おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
私はキャリアの専門家として
常に5年先、10年先を見通すべく
思考し、行動することをおすすめしています。
できるのであれば
20年先、30年先についても
仮に具体性はなくとも
方向性としては持っておけるといいですね。
しかし個人ベースでは
100年先、200年先というのは
これはもう現実的ではありませんし、
想像することも難しいです。
1925年当時の世界と
2025年の今では全然違いますからね。
ただ、そうは言っても
100年後に心を寄せるのは悪くありませんし、
できれば政治家や官僚の皆さんには
そんな長期的ビジョンを持っていただきたいです。
難しいのは百も承知ですけど、
こんな社会をつくりたいという願望は
誰もが夢物語だとしても
絶対に持っておいたほうがいいと思うんですよね。
今回ご紹介する書籍は、
【 21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考 】 です。

本書をピックアップした理由
『 21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考 』
ユヴェル・ノア・ハラリ 訳:柴田 裕之
河出書房新社 を読みました。
これも確か最近の私の情報源となっている
スレッズでどなたかがお勧めしていたと記憶しています。
ユヴェル・ノア・ハラリ。
ん、知っているようで知らない。
おそらく読んでいない。
すぐさま検索をかけてみましたら
世界が注目する論客のようではないですか。
過去に出版した
「サピエンス全史」と「ホモ・デウス」は
全世界で4500万部も売れているらしい。
ん~、読まねば…と使命感が湧いてきて
思わずポチっとしたのが本書です。
なかなかのボリューム感があり、
読めるかな?と若干の不安がありましたが、
それよりも興味のほうが勝り、
学ぶ気が満々で手に取った次第です。
目次
はじめに
1 幻滅ーー先送りにされた「歴史の終わり」
2 雇用ーーあなたが大人になったときには、仕事がないかもしれない
3 自由ーービッグデータがあなたを見守っている
4 平等ーーデータを制する者が未来を制する
Ⅱ 政治面の難題
5 コミュニティーー人間には身体がある
6 文明ーー世界にはたった一つの文明しかない
7 ナショナリズムーーグローバルな問題はグローバルな答
を必要とする
8 宗教ーー今や神は国家に仕える
9 移民ーー文化にも良し悪しがあるかもしれない
Ⅲ 絶望と希望
10 テローーパニックを起こすな
11 戦争ーー人間の愚かさをけっして過小評価してはならない
12 謙虚さーーあなたは世界の中心ではない
13 神ーー神の名をみだりに唱えてはならない
14 世俗主義ーー自らの陰の面を認めよ
Ⅳ 真実
15 無知ーーあなたは自分で思っているほど多くを知らない
16 正義ーー私たちの正義感は時代後れかもしれない
17 ポスト・トゥルースーーいつまでも消えないフェイクニュースもある
18 SF--未来は映画で目にするものとは違う
Ⅴ レジリエンス
19 教育ーー変化だけが唯一不変
20 意味ーー人生は物語ではない
21 瞑想ーーひたすら観察せよ
感想
世の中の出来事を
いかに「解釈」するか?
そのコツが手に入る一冊です。
昨今では、
自分の考えに合うものだけを取り入れて、
それ以外は排除する傾向が強くなってきています。
これでは偏向的と言わざるを得ませんし、
本人のためにもなりません。
本書を読んで
人は放っておくと
どうしても意固地になりがちだなと…
自分の考えに凝り固まりますね。
私自身も猛省するところがありましたし、
上記の目次を見ればわかる通り、
本書では実に幅広い分野を取り上げていますので、
ああ、こう考えればいいんだなとか
そういう見方もあるんだなと
幅広い視点が手に入ることで
視野がグッと広がり
視座が高くなった気がしました。
自分の考えよりも
優れた考えは必ずある。
そう自分を戒めておかないと
なぜか自分は馬鹿になりがちです。
自省と自制ですな…。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。
だが自由主義は、
私たちが直面する最大の問題である
生態系の崩壊と技術的破壊に対して、
何ら明確な答えを持っていない。
自由主義は伝統的に経済成長に頼ることで、
難しい社会的争いや政治的争いを
魔法のように解決してきた。
(P.35~36)
これからの未来がどうなるか?
