ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60冊以上の本を通じて、人生や社会の構造を読み解いています。 読書感想にとどまらず、キャリアや人生に彩りを与える言葉を綴っています。読書好きな方と繫がりたい!

家康謀殺

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

何度となく書いていることですし、

その都度、私自身が自分の頭に叩き込んでいるのですが…。

 

賢者は歴史に学び、

愚者は自らの経験に学ぶ。

 

本当に自戒と自省のために

重要な言葉であると私は感じています。

 

現代社会にある多くの問題も

多少の形を変えて考えれば

だいたい歴史にヒントがあるように思います。

 

人生にしても、哲学にしても、

何百年前から人類は答えを探して問い続けています。

 

それを知らずに

ゼロから学ぶのはあまりにももったいないですね。

 

歴史が苦手という方も少なくありませんが、

それは学校教育の問題であって、

そこから離れた今、自分流に歴史を学んでみると

意外と面白かったりするかもしれません。

 

教科書を読むのではなく

歴史小説を読むというのも

その一環かもしれませんね。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 家康謀殺 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 家康謀殺 』

伊東 潤 角川文庫 を読みました。

 

伊東潤さんの著書は

少し前に下記を読みました。

 

ka162701.hatenablog.com

 

とても面白かったので

他の本も読んでみたくて、

楽天ブックスで検索をかけて

どれにしようかなと探していたときに、

「家康謀殺」というタイトルを見て

あ、これだと思い

3秒後にはポチッとしました。

 

伊東潤さんが書く「家康謀殺」。

 

これは面白くないわけがないと

勝手に解釈して購入し、

しばらく積ん読本棚で休憩してもらったあとに

満を持して読み始めた次第です。

 

目次

・雑説扱い難く候

・上意に候

・秀吉の刺客

・陥穽

・家康謀殺

・大忠の男

・特別収録 ルシファー・ストーン

 

感想

あ、短編小説なんだ…。

 

前回読んだ「国を蹴った男」も短編で

次は長編小説が読みたいと思っていたので

自分の確認不足にがっかりしながらも

読み始めると止まらなくなりました。

 

本作は、短編が7つ収録されており、

上記の目次を見れば

歴史好きならワクワクするかもしれません。

 

それぞれ7つの物語について

以下、私の感想を述べます。

 

【 雑説扱い難く候 】

舞台はおおむね戦国末期~江戸初期。

大名家や家臣団のあいだで流れる「うわさ」が、

家康の周辺にも影響を与える

時代の空気を切り取った話です。

 

うわさ話が人や組織を揺るがす怖さを描いています。

はっきりしない情報に人は流されがちです。

 

私たちは耳に心地よい言葉ほど信じてしまい、

早とちりが重なって手遅れになります。

詐欺に合うのもこのパターンでしょうか。

 

学ぶべきなのは「まず確かめる」ということ。

出どころ・証拠・反対意見をセットで見るだけで、

過ちはぐっと減りますね。

 

急がば回れ

一次情報を取りに行く習慣こそが、

我が身を守ることになりますね。

 

【 上意に候 】

戦国の実力主義から

江戸時代の秩序へ移る時期を描いています。

 

家中(いえなか)の上下関係が固まっていく中で、

家康の配下や各家の武士たちが

「上の命令」に翻弄されてしまう。


命令にに従うことが至上主義になり、

自分の頭で考えなくなる危うさの話です。

 

命令の背景をたずねず、形だけ守ると、

誰も責任を取らない空気が生まれます。

 

学びはシンプル。

「何のためか」を確認することと、

その理由を言語化すること。

 

指示を受ける側は目的を問い、

出す側は期待する成果をはっきり伝える。

この共有がないと組織はいつの間にか壊れます。

 

現代日本にも通じる

皮肉な物語と言えるでしょうか。

 

【 秀吉の刺客 】

豊臣政権が最盛から転機へ向かう局面。

秀吉と家康という二大権力の駆け引きが続く中、

影で動く者たちが歴史の隙間を狙います。


権力者の“横からの攻め”と、

慢心のスキを突かれる話です。


真正面だけ見ていると、

足元をすくわれます。

 

ここでの学びは二つ。

①敵の視点で自分の弱点を点検する、

②近い関係ほど定期的に見直す。

 

信頼は大事ですが、

依存に変わると危険です。

 

「読まれていない」という思い込みを捨て、

距離感を整えることが生き残りのコツですね。

 

我が国では昔から忍者という影の存在があり、

意外と現代社会でも人気があるのは、

実は生存戦略として

忍者の視点が必要だからなのかもしれません。

 

【 陥穽 】

戦と政(まつりごと)が交錯する不安定な時代。

家康の陣営でも、同盟・裏切り・駆け引きが続き、

人の心の隙を狙う罠が仕掛けられます。


罠は外よりも自分の心の中にある、という話です。

焦りや見栄、怒りが判断をせまくします。

 

相手の仕掛けより、

自分の思い込みが深い穴を掘るのです。

 

学びは「感情→行動」の間に

小さな停止線を引くこと。

冷静さと客観性を持ち続けること。

 

一晩置く、第三者に話す、数字で確かめる――

この“ひと呼吸”で踏み外しは減りますね。

 

罠の多くは自作と言えるかもしれません。

落ちるべくして落ちている?

