おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
世界がきな臭くなるばかりの現代社会ですが、
このままでよいとは決して思えません。
アメリカ、ロシア、中国という大国は
自国の論理だけで突っ走っているのでしょうか?
これは昔からずっと続いているのでしょうか?
こんな時代に我が国はどう動くべきなのか?
私たち一人ひとりの日本人は
いったい何を考え、どういう行動をすべきでしょうか?
今回ご紹介する書籍は、
【 日本国民に告ぐ
誇りなき国家は、必ず滅亡する 】 です。

本書をピックアップした理由
『 日本国民に告ぐ
誇りなき国家は、必ず滅亡する 』
小室 直樹 クレスト社 を読みました。
恥ずかしながら
小室直樹さんの著書は読んだことがありません。
正直、どんな考えを持っている方で、
いままで何をしてきたのか。
まったく知らないのが現状です。
しかし、宮台真司さんが
自分の師匠だと著書で述べていますし、
それなら読む価値があるだろうと考えて、
楽天ブックスで興味深そうな本を2冊購入しました。
そのうちの1冊が本書です。
初めての小室直樹さん。
どんなものかとワクワクしながら読み始めました。
目次
第1章 誇りなき国家は滅亡する
ー謝罪外交、自虐教科書は日本国の致命傷
第2章 「従軍慰安婦」問題の核心は挙証責任
ーなぜ、日本のマスコミは本質を無視するのか
第3章 はたして、日本は近代国家なのか
ー明治維新に内包された宿痾が今も胎動する
第4章 なぜ、天皇は「神」となったのか
ー近代国家の成立には、絶対神との契約が不可欠
第5章 日本国民に告ぐ
ー今も支配するマッカーサーの「日本人洗脳計画」
第6章 日本人の正統性、復活のために
ー事実に基づく歴史の再検証が不可欠なとき
附録 東京裁判とは何であったか
感想
私自身は、小室直樹さんのことを
どんな人で、どんな実績があって、
どういう主張をされる方なのか、
まったくわからないまま読み始めたのですが、
もうとにかくひと言…「尖がってます」。
こういうタイプの人だとは想像もしていなかったので、
いきなり強い口調でグイグイ来られたので
正直、最初はかなり戸惑いました。
ポジションとしては、
いわゆる保守、右寄りという感じですが、
そこには理論武装がなされており、
ノンポリの私から見ても
「なるほど」と思うところは多かったです。
いわゆる自虐史観に関しては、
バッサリと斬り捨てる感じですが、
しっかり理屈が通っているので
何となく心地よく感じてしまったり。
どうしても「尖った」主張ですので、
おそらく小室さん自身も、
その主張も、本書も、
相当に賛否両論が分かれるのでしょうけれど、
私は、これはこれで良しと思いました。
むしろ、こういう主張を知らないと
いつの間にか、おかしなイデオロギーに
絡めとられてしまうような気もします。
安易にわかった気になって、
あたかも自分が考えたかのような
表層的な主張をするような人には
小室さんの考えは劇薬かもしれませんが、
冷静に、考えるきっかけとして捉えることができる人なら
きっと学ぶところは多いように感じました。
なにせ私にとっては
初めての小室直樹さんの著書でしたので、
若干、面食らったところはありますけど、
他の著書も読んでみたくなりました。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。
そうすると、
日本社会に痼疾たる伝統主義が作動しはじめる。
過去は永遠化される。
ひとたび「正しい」とされたことは、
いつまでも正しい。
ひとたび作られた「制度」は、
作られた目的が消えた後までも維持されて、
機能は逆機能に転換される。
(P.44)
これは我が国に限ったことではなく、
それこそ人類全体の共通の課題かもしれません。
頭の良いエリートは
現行システムに適応できた人たちなので、
どうしても伝統に縛られるのでしょうね。
頭のよくない人は
そういう事態に無頓着なのでしょうか。
それこそ100年、200年単位で
取り組まねばならない課題と言えそうです。
日本の企業は共同体になってしまっている。
共同体であるから、
ひとたび企業が外部からの攻撃の矢面に立たされるや、
企業内部の人びとは、労働者も資本家も、
みんな打って一丸となって立ち向かう。
(中略)
共同体の特徴は、規範の二重性にある。
内部規範と外部規範とが異なっていて、
普遍規範は存在しないのである。
(P.79)
時代や社会の変化に付いていけない企業は
淘汰されていいのではないでしょうか?