私たち人類の本性が問われているのかもしれません。
どうしたいのか?が見えずに
経済に意識が向きすぎると
カネの亡者になりかねませんし、
自由主義が後退してしまったら
世界中で争いが頻発してしまいそうです。
自動化が大量失業をもたらすという恐れは
十九世紀にさかのぼるが、
これまでのところ、現実になってはいない。
産業革命が始まって以来、
機械にひとつ仕事が奪われるたびに、
新しい仕事が少なくとも一つは誕生し、
平均的な生活水準は劇的に上昇してきた。
それにもかかわらず、今回は違い、
機械学習が本当に現状を根本から覆すだろうと考える、
もっともな理由がある。
人間には二種類の能力がある。
身体的な能力と認知的な能力だ。
過去には機械は
主にあくまで身体的な能力の面で人間と競い合い、
人間は認知的な能力の面では
圧倒的な優位を維持していた。
だから、農業と工業で肉体労働が自動化されるなかで、
人間だけが持っている種類の認知的技能、
すなわち学習や分析、意思の疎通、
そして何より人間の情動の理解を必要とする
新しいサービス業の仕事が出現した。
ところが今や人口知能(AI)が、
人間の情動の理解を含め、
こうした技能のしだいに多くで
人間を凌ぎ始めている。
人間がいつまでもしっかりと優位を保ち続けられるような、
(身体的な分野と認知的な分野以外の)
第三の分野を、私たちは知らない。
(P.40)
少し長いですが、
これは未来予測という観点からも
非常に重要と思い、できるだけ長く引用しました。
私たちの生活はどうなってしまうのか。
人間が人間であり続けるために
私たちは何を考え、どう行動するべきか。
非常に悩ましい問題ですね。
それと関連した考え方に、
「仕事」と見なされる
人間の活動の幅を拡げるというものがある。
現在、何十億もの親が子供を養育し、
近所の人々が世話をし合い、
市民がコミュニティを組織しているが、
こうした有益な活動のどれ一つとして
仕事とは認識されていない。
私たちは発想を変え、
子供の養育はこの世でおそらく最も重要で
大変な仕事であることに気づく必要があるのかもしれない。
(P.61)
これは大賛成です。
会社だけが仕事じゃないし、
資本主義には限界があるのだから
私たちは仕事の原点に立ち戻って、
「事に仕える」ことを考えるべきと思います。
ロボットにまつわる本当の問題は、
彼らのAIではなく、
人間の主人たちが生まれながらにして持っている
愚かさと残酷さなのだ。
(P.92)
これは末恐ろしいですね。
でも、ここを見間違えてはいけません。
まさに人間の本性が問われます。
AIの改良に投入するのと同じだけの資金と時間を、
人間の意識の向上に注ぎ込むのが賢明だろう。
あいにく私たちは、
現時点では人間の意識の研究開発は、
ほとんど行っていない。
(P.102)
これだけ人間同士が争い、殺し合い、
不幸を生み出しているのに
その要因には踏み込まない。
確かにそれでは人間の成長とはなりませんし、
金儲けが上手い人を生み出すとか、
知識を身につける人を生み出すだけではなく、
全体を今より少し良くするという人間の意識向上は
今後の大きな課題と言えそうです。
それでも、古代の狩猟採集民の生活集団は、
その後の人間社会のどれよりも、
依然として平等主義的だった。
なぜなら、彼らには、ほとんど財産がなかったからだ。
財産こそが、長期的な不平等の前提条件なのだ。
(P.105)
なるほど…と膝を打ちました。
ということは…
相続税をとんでもなく高くして
相続が不利になるような設計をすれば、
平等は進むのだろうか?
