おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
これは、あちこちで耳にしますが、
「自業界の常識は他業界の非常識」とか
よく言われますよね。
実際に、そうだなと思いますし、
医療業界の常識は他業界では非常識と
おっしゃっていたドクターもいらっしゃいました。
どの業界にだって
長年、積み重ねてきた歴史があるわけですから
そのなかで常識とか、慣例とか
そういうものができあがるのは
致し方ないと思います。
問題は、それを後生大事にして
変える勇気を失うことではないでしょうか?
常により良いものを追求して
ブラッシュアップし続けるのならば
常識や慣例があってもいいですけど
それこそ前例主義のようになって
旧態依然とした硬直化は避けたいですね。
私は医師の転職や開業のコンサルタントです。
長年、続けてきたことにより
つまらないこだわりやしがらみを持つことは
やっぱりよろしくないと考えています。
今回ご紹介する書籍は、
【 コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル 】 です。

本書をピックアップした理由
『 コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル 』
メン獄 文芸春秋 を読みました。
最近では、
猫も杓子もコンサルタントみたいなところがあり、
それこそ名刺にコンサルタントと入れれば
はい、コンサルタントのでき上がり…みたいな
とても軽薄な風潮があることを危惧しています。
コンサルタントって
そんなに甘い世界ではありません。
また、コンサルタントと一口に言っても
相当に幅広いジャンルにて存在し、
請け負う業務も実に様々です。
私は医師の転職と
クリニックの開業をサポートする
コンサルタントですが、
そこから派生して
採用コンサルタントもしたりと
業務の幅が広がっています。
常にコンサルタントを学ぶべきです。
本書を見つけたときには
何となく直感が働いて、
この本はコンサルタントとして
視野が広がりそうな気がして
楽しみにしながら読み始めたのでした。
目次
第Ⅰ部 アナリスト編
ー私大文系バンドマン。コンサルタントになる
第1章 「“速い”はそれ自体が重要な価値だ」
ースピードを生む仕事の基礎力
第2章 「ピカソの絵を買う人は値段を見て買わない」
ー品質に説得力を持たせる
第3章 「自分の限界を会社の限界にするな」
ー会社の“集合知”を徹底活用する
第4章 「3ヶ月後に何を言えれば成功なのか?」
ーコンサルタントの型=「論点思考」「仮説思考」
第5章 「お前がいないくらいで潰れるおうなチームじゃない」
ーサステナブルな仕事のスタイルとは?
第Ⅱ部 ジュニアコンサルタント編
ー限界労働。その先
第6章 「顧客の歴史に敬意を払え」
ークライアントを多角的に理解する
第7章 「前提を疑え」
ー「言われた通りにやりました」に潜む罠
第8章 「あなたが社長ならどうします?」
ー「変化」を起こすから価値がある
第9章 「作業を切り出せ」
ーチームにどう働いてもらうか?
第Ⅲ部 シニアコンサルタント・マネージャー編
ーミッションは勝つこと
第10章 「真剣にやってその程度なら降格しろ」
ーマネージャーの絶対条件
第11章 「お前って結局何が出来る奴なんだっけ?」
ー自分が進化し続ける重要性
第12章 「最高のチームでした」
ー周囲を動かすビジョンを持つ)
感想
著者は「メン獄」さん。
誰やねん?という話ですけど、
実名を出さないのは
前回読んだ「飲茶」さんもそうでしたけど
最近の流行りみたいなものなのでしょうか。
12年ほどの経験を積み、
今は医療業界のDX化を推進するスタートアップ企業にて
DXコンサルタントをしているそうです。
新卒からずっとコンサルタントを続けているようですが、
私は外資系の大手というのは
あくまでも個人的見解として好きではない。
いや、すごいと思うところはありますけど
自分勝手で、自社都合が過ぎるところがあって
率直に言えば嫌いです。
ただ、本書は著者の経験値。
自分自身が新卒からずっとコンサルタントとして
サバイバルしながら成長した証を書いています。
こういう個人的な話はわりと好きです。
実際に学びとなるところは少なくなかったです。
これからコンサルタントになろうかと考えている人や
まだまだコンサルタント業を突き詰めたい人には
振り返りの意味を込めて
面白く読めながら、勉強にもなると思います。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。
コンサルタントはそれぞれ強みとなる専門性を持ち、
クライアントに価値提供を行っているが、
多くの場合、クライアントが期待していることは
専門的知識や提案だけではない。
プロジェクトという単位に切り出された
特定の検討テーマについて、
圧倒的なスピードで議論をリードしてくれることが
期待値に含まれているのだ。
(中略)
仕事の速度の本質は、
物理的な作業スピードもさることながら、
次に何が起こるのかを予測して
仕事を行う”先読み”にこそあるといえる。
(P.31、34)
これは完全に同意します。
即答、即レスできないコンサルタントは
2流、3流だと思いますし、
予測、先読みもスピードに含まれます。
もう1度、自分の頭に叩き込みます。
議事録が書けるということは
議論されている内容を理解して、
次に何をしようとしているのかがわかっている、
ということになる。
(中略)
私はかつて上司から
「会議前に議事録は書き終えておけ」と
怒られたことがある。
(P.43)
わかる。
そういうもんだと思う。
昨今は、あれもこれも嫌でいいみたいな
