おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
これはあくまでも私の個人的な見解ですけど
今後の時代は「哲学」の必要性は
高まるばかりじゃないかと考えています。
ただし、学問としての哲学ではなく、
あくまでも「哲学的なアプローチ」という意味です。
哲学って、難しく考えると
どこまでも難しくなって
にっちもさっちも行かなくなるじゃないですか。
袋小路と言いますか、
そこに答えがないことに……
また答えが見えないことに……
悶々としたり、イライラしたりしませんか?
いいんです、それで。
学問としての哲学は学者の先生にお任せして
我々のような一般人はあくまでも
「哲学的なアプローチ」さえ心掛けていれば
自分の人生を今より少し良いものに
できるのではないかと思うのです。
そうは言っても、
哲学が難しく、わかりにくいのは確かです。
それなのになぜか私は哲学本をよく読みます。
自分で言うのも何ですが、
決して理解度は高くありません。
わからないものはわからないままに
そのまま読み進めてしまいます。
子どもの頃のように
テストがあるわけではありませんし、
大人の勉強は細部にこだわる必要もないでしょう。
もちろん自分のプロフェッショナルな領域は
トコトン細部にこだわるべきだと思いますよ。
「神は細部に宿る」などと言われるように
それがプロとしての、専門家としての矜持でしょう。
しかし専門外のところは
知識というよりは、知性と教養だと思うのです。
哲学というのは
その最も足るものではないでしょうか?
これからの時代は、
医療従事者だって
ビジネスパーソンだって、
「哲学的なアプローチ」ができないと
自分が苦しむことが多くなるような気がします。
右肩上がりの経済成長を終えてしまった今、
あの頃よ、もう1度と考えるのではなく、
生きるとは何だ?
仕事とは?働くとは?職業とは?
幸せとは何だ?
このように深く、深く
追求するのがいいかなと考えます。
そんなこんなで
私はこれからもずっと哲学を学び続けますし、
それが楽しくてしょうがありません。
今回ご紹介する書籍は、
【 哲学的な何か、あと科学とか 】 です。

本書をピックアップした理由
『 哲学的な何か、あと科学とか 』
飲茶 二見書房 を読みました。
この「飲茶」さんに興味を持ちました。
だって、飲茶ですよ、飲茶……(笑)。
しかも、哲学家であり、作家であり、
そして、会社経営者でもあり、
科学や数学にも長けているという
何だか訳の分からない存在です。
まず「飲茶」さんに関心を持ち、
さて、どの作品を読んでみるか?と調べて、
おそらく処女作であろう本書が
タイトルからしても
大変に面白そうでしたので、
こちらをポチっとして
しばらく積ん読本棚で眠った後に
満を持して、読み始めた次第です。
目次
1章 哲学的な何か
公理①
我思う、ゆえに我在り
論理①
矛盾
論理② 言語ゲーム
物質
原理的に不可能
2章 あと科学とか
カオス理論
エントロピー増大の法則①
エントロピー増大の法則②
ボルツマン
散逸構造論①
散逸構造論②ゆらぎ
散逸構造論③
3章 量子力学とか
波動と粒子の2重性
波派VS粒子派の戦い①
波派VS粒子派の戦い②
波派VS粒子派の戦い③
2重スリット実験①
2重スリット実験②
2重スリット実験③
2重スリット実験④
2重スリット実験⑤
2重スリット実験の哲学的解釈
シュレディンガーの猫② よくある疑問A
シュレディンガーの猫③ よくある疑問B
抽象的自我
多世界解釈の問題①
多世界解釈の問題②
多世界解釈の問題③
多世界解釈の問題 完結編
パイロット解釈
パイロット解釈の問題
解釈問題
4章 科学哲学史とか
帰納主義
帰納主義の問題
論理実証主義の問題
反証主義の問題
ポパーの決断
5章 もっと哲学的な何か
人工知能の心
思考実験① 双子のクローン赤ちゃん
クオリア①
クオリア②
クオリア③
思考実験② どこでもドア
ゾンビ問題
自由意志
思考実験③ どこでもドア2
脳分割問題①
脳分割問題②
脳分割問題③
思考実験④
あとがき
参考文献
感想
「はじめに」で
難解な哲学用語はいっさい使わず…と述べていたように
確かに難しい言葉は使われていません。
しかし、上記の目次を見ていただければわかる通り、
哲学しているのは「科学」です。
私が惹かれたのは、
正解を配る本ではなく
“考え方の型”を配る本だという点です。
数式や専門用語に寄りかからず、
身近な比喩で「なぜ?」をほどき直す。
難しい章でも、
問いの立て方や前提の置き方が手元に残る——
その読後感が心地よい。
医療や経営の現場でも、
結論の前に前提を疑う力がものを言います。
