おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
アニメやゲームが
日本の強みであると言われます。
私にとってのアニメは
アニメについて語るなんて不可能です。
ゲームも初期のドラクエやファイナルファンタジー、
あとは野球やサッカーのゲームしかしておらず、
ここ数年はほとんどしていませんので、
こちらも語る資格はありません。
私の妻や娘はかなりのアニメ好きなので、
私の知らない世界を知っています。
ゲームはあまりしませんけど、
私よりはしているみたい。
よく「ハマる」という言い方をしますけど、
残念ながら私はアニメやゲームには
あんまり関心が持てなかったのです。
でも、そのぶん「本」は読みます。
読書は本当に大好きです。
何でもかんでもはできませんから、
人は自分の好きなものに
適度に「ハマる」のがいいように思います。
今回ご紹介する書籍は、
【 メスを置け、外科医 泣くな研修医8 】 です。

本書をピックアップした理由
『 メスを置け、外科医 泣くな研修医8 』
中山 祐次郎 幻冬舎文庫 を読みました。
中山先生の「研修医シリーズ」は
とても好きで全巻読んでおります。
研修医以外の著書も
できるだけ読むようにはしていますが、
とにかくこの研修医シリーズは
愛と優しさに包まれていて、
医療の「本質」が見え隠れしていて、
でもその一方で人の生死に関わることで
リアルな厳しさにも直面する。
ああ、医療って、
まさに人間模様の最前線なんだなと
しみじみと感じさせてくれるのが
この研修医シリーズです。
今までも大絶賛付きで、
このシリーズをおすすめしてきましたけど、
さて、本作品はどうでしょうか?
大変に楽しみにしながら
読み始めた次第です。
目次
Part 1 訃報
Part 2 北へ
Part 3 格闘
Part 4 祈り
Part 5 決心
エピローグ
感想
ふむ、さすがのストーリーテラーぶりです。
そして本作品は
著者である中山先生の実体験も
それなりに含まれていることと思います。
本書の舞台となっている「渡辺病院」は
中山先生自身が震災後に臨時の院長として赴任した
「高野病院」を思い浮かばせます。
もちろん、あくまでも題材として取り上げただけで、
そこからは中山先生の作家としての腕の見せどころでしょう。
きっと上手にフィクションに
仕立て上げているのでしょうけど、
実は、何かの出来事を元にして物語にした。
そんな感じなのかなと
勝手に想像しています。
ネタバレになりますので、
あまり踏み込んだことは書きませんけど、
私の想像力が掻き立てられて
その点も非常に面白かったです。
私が、このシリーズを好きなのは、
いつも「現場の空気」がちゃんと書かれているところです。
外科医たちが交わす冗談や、
ちょっとした一言の裏側にある気まずさや優しさ、
患者さんやご家族の表情の変化…。
一つひとつの場面が、
医療現場で働く方々への
深いリスペクトに支えられていると感じます。
だからこそ、中山先生の作品は、
医療に携わっていない
私のような一般人の心にも
スッと入ってくるのでしょうね。
今作のテーマは、
タイトル通り「メスを置く」という決断です。
どこで線を引くのか。
いつ現役を降りるのか。
私自身も
医師のキャリアに関わる仕事をしていますので、
非常に興味深く感じました。
これだけ時代や社会の変化が早くなれば、
誰だってセカンドキャリアを考えておいたほうが
リスクマネジメントとしても有用です。
しかし、仕事は自分だけのものではなく、
医療であれば患者さん、
ビジネスであればクライアント、
この最も大事なところを軽視してはいけません。
患者さんを救いたい気持ちと、
自分の衰えや限界をどう折り合いをつけるのか。
これは外科医だけの話ではなく、
すべての職業人に共通するテーマだと思います。
だから医師だけでなく、
一般のビジネスパーソンにも
本書は読んでほしいと強く思いました。
中山先生の文章は、
難しい医療用語を知らなくても、
ちゃんと場面が浮かぶように書かれています。
専門的な解説をゴリゴリ入れるのではなく、
物語として、自然に、
「なぜその治療をするのか」
「なぜその決断になるのか」が伝わってくる。
そのバランス感覚が本当に絶妙です。
医療小説というと
「医療関係者が読むもの」と思われがちですが、
このシリーズはむしろ一般の方にこそ
手に取ってほしい作品群です。
そして、読めば読むほど痛感するのは
「医療は私たちの日常と地続きである」という事実です。
病気はいつ、
自分や家族に訪れるかわかりません。
そのときに、どんな人たちが、
どんな思いで働いてくれているのか。
中山先生の物語は、
その「見えにくい部分」を丁寧に照らしてくれます。
医師も人間であり、感情があり、
迷い、揺れ、それでも患者さんの前に立ち続けている。
その当たり前のことを、
あらためて思い出させてくれるのです。
医師や看護師、コメディカル、
病院事務や地域医療を支える方々…。
こうした医療従事者は、
間違いなくこの国の「宝物」だと思います。
もちろん、完璧な人などいませんし、
医療の世界にも課題は山ほどあるでしょう。
それでも、「命と向き合う仕事」を選び、
一日一日を必死に生きている。
その姿を物語として
伝え続けてくれる中山先生には、
私も医療業界で仕事をする者として、
本当に感謝しかありません。
このシリーズを読むことは、
現場で頑張っている医師たちへの小さなエールでもあり、
支える側の私たち一般人の
「学び」の時間でもあると思います。
だからこそ、医療に関係のない方にこそ、
「一度でいいから読んでみてください」とお伝えしたい。
きっと、病院を見る目、医師を見る目、
自分の健康を見る目が、
少しだけ優しく、少しだけ深くなるはずです。
泣くな研修医シリーズも8話めです。
主人公である雨野先生も
外科医としてだけでなく、
医師として実に多様な経験を積んできています。
あくまでも虚構ではありますが、
キャリアに悩む医師の皆さんにも
参考になるところは少なくなさそうです。
本作品のなかにも
魅力的な新キャラも出てきたように思います。
登場人物たちが
今後どう関わってくるのか、
このあたりも見逃せません。
さて、9話めはどんな展開になるのでしょうか?
すでに中山先生のなかでは、
構想ができており、
ディテールを熟慮していそうですが、
本作にも中山先生ご自身の実体験が
多少なりともあったように思えますので、
次作にも何らかな形で反映されるのかもしれません。
本書を読み終えて、
次作が楽しみになる。
いや~、これは素晴らしいシリーズです。
多くの方に読んで欲しい秀逸な医療小説です。
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
★4つとしたのは、
作品の出来というより、
「もっと多くの人に届いてほしいから」です。
医療小説というジャンルのハードルのせいで
本書が読まれないのは、あまりにももったいない。
本作品は、
外科医としての矜持と葛藤を描きながら、
同時に「医師もまた、ひとりの生活者であり、人間である」という
当たり前の事実を静かに教えてくれます。
医師の方にはエールとして、
一般の方には医療者への理解と感謝を深める一冊として、
ぜひ手に取ってほしいと心から思います。
それでは、また…。
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