 

【 家康謀殺 】

戦国の終盤、秩序が固まる前後。

徳川家康という“次の秩序の中心”をめぐり、

だれが得をするのかが複雑にからむ場面です。

 

家康暗殺をめぐる

「誰が得をするか」の力関係を読む話です。

 

陰謀は突然ではなく、

恨み・損得・恐れの積み重ねで形になります。

 

学べるのは、

表の言葉より「構造」を見る癖。

 

人や組織の動きを、

得と恐れで分けて考えると、

真意が見えてきます。

 

歴史の読み方だけでなく、

交渉やリスク管理にもそのまま使える視点です。

 

怪しい人ほど怪しくなく、

信頼している人ほど裏切られる。

 

それが絶対ではありませんが、

そういうこともあり得るという

真逆の視点を持っておくことも大事です。

 

【 大忠の男 】

主君への忠義が重んじられた時代。

家康の周辺や各家の逸話を通じ、

大義に生きる男」が何を選び、

何を捨てたのかを描きます。

 

大義のための忠義」と、

その影にある痛みとゆがみを描いた話です。

 

人に尽くすのは尊いけれど、

盲目になると周りを傷つけます。

 

学びは、忠義の矛先を「人」ではなく

「原則」に置くこと。

 

人は変わりますが、原則はぶれにくい。

 

先に守る基準を決め、

ずれたら戻す仕組みを作る。

 

熱い気持ちだけに頼らず、

ルールで支えると長続きします。

 

現代にも通じる組織を新陳代謝させて

健全な運営を続ける秘訣が学べるかもしれません。

 

【 特別収録 ルシファー・ストーン 】

史実の外縁を意識させる“番外編”。

 

時代や人物の見方を、あえて一段ずらし、

歴史そのものの受け止め方を問い直す構成です。

 

価値観が揺れる場面で、

ものの見方を一段広げる練習の話と言えるでしょうか。

 

新しい視点を得ると、

過去の意味づけまで変わります。

 

ここでの学びは、

時間を長く、地図を広く見ること。

 

善悪を急いで決めず、

可能性をいくつか持っておくと、

誤った確信から自分を守れます。

 

歴史小説を超えて、

「考え方そのもの」を鍛えてくれる一編でした。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

本書は、家康の名を軸にしつつも、

じつは「人が判断を誤る瞬間」と

「それを避ける知恵」を描いた

なかなか他にはない短編集だと感じました。

 

うわさに流される軽さ、

命令で思考停止する怖さ、

権力の近くで生まれる慢心、

自分の感情が掘る落とし穴、

利害が絡む構造、

そして大義と忠義のバランス――。

 

どれも現代の私たちにそのまま当てはまります。

むしろ現代人こそ学ぶべき

対象と言えるかもしれません。

 

歴史は遠い物語ではなく、

意思決定の“教科書”です。

最高で最強の”テキスト”とも言えそうです。

 

だからこそ、歴史小説を読む意味があります。

 

登場人物の成功と失敗を追体験すると、

自分の判断のクセに気づき、

次の一手を落ち着いて選べるようになります。

 

短編の良さは「学びの回転が速い」こと。

 

1話ごとにテーマがはっきりしており、

読後に仕事や人間関係へすぐ転用できます。

 

例えば、一次情報を取りに行く習慣、

命令の「何のため」を確認する癖、

近い関係ほど見直す勇気、

「感情→行動」の間のひと呼吸、

言葉ではなく構造を見る視点、

原則に忠を置く態度――

どれも今日から実践できそうです。

 

読書の価値は、世界を広げるだけでなく、

自分の思考を整え、行動を変える力をくれること。

 

ページを閉じた後に、

1つでも具体的な行動に落とせたら、

それはもう“投資として回収”できています。

 

歴史に学び、読書で整え、現場で試す。

シンプルですが、

いちばん確かな成長の道だとあらためて思いました。

 

あ、でも次の伊東潤さんの著書は

長編を読みたいと強く考えております。

忘れなければ…。

 

それでは、また…。

 

 

*ジーネットTV 毎週新着動画をアップしています!

医師キャリア相談

*ZOOMキャリア相談を無料で行っています。

 

ジーネットが発信する情報提供サイトはこちらです!>
ジーネット株式会社 公式ホームページ
医療ビジネス健全化協議会<IBIKEN>ドクター向け情報提供サイト
ジーネット株式会社 <社長のtwitter>
ジーネット株式会社 <社長のfacebookページ>

よろしければ下記もポチっとお願いします!
      にほんブログ村 転職キャリアブログへ