おかしな風潮が強まるばかりですが、
10年後を想像して欲しいです。
やらないということは非常に恐ろしいことで
未来の自分が責任を負うことになります。
議事録作成なんて
ある意味では誰でもできる仕事ですけど
そういう仕事をきちんとこなしてきた人と
そうでない人では雲泥の差が出るものです。
コンサルタントとして
絶えず意識しておきたいことは、
”常に少しだけ期待値を上回る”ということだ。
(P.59)
うん、これもわかる。
期待通りではなく、期待以上ですね。
私も若い頃に散々言われてきました。
期待以上を目指すのがスタンダードになると
仕事の質は飛躍的に向上します。
彼の口癖は「論点はなんなんだ?」
「仮説はあるのか?」だった。
(中略)
この時期に学んだ「論点思考」と
「仮説思考」という2つの考え方は、
自分のその後の仕事の進め方の基礎になっていった。
(P.102~103)
これはコンサルタントに限らず
仕事を進める考え方として
とても重要であると思います。
コンサルタントは問題解決がミッションですから
まず問題を正確に把握すること、
そして適切な解決手段を導き出さねばなりません。
その際には「論点」と「仮説」という観点から
思考を深めるプロセスは必須と言えそうです。
どんなに時間を使って徹夜で悩んだとしても、
質の良いアウトプットがなければ
コンサルタントの仕事は意味がない。
何も知らない経験の浅い社員が
徹夜で一所懸命に悩み抜いて出した答えよりも、
10年分の知識と経験のある社員が
1秒で出した答えの方が
圧倒的に価値を持ってしまうのが、
コンサルタント業の非常な部分だ。
答えを知らない人間が悩んでも無益だ。
コンサルタントであるならば、
悩むのではなく、考えなければいけない。
答えを知らないなら
知る人を探す、調べる、
そのようにしてインプットの量と質を上げる他ないのだ。
(P.135)
これには全面的に賛成です。
クライアントファーストを徹底すれば
自分のことなんかに構っていられません。
上司が…会社が…社会が…と
他責にする人はコンサルタントには不向きでしょう。
本章では、
ブルシット・ジョブに陥らないための
プロとしての心構えを扱ってきたが、
最も大切なことは、
仕事へのモチベーションを
自分自身で維持できることだ。
稀に「上司やクライアントからの
ポジティブなフィードバックや
慰め、労いの言葉がなく、
自分のしていることの価値がわからない。仕事が辛い」と
話す同僚がいる。
気持ちはわかるが、それではプロ失格だと考えている。
いちいち他人から褒められなければ
仕事のやる気が出せないのであれば、
プロを名乗る資格はない。
プロは自分で考え、
自分で行動するものだ。
(P.192)
これを読んで厳しいとか
昭和だとか、古いと感じる人は
プロとは言えないと思います。
別に誰もがプロになる必要はないし、
のんべんだらりと仕事をするのもいいでしょう。
でも当然プロと比較すれば
収入は低いでしょうし、
権限もやりがいも低いものになるのは
これはもう致し方ありません。
それが嫌ならプロになるしかないでしょう。
キャリアとはスキルと経験です。
プロジェクト全体への
目配りの欠如による進行の失敗、
チームマネジメントの未熟さの露呈等、
多くの挫折があった。
これらの失敗の根本には、
当時の私はまだまだ個人としての成長や
成果ばかりに意識をとられがちで、
主に「自分は何をなしたのか」
「自分はどう報告するのか」
「自分はどう成長できるか」を
考えていたことがあったように思う。
(中略)
チームが、プロジェクト全体が
適切に機能しているのか、
この仕事は本当にクライアントに対して
望ましい変化を起こすものか、
もっと言えば社会の中で
有益な意味を持つものになっているのか、
という大局的な視点を
つちかってゆく必要があるのである。
(P.236)
今の人たちのなかには
とにかく楽したいという人がいるようですが、
断言しますが、「間違い」です。
将来、とんでもなく苦労しますし、
その責任はすべて今の自分にあります。
いくら他責にしたところで
40歳をすぎて、50歳をすぎた
昔、楽ばかりした人の言うことなんか聞きません。
過去・現在・未来という時間軸を考えれば、
過去があるから今があり、
今が未来につながっていくのは当然です。
今だけ・カネだけ・自分だけ。
脱却しないと自分が大変な目に合いますよ。
スタッフのやりたいことが
必ずしもクライアントの
利益につながるわけではないからだ。
「上に立つ者は下の気持ちは汲んでも
顔色は窺ったらあかん」
(P.258)
マネジメントの極意と言えそうです。
私も同意いたします。
チームの目的は、
互いの欠点を補って勝つことだ。
(P.273)
ホント、これに尽きると思います。
だから、自分、自分って
自分のことばかり考えている人は
チームには向かないのですね。
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。
こういうコンサル本は
わりと外すことが多いのですが、
本書は私も勉強になりました。
そして若手のコンサルタントの方には
是非とも手に取って欲しいとも思いました。
若干、時代遅れのところはありますが、
そこは歴史として捉えればいいでしょう。
コンサルティングとは何か?
そこから振り返ることのできる
価値ある1冊です。
失敗事例が多いので
その点も素晴らしく思いました。
短所を克服し続ける情熱や
勉強を続ける姿勢には頭が下がりました。
本書はプロセスです。
これからもっと成長した人には
きっと参考になると思います。
それでは、また…。
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