財産はパブリックなものとして
全体で使えばいい。
陳腐なことしか言えませんが、
思考のきっかけとして
非常に重大な観点をいただきました。
世界を席巻しているナショナリズムの波は、
時計を1939年や1914年に巻き戻すことはできない。
どの国も独力では解決できない
一連のグローバルな実存的脅威を生み出すことによって、
共通の敵は、
共通のアイデンティティを作りあげるための
最善の触媒であり、
人類には今、そのような敵が少なくとも三つある。
核戦争と気候変動と技術的破壊だ。
(P.168)
何とかファーストとか言ってる場合じゃない。
私たちの住む地球が崩壊するかもしれない。
それが知性というものですね。
私たちは新しいグローバルな
アイデンティティを必要としている。
なぜなら国の機関は、
前例のない一連のグローバルな苦境に
対応することができないからだ。
(中略)
唯一の現実的な解決策は、
政治をグローバル化することだ。
何の矛盾もない。
なぜなら愛国心とは、
外国人を憎むことではないからだ。
(P.170)
世界中が一致団結して
立ち向かわねばならない問題に対して、
自国ファーストの国が増えれば
人類は滅亡してしまうかもしれません。
国連が機能すれば何かが変わるか?
上位の成員は自分より弱い成員の財産権を
尊重するのが当然と思われている。
もし地位の低いメスがバナナを見つけたら、
最上位のオスでさえ、
たいていそれを横取りすることは控える。
もしこの規則を破れば、
おそらくボスの地位を追われる。
類人猿は集団内の弱者を
いいようにあしらうことを避けるだけでなく、
積極的に弱者を助けることさえある。
(P.246)
人類はどうか?
何だか情けなくなりますね。
資本主義の問題なのか?
貨幣がよくないのか?
政治か?統治か?
いろいろ考えさせられます。
沈黙は中立ではなく、
現状の支持を意味する。
(P.316)
そりゃそうだと思います。
しかし、あくまでも自分の専門分野に関してであり、
わからないことは黙っておいたほうがいいでしょう。
誰もが口を出していいのは
政治だけかと思いますが、
それも虚偽情報が元になってはいけませんよね。
人々が必要としているのは、
情報ではなく、
情報の意味を理解したり、
重要なものと
そうでないものを見分けたりする能力、
そして何より、
大量の情報の断片を結びつけて、
世の中の状況を幅広く捉える能力だ。
(P.338)
日本の教育が徹底的にダメなのは
ここではないでしょうか?
知識を教えて、自分で考えろ、ではなく、
知性や知恵を授けるべきだと思います。
本物のリテラシーとは何か?
深く問わねばなりませんね。
私は何者か?
人生で何をするべきか?
人生の意味とは何か?
人間は太古からこうした問いを投げかけ続けてきた。
どの世代も新しい答えを必要とする。
なぜなら、何を知っていて何を知らないかは、
変わり続けるからだ。
(中略)
今日、私たちが出すことのできる
最善の答えは何か?
人々はどんな種類の答えを期待しているのだろう?
人生の意味について問うときはほぼ例外なく、
人は物語を語ってもらうことを期待している。
(P.348)
私たちは子どもの頃から
常に答えのある問いを教わってきました。
しかしキャリアや人生という領域では
答えがないこともありますし、
いくつも答えがあることも多いですよね。
安易な答えにすがるのではなく、
ずっと問い続けるという姿勢こそが
我々に求められているように思いました。
人間の力は集団の協力を拠り所としており、
集団の協力は集団のアイデンティティを
作り出すことに依存しており、
どんな集団のアイデンティティの基盤も
虚構の物語であって、
科学的事実ではなく、
経済的な必要性でさえない。
(P.416)
私たちはどう生きればいいのか?
答えなんてないけれど
この問いに対して
さらに深く問い続けていかないと
近未来は生きにくいものになりかねません。
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。
多少、難解なところはありましたが、
何とか読破することができました。
難しいけれども、
知りたい、学びたいという思いが勝ったので
頑張って読もうと思えたのです。
目の前に現れた事象に対して
自分はどう「解釈」するのか?
それによって人生は大きく変わります。
視野が狭いと間違った方向に進みがちです。
その意味では、本書は我が身を振り返るためにも
必要不可欠な内容だなと感じました。
それでは、また…。
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