ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60冊以上の本を通じて、人生や社会の構造を読み解いています。 読書感想にとどまらず、キャリアや人生に彩りを与える言葉を綴っています。読書好きな方と繫がりたい!

天智伝

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

いつの間にか

私も56歳になり、

ひと昔前だったら

定年を迎えていたんだなと思うと

何だか切なくなります(笑)。

 

おかげさまで体力、精神力ともに充実しており、

ハードワークもできますし、

学ぶ意欲も少しも落ちていません。

 

将来は晴耕雨読の日々を過ごすことが

私の夢であり、目標ですから、

仮に歩みは遅くとも

地道に学び続けていきたいとは思ってます。

 

とは言いつつも、

確実に初老の範囲に入ってきていますし、

いつまで精力的に学び続けることができるのか、

それこそ読書だって

段々とつらくなるのかもしれないなと

若干の恐れもあります。

 

こうなると

まだ元気な今のうちに

できるだけ多くのことを学んでおきたい。

 

知らないことを

できるだけ知っておきたい。

 

どうせ人間1人の知識なんて

とてもちっぽけなものだし、

そのなかでも私の知識なんて

欠片のようなレベルで終わるのは

重々承知の上ではありますが、

それでも学びたいという思いは

なぜか強いのが自分でも不思議です。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 天智伝 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 天智伝 』

中西 進 中公文庫 を読みました。

 

天智伝、つまり天智天皇ですね。

 

中大兄皇子の頃からの天智天皇の時代を

かなり綿密に辿ってくれています。

 

正確な史実というよりは

ロマンも含めた歴史小説という位置づけのようですが、

とにかくこの時代には苦手意識があります。

 

一応、歴史好きを広言している私ですが、

歴史に詳しいとか、専門は歴史だということは

少しも述べたことがありません。

 

好きこそものの上手なれとは言われますが、

私の場合は知識に偏りがあると自覚しているのです。

 

日本史はまだそれなりですが、

世界史はほんの一部しかわかってない。

 

そうは言っても日本史だって

鎌倉、室町、戦国、江戸、明治、大正、昭和あたりは

まあそれなりですけど、

古代にはあまり興味が持てないし、

飛鳥、奈良、平安あたりは

断片的にしか知りません。

 

せめてもう少し知識をつけておきたいなと

漠然と考えていた時に出会ったのが本書です。

 

読めるのかどうか多少不安はありましたけど、

何とかなるだろう、いや何とかしようと思いまして、

飛鳥時代の知識をつけようと強い思いを持って

読み始めたのでした。

 

目次

・世間虚仮(せけんこけ)

・潦水溢庭(りょうすいいってい)

・狂心之渠(きょうしんしきょ)

・海水皆赤(かいすいかいせき)

・巨川未済(きょせんみさい)

・悉従わい燼(しつじゅうわいじん)

 

感想

う~ん、時間がかかった。

なかなか読み進めることができなかった。

 

読めない漢字も多かったし、

特に人名などはメジャーどころしかわからない。

 

難解な用語も多かったですし、

何とかかんとか読み終えましたという感じです。

 

まずは聖徳太子の時代からはじまり、

中大兄皇子としての人生、

その後に天智天皇として歴史の表舞台を

ずっと歩んでこられたわけですけど、

そのなかには「大化の改新」という政変があり、

「白村江の戦」という大敗戦もありました。

 

時は藤原氏が全盛のころでもあり、

なかなか天智天皇という方は

波乱万丈の時代を生き抜いたのですね。

 

崩御に至るまでの人物史としては

大変に興味深いものでしたけど、

なにせ難しくて、理解度は決して高くありません。

 

私の限界を感じました(笑)。

 

ここでは本書を通じて私が学んだことを

6つのポイントに絞って表現してみます。

 

飛鳥時代

 

律令国家へ向かう助走期としての飛鳥を

「点」ではなく「流れ」で捉え直しました。

 

豪族連合の均衡が揺らぎ、

外圧(唐・新羅)と内政改革の相互作用で

権力が集約化していく過程。

 

寺院や冠位・年号の導入は

象徴ではなく制度化のはじまりと言えそうです。

 

出来事の暗記ではなく、

制度が生まれる「必然性」を学びました。

 

聖徳太子

 

超人伝説から距離を取り、

外交・仏教・官僚制を結ぶハブとして

再理解しました。

 

十七条憲法は道徳訓ではなく、

合議と秩序を保つ運用ルール。

 

冠位十二階は人に紐づく評価制度。

 

理想像に寄りかからず、

制度の目的と運用のリアルを

同時に読む重要性を学びました。

 

やはり聖徳太子は天才と言えそうです。

 

大化の改新

 

一発の革命ではなく、

政変→合法化→行政再編のプロセスだと

腑に落ちました。

 

クーデターは

「正統性」の物語づくりがなければ

長続きしない。

 

詔や評制は物語を制度にする作業です。

 

仕事でも、意思決定をイベントで終わらせず、

正統化・実装・維持の三段で考える教訓を得ました。

 

④白村江の戦

 

軍事的敗北=外交戦略の転換点でした。

 

敗けたからこそ、

唐との直接対峙を避け、

内政整備と防衛線(水城・戸籍)に

舵を切ったのですね。

 

敗北を糧にできたのがひと筋の光明か。

我が国は敗北の後が強いけれど、

そもそも負ける戦いはするなということか。

 

失敗を撤退と再配置のシグナルと捉えれば

先人たちの選択は賢明だったと言えそうです。

 

現場でも、損切りやフォーメーション再編、

守るべき資産の選別を

素早くやる胆力の大切さを学びました。

 

