ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60冊以上の本を通じて、人生や社会の構造を読み解いています。 読書感想にとどまらず、キャリアや人生に彩りを与える言葉を綴っています。読書好きな方と繫がりたい!

日本の15大同族企業

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

良くも悪くもですが、

「会社」に勤めている方は多いと思います。

 

昭和初期くらいまでは

地方で農業を営む方も多かったようですけど、

戦後、高度経済成長が進むにつれて

地方から都心へ、

個人事業主からサラリーマンへという流れは

急速に進みました。

 

医師や弁護士のような

高い専門性を持った方を除けば、

多くの方は会社員です。

 

よく言われることですが、

日本社会の学校教育は

サラリーマンや公務員を養成するために

教育方針やカリキュラムが決まっています。

 

だいたい教育に経団連が口を挟むなんて

とてもおかしなことだと思いますし、

大企業の横暴は、企業献金につながり、

政・官・財の癒着の源です。

 

もちろん経済成長を実現するためには

欠くことのできない

大事な存在だったという側面はあります。

 

しかし、そんなのは創業者の志であって、

その後は、くだらないシェア争いに必死になり、

自社の生き残りしか考えていません。

 

内部では熾烈な出世争いと足の引っ張り合い、

ストレス社会の要因でもあります。

 

もちろんすべてが害悪だとは思いませんけど、

必要悪とか、社会悪と

言わざるを得ない部分があるのは間違いなく、

そこまでやっても失われた30年が止まらず、

40年、50年と続く可能性もあるくらいです。

 

「会社」はこのままでいいのでしょうか?

大企業は存在すべきなのか、否か。

 

答えがあるとも思えませんし、

無理に決めつけてしまうのも

道を誤るのだろうなとも思います。

 

しかし問い続けて

小さな改善を繰り返さないと

この国は先進国からすべり落ちるかもしれないと

かなり不安があります。

 

今回ご紹介する書籍は、

日本の15大同族企業 です。

 

 

本書をピックアップした理由

日本の15大同族企業

菊地浩之 平凡社 を読みました。

 

私自身も社会人になりたてのときは、

それなりの大きな企業に入社して

毎日、忙しく働いていました。

 

今、思えば、その頃の仕事なんて

何もやってないのと大して変わらずに

きっと先輩社員たちのお荷物だったのだろうなと

つくづく思います。

 

しかし、あのときは自分なりに必死だった。

 

若さゆえの上昇志向も持っていたし、

わからないことに挑戦する意欲も高く、

早く一人前になりたかったのかもしれません。

 

あれから30年がすぎて…

いやはや恐ろしいものですね。

 

その会社以外は

中堅、中小企業を渡り歩いてきた私は

大企業があまり好きになれません。

 

実際に今でも付き合わざるをえない

大企業の人たちを見ていると、

横柄で、仕事は遅く、質も低く、価格は高く、

オレ様化したモンスターが多いように思います。

 

ま、愚痴です(笑)。

そんな人ばかりだとは思いませんが、

寄らば大樹でしがみついている人も少なくありません。

 

そんな大企業嫌いの私ですが、

歴史や実績には素直に敬意を評します。

 

本書を選んだのは

ポジティブな意味での学びです。

 

下記の目次にも書きましたが、

わりと詳しい企業もあれば

ほとんど知らない企業もあります。

 

社会的にもさまざまな影響を与えたでしょうし、

今にもつながる取り組みも多いことでしょう。

 

随分前に購入して、

だいぶ長い期間、積ん読本棚で眠っていたのですが、

たまには企業について勉強するか~と

これから就職活動をする学生のような気分で

楽しみにしながら読み始めたのでした。

 

目次

・同族企業とは何か

トヨタ自動車 豊田家

パナソニック(旧松下電器産業) 松下家

三洋電機 井植家

阪急電鉄阪急阪神ホールディングス) 小林家

東京急行電鉄 五島家

西武鉄道セゾングループ 堤家

大正製薬 上原家

鹿島建設 鹿島家

ブリヂストン 石橋家

・味の素 鈴木家

・出光興産 出光家

日本生命保険 弘世家

武田薬品工業 武田家

松坂屋 伊藤次郎左衛門家

マツダ(旧東洋工業)/松田家

 

感想

とても面白かった部分と、

吐き気がするほど嫌だった部分の

両方が混在する内容でした。

 

率直に申し上げると

会社の発足や成長過程は

とても関心を持ちました。

 

しかし、いわゆる同族経営の部分については

まったくどいつもこいつも…と思いましたし、

江戸時代と変わらないじゃないかとがっかりしました。

 

残念ながら現在でも続いていますし、

別に優秀で実績を出した人ならいいですが、

無能で最初から社長になることが決まっている人なら

もう勘弁してくれと思っちゃいますね。

 

本書に取り上げられている企業のなかでは

完全に同族経営から脱した会社もありますし、

中小企業のほうが同族経営は多いでしょうから

大企業だけの責任ではありませんが、

何だか残念に思いました。

 

徳川15代将軍だって、

初代家康、3代家光、5代綱吉、

8代吉宗、15代慶喜以外の将軍は

そんなに有能だったとは思えません。

 

世襲をどう受け止めるべきか?