本書はその筋力トレーニングに
最適だと感じました。
根っからの文系人間の私としては
まずここで「お手上げ」です。
理科系や、数学は昔から本当に苦手でして、
一部、地学、化学、生物くらいは理解できましたけど
物理なんかはもう太刀打ちできませんでした。
そんな私ですから
本書は相当に難解でした。
ところが、冒頭申し上げましたように
理解できなくても哲学書を読めるのが
私の個性です。
グイグイ読み進めました。
大筋のエッセンスが理解できれば充分と考え、
良くも悪くも読了しました。
科学的な領域の理解度は高くないでしょうけど
哲学的なエッセンスとしては
何となくわかったようなところもありますし、
別に科学者になるわけでもないので、
これはこれでOKです。
むしろこのエッセンスこそが
私の思考を磨いてくれて、
人生をほんのちょっとだけ良くしてくれるような
そんな気がしました。
こういう学びも必要ですし、
私にとっては科学の「考え方」の入門書のように
頭に沁み込んでくるところが多かったです。
それでは恒例の私がグッと来た箇所をご紹介いたします。
自分自身で決めたルールの中で、
自分自身を正しいとしているのであるから、
つまるところ「論理」というものは、
「自作自演」なのだ。
(中略)
世の中には見えないものがたくさんあるんです。
(P.28)
冷静に考えれば
まあ、そうだろうなと思うのですけど、
これを認識しているか、認識していないかで
人生は大きく変わるような気がしました。
人間は、たとえ物理現象を完全に解明したとしても、
初期値を完全に観測できないので、
決して未来を予測できません。
(P.49)
こういうところが
科学を哲学するということでしょうか?
居酒屋で科学者と哲学者が会話するのを聞いたら
何だか面白そうな気がします。
喧嘩になるかな?(笑)
そもそも、科学の役割とは、
「矛盾なく説明でき、
実験結果を予測できる理論を作ること」である。
(P.109)
そっか。科学とは何か?
そんなことは聞いたことがなかったな。
でも、ここから考えないと
その先はずっと中途半端な理解になりそうかな。
シンプルで綺麗な数式として
表現できない理論なんかに、
使い道などない。
(P.170)
あくまでも私の感覚ですが、
何となく、そうなんだろうなと思いました。
正しいもの、使えるものって
だいたいシンプルなことが多いですね。
「科学的に観測できない現象」については、
科学は何も言うことはできない。
(中略)
現代において、科学とは、
「技術的に応用可能な
理論(数式)を提供する道具体系」であり、
科学ができることは、
「実験結果となるべくぴったり合う、
ツジツマの合った
理論体系(数式)を提供すること」だけなのだ。
(P.179)
どの領域の専門家でも
超一流になってくると
必然的に哲学家に近づくような気がします。
たぶんですけど
科学者として超一流の方は
哲学家としても一流ではないでしょうか?
「悟り」の領域かなぁ。
つまるところ、
どんなに実験と観察を繰り返し、
検証を進めようと、
科学理論は決して確実なものには
原理的にならないのだ。
(P.195)
だからこそ人は
学問を続けるのだろうなと思いますが、
科学者にとっても看過できない発言なのか?
それとも認めるのか?は気になりました。
意志とは、
我々の計りしれないところから
「起こるもの」であり、
いやむしろ我々の計りしれないところから
「起こるもの」でなくてはならない
(そうでなければ、機械的意志になってしまう)。
(P.241)
我々、機械的意志になっていないでしょうか?
もっと自然界を見つめて、
倫理や論理や道徳を熟慮したほうが良くないですか。
今だけカネだけ自分だけ。
ホント、戒めねばなりませんね。
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
理系科目は本当にわからないのですが、
大人になるにつれて
少しずつ「考え方」というか
ちょっとした「学ぶコツ」が
わかってきたような気がします。
明らかに遅すぎるのですけど(笑)、
まあ、これはこれでいいのです。
本書は、「科学」を「哲学」している1冊です。
私のような人間には
課題図書のように重要だと思いましたし、
飲茶さんの他の著書には
「哲学的な何か、あと数学とか」という
タイトルの本もあるようです。
数学が、理科系科目よりも苦手な私は、
さすがにそちらには手を出しません(笑)。
ただ、もっと正統派の哲学本も書かれているようですので
いずれ、そっちを読もうと思います。
それでは、また…。
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