医療においての

トリアージなども近い意味でしょうか。

 

中臣鎌足

中臣鎌足については、

藤原氏の祖」「大化の改新の黒幕」といった

教科書的なイメージしか持っていなかったのですが、

本書ではかなり立体的に描かれていたように思います。

 

中大兄皇子の「盟友」でありながら、

あくまで一歩引いた位置から

権力の構図を読み、

タイミングを見極め、

必要な時にだけ一気に動く。

 

トップではなく、

トップのすぐそばで

「場」を設計し続けた人物として

浮かび上がってきました。

 

表向きは、

蘇我氏打倒という「大義」の実行役。

 

しかしその裏では、

自らの一族が生き残り、

のちに藤原氏として台頭していく

長期戦略も同時に進めていたようです。

 

公(おおやけ)と私(わたくし)、

大義と打算、理想と現実。

 

この両方を最後まで手放さなかったことが、

後世の私たちから見れば

「したたかさ」であり、

同時に「怖さ」でもあるのだと感じました。

 

現代風に言うなら、

中臣鎌足
「改革プロジェクトの仕掛け人」であり、

長期戦略を担う

チーフストラテジストのような存在でしょうか。

 

トップに立たないからこそ、

冷静に力学を見極め、

誰を動かし、

どこを切り捨て、

どこに新しい利害の軸を作るのか。

 

その役割は、

今の経営現場で言えば

参謀役、COO、あるいは

「空気を読んで実務を回す人」の

極限の姿にも見えました。

 

一方で、

こうした「参謀タイプ」の仕事には

常に二面性があります。

 

国家(組織)全体の安定のためなのか、

自らの一族の繁栄のためなのか。

 

両方が絡み合うからこそ、

後世からは「功罪」が問われます。

 

私たちの日常でも、

会社や組織のためと言いながら、

実は自分や自社の立場を

守ろうとしている場面は少なくありません。

 

中臣鎌足を通して、

大義名分」という言葉の重さと、

そこに自分の打算を

どこまで混ぜてよいのか、

あらためて考えさせられました。

 

リーダーのそばに立つ人間ほど、

自分の内側を厳しく見つめる必要がある。

 

歴史上の人物でありながら、

コンサルタントという仕事をしている私には、

どこか他人事とは思えない

怖さと学びが同居した人物像でした。

 

天智天皇の人生


中大兄皇子期の急進と、

即位後の制度・人事・防衛の現実主義への転身。

 

スピードと持続可能性の両立は、

同じ人の中でもフェーズで変わると実感しました。

 

そうならざるを得なかったという点も

多分にしてあるとは思いますけど、

なれない人も少なくないだけに

よく自己改革ができたものだと感嘆です。

 

リーダーは

「変革者」と「運用者」を行き来します。

 

私自身も、攻めの局面と

整える局面を意識的に切り替えることを学びました。

 

飛鳥の動きは、

たった一人の英雄譚ではなくて、

外圧と内政、理念と制度がぶつかり合いながら

徐々に形になっていく「流れ」でした。

 

太子が示したのは理想ではなく運用ルール、

大化は事件ではなく制度化のプロセス、

白村江は敗北ではなく再配置の合図、

そして天智は変革者から運用者への切り替え。

 

どれも「正しさ」よりも

「続けられる形」を優先しているでしょうか。

 

仕事や経営、キャリアも同じですね。

 

決断→正統化→実装→維持という四拍子で回し、

うまくいかなければ素早く損切りして再配置する。

 

肩書より役割、勝敗より学習、威勢より準備。

 

歴史は遠い話ではなく、

今日の一手をどう選ぶかの教科書です。

 

まずは自分の現場で、

攻めと整えの切り替えを意識して、

小さく始めて続けてみる。

 

そうありたいなと

私は読後に強く思いました。

 

評価

おススメ度は ★★★☆☆ といたします。

 

少し厳しめの評価ですが、

これは私の個人的な問題ですので

きっとこの時代の知識を持つ方であれば

もっと高評価を出すのではないかと思います。

 

この時代を書いた書籍を

数多く読んでいた方なら、

私以上に面白く読めたのでしょう。

 

しかし、私の知識不足であり、

とにかく歴史の背景がわかっていないので

理解しづらいところが少なくありませんでした。

 

そして、漢字が難しい。

正直申し上げれば読めない漢字も多く、

意味がわからないものもありました。

 

恥ずかしく思うとともに、

それでもしっかり読み終えた

自分を褒めてあげたいです(笑)。

 

だって本当に難しかったんですよ。

絶対もっと簡単にすることはできます。

 

ただ、昨今の時代の風潮として

何でもわかりやすく、

簡単にするというのがありますが、

私はこれには疑問があります。

 

マンガにするとか、

1時間で読めるとか、

それってどうなの?と思うのです。

 

難しいものは難しいまま保留する。

いつか理解できる人がくるまで

そっと心の片隅に置いておく。

 

こういう姿勢こそが大人には必要であり、

成熟や成長のプロセスと言えないでしょうか。

 

それでは、また…。

 

 

*ジーネットTV 毎週新着動画をアップしています!

医師キャリア相談

*ZOOMキャリア相談を無料で行っています。

 

ジーネットが発信する情報提供サイトはこちらです!>
ジーネット株式会社 公式ホームページ
医療ビジネス健全化協議会<IBIKEN>ドクター向け情報提供サイト
ジーネット株式会社 <社長のtwitter>
ジーネット株式会社 <社長のfacebookページ>

よろしければ下記もポチっとお願いします!
      にほんブログ村 転職キャリアブログへ