 

これは長年続く人類の課題ですが、

自分の子供に苦労させたくない気持ちはわかりますけど、

二世、三世の政治家を見ていると

社会的な責任を持つ立場を世襲するのには

ストッパーを掛けねばならないでしょうか。

 

無能な二代目が組織を潰すことは多いですし、

でも、その一方で中興の祖と言われるような

有能な人が出てくることもありますので、

すべてを否定はしませんが

でも中興の祖は実力があってこそですから

やはり実力本位で決めねばならないと思います。

 

本書から一番感じたのは、

「同族だからダメ」でも

「プロ経営だから正義」でもなく、

時間軸の置き方と

ガバナンスの設計次第で

企業の寿命は大きく変わるという

当たり前で強い事実でした。

 

創業家が掲げた志や顧客への執念は、

短期の損得勘定に流されにくい

「重し」として機能します。

 

一方で、その「重し」が硬直化すると、

市場の変化に舵を切れず、失速してしまう。

 

成功と失敗の分かれ目は、

血縁そのものよりも、

「志を抽象化して、言語化し、

 誰が継いでも運用できる仕組みに

 落とし込めたか」にある——

ここが本書の最大の示唆だと感じました。

 

同族企業の強みは、

長期視点・意思決定の速さ・責任の所在の明確さ。

 

弱みは、身内論理・権限集中、

そして外からの批判が届きにくいこと。

 

うまくいっている会社は、

強みを残したまま弱点を補正する

「二段構え」を持っています。

 

例えば、創業家が「最終責任」を引き受けつつも、

投資判断や人事はその道のプロの意見を開く。

 

外部取締役や番頭役を本気で機能させる。

 

家訓や理念は「額縁」で終わらせず、

資本配分・撤退基準・後継計画まで

具体的なルールに落とし込む。

 

これを「志の制度化」と言えるでしょうか。

 

この視点は

私たち個人にもそのまま応用できます。

 

家業がなくても、

自分のキャリアは「自分株式会社」の経営です。

 

創業者=自分の志は何か

(誰のどんな課題を解くのか)。

 

強み・弱みは何か。

どこに時間と資源(学び・人脈・お金)を配分するか。

撤退基準はどこか。

 

短期の年収だけでなく、

5年後・10年後の「事業価値」

(市場での希少性と信用)を上げられているか。

 

これらを明文化しておくと、

転職や独立の意思決定がぶれにくくなります。

 

もう一つの学びは、

「継承」はコピーではなく編集だということ。

 

同族企業の成長局面では、

次の担い手が過去の成功式をそのまま踏襲せず、

時代に合わせて定義を更新しています。

 

個人も同じで、

若い頃の得意技を永遠に使い続けるのではなく、

環境と年齢に合わせて微調整する必要がある。

 

スキルの棚卸し→伸ばす核の選定

→捨てる決断→補完スキルの獲得、

という更新サイクルを回せる人が、

長いキャリアで勝ち残るのだと強く思いました。

 

さらに、地の利と

関係資本の重要性も浮き彫りです。

 

地域に根ざす同族企業は、

サプライヤー・金融機関・行政・顧客との関係を

丁寧に積み上げてきた。

 

個人に置き換えれば、

専門領域とコミュニティを深く・長く作り上げてきた。

 

SNSの一発バズより、

紹介が生まれる関係の方が

堅い収益基盤になります。

 

信用は積立式でしか増えない、

という当たり前を思い出します。

 

そして、本書は「人を選ぶ力」の大切さも教えます。

名門でも、人事が甘いと崩れる。

 

逆に、有能な外部人材や

番頭を登用できた同族企業は跳ねる。

 

個人でも同じで、

メンター・同僚・取引先の選択が

成果の大半を決める。

 

肩書きや話術ではなく、

実績と再現性で見る、という

基準を持ちたいところです。

 

最後に、長期と短期の二刀流。

 

同族企業が長く生き残るとき、

遠くを見る目(理念・方向性)と

近くを見る手(キャッシュフロー・現場改善)が

同居しています。

 

私たちも、5年スパンの中長期プランと、

日次・週次の短期プランをを同時に実行する。

 

理念だけでもダメ、目先だけでもダメ。

両方をつなぐ運用が肝だと腑に落ちました。

 

まとめると、

本書は「家の物語」ではなく、

長く強い組織の作り方という

実務書として読むことができます。

 

志を制度化し、継承を編集と捉え、

関係資本を耕し、人を選び、二刀流で運用する。

 

企業も個人も同じルールで動いている。

そう確信させてくれる一冊でした。

 

明日からできることは、

小さくても

「志の言語化

「資本配分の見直し」

「関係づくりの一歩」かな。

 

積み重ねれば、

私たちのキャリアも百年企業のように

しぶとく、しなやかになっていくはずです。

 

評価

おススメ度は ★★★☆☆ といたします。

 

企業のことを学ぶなら

城山三郎さんの小説のほうがいいなと

率直に思ってしまいました。

 

たぶん、企業研究の基礎知識としては

必要不可欠な背景や歴史が書かれていますが、

さすがに今の私にそれは必要ありませんので。

 

知っていることも多かったですし、

振り返りのような位置づけでした。

 

もちろんこれはこれでいいのですし、

阪急、東急、西武については

とても興味深く読みました。

 

まだ社会人経験が浅い方は

本書を読んで大企業について学ぶのもいいでしょう。

 

それでは、また…。

 

 

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