸科学の総合です。
諸科学の成果に照らして、
人間や世界をもう一度、総合的に見る。
その総合的視野の中心に何があるかということですが、
科学のように直接に観察された事実を
あてるわけにはいかない。
それはやはり、人類や世界に対する根本的な直観である。
(P.99)
なぜ哲学を学ばねばならないか?
その理由がここにあるように感じました。
個別的な科学は当然のことならが
それをまとめてみないと
真理は見つからないと思うのです。
科学と哲学を融合し、
そして分離させるというプロセスこそが
本来、人類が持つべき知性ではないでしょうか。
自分の不快に自分で耐えるというのが、
本当は父親の最大の条件なんですね。
自分の不快をひとに解消してもらうのが赤ちゃんで、
解消してやるのが母親とするならば、
父親の定義は、
自分で耐えるべき不快を
自分で耐える人いうことになりますが、
日本人にはその能力を有している人は
まずいないだろうと思います。
(P.120)
私自身も1人の父親として
そうなのだろうかと自省しましたし、
なぜなのだろうかと自問しました。
答えはそう簡単に見つかりませんけど、
大人になりきれない大人が
現代社会には多すぎるような気がします。
子どものメンタルで
大人になってしまって、
それに危機感を持っていない。
どうすれば脱却できるのでしょうか?
それを問うこと自体が大人の嗜みなのかなぁ。
道徳性は欠如していなきゃいけないんですね。
あまり道徳的、倫理的というのはだめだと思う。
宇宙的じゃないです。
宇宙的というのは、
非道徳的、非倫理的だと思いますよ。
道徳とか倫理のなかで
いちばん欠落しているのは愛だと思います。
愛がない。
愛は狂気だと思うんです。
(P.164)
これは、あくまでも芸術家に対しての評価であり、
芸術家たるものは…という視点での物言いです。
一般人がこれじゃ困りますけど
ただ、考えるべきポイントはありそうだと思いまして
それは宇宙的というところです。
私は、この宇宙的を自然の摂理に従うと
自分勝手に捉えたのですが、いかがでしょうか?
この世にある常識は
自然から遠ざかるばかりであり、
現生の利益に捉われ過ぎてはいないでしょうか。
もうひとつは愛です。
愛は狂気という発想…。
ここは正直何とも申し上げられませんが、
狂気ではないとは言えないかなと思いました。
ヨーロッパでもそういう面があるが、
日本の場合、
とりわけ独創的な人間が出にくいということです。
和を以て尊とするからね。
しかし、和というのは、
本来的には違うものをもつ同士が
お互いにやり合いながら、
それでも何とかやって行くということでしょう。
(P.177)
これ、冷静に考えてみると
アメリカや中国でも独創的な人が出ているように見えます。
なぜか?
個人主義だからなのでしょうか?
政府に対する信頼がないのでしょうか?
答えはわかりませんし、
我が国がアメリカや中国のようになるとは思えませんけど
重要なエッセンスは組み込んで
これからに活かしたいですね。
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
さまざまな賢人との思考の往復は、
国家・宗教・科学・芸術・家族を横断し、
混沌を嘆くのでなく
「わからなさ」に踏みとどまる勇気と、
総合知へ向かう筋道を示してくれます。
「和」の再定義や宇宙的視点は、
キャリア設計や経営判断にも効果的とも思いました。
短期主義を超え、
スキル×経験を磨き続ける者に、
長い時間軸の羅針盤を手渡すような良書です。
哲学を「諸科学の総合」として捉える視点、
父性の定義や独創と和の緊張への洞察も刺激的でした。
読み終えたあとには、
外部の視点を取り込んで
「熟慮」を習慣化する決意が強まりました。
やはり、この国を救うのは
「知」を持ち合わせて
常に「知」をブラッシュアップする
現場で奮闘する人なのだろうなと思いました。
それでは、また…。
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