そもそもの存在価値を見失い、
内部の自分勝手な規範が優先される企業など
社会悪と言わざるを得ません。
経済における資本主義と、
法律における(形式合理的な)近代法と、
リベラル・デモクラシーの政治とは、
いわば三位一体である。
それらのうちの一つが欠けても
他の二者は必ずうまくいかないことは、
最近、ますます明らかにされてきたが、
これぞ古今東西を問わず
不滅の真理である。
(P.111)
今まではそうだったかもしれませんが、
これからは真理ではなくなる気もします。
すでに大国は自国中心主義で
好き勝手な行動を起こしていますし、
AIが浸透すればするほどに
ポスト資本主義、ポスト近代法、ポスト民主主義と
まったく異なる社会が生まれるかもしれませんが、
はたしてどうなりますかね?
日本の法律(制度)は、
国民生活とは関係なく、
不平等条約改正という
政治目的のために作られたがゆえに、
国民から疎外されてしまって
今日に至る、と論じてきた。
日本の教育(制度)もまた然り。
日本の教育(制度)は、
国民生活とは関係なく、
不平等条約改正という
政治目的のために作られたがゆえに、
国民から疎外されてしまって今日に至る。
(P.115)
なるほど、この視点はなかったです。
確かにこの側面はあり得ると思います。
でも、あの当時は、不平等条約の改正は、
これはもう待ったなして、
国民の強い後押しもあったと思われます。
そして、今から対処しようとしても
相当に難しそうであることが頭の痛いところです。
教育は、社会化の一種であることが
理解されているからである。
社会化とは、社会の規範と
生活能力とを身に付けることである。
ゆえにそれは、当然、社会で役に立つことである。
この意味でそれは現実的なものである。
もし非現実的であれば、
それは即、社会化ではない。
教育という社会化は、組織化された学習過程である。
ゆえに教育は最重要な社会化の一つである。
それが非現実的である(社会の役に立たない)ならば、
それは教育としての意味をなさないのである。
(P.116)
はたして現代の教育は
人の役に立つ人間を育てていると言えるのか?
所詮、受験戦争の勝ち組をつくり、
エリートと非エリートを分別するだけの
稚拙かつ浅慮なものになっていないか?
その根本的な要因が
不平等条約改正という政治目的にあるとしたら、
目を覆うような事態になるのも致し方ないでしょうか。
誰が、どう考えたって、
改善の余地は大きいですよね。
しかし、日本に宗教はない。
どの宗教も、立憲政治の機軸とはなりえないのである。
(中略)
では、伊藤をはじめとする日本の指導者はどうした。
皇室(天皇)をもって、
立憲政治の機軸とすることにしたのであった。
(P.152~153)
前後の文章がないと
少しわかりづらいとは思いますが、
編み出した国内統治について書かれた箇所です。
この前後は大変に読み甲斐がありました。
いつの世も天皇陛下は政治に翻弄されます。
教育勅語が、
一つの「臣民」に統一したことの意義は、
強調され過ぎることはない。
日本の官僚制は、民衆の官僚制であった。
「臣」と「民」の差別がないことによって、
官僚は、民衆と休戚(喜びと悲しみ)を
共にするようになった。
中国でもヨーロッパでも考えられないことである。
(P.178)
教育勅語に過剰反応する人も少なくないけど、
純粋に内容を読めば、
現代にも活きる重大なことが書かれています。
なぜそれを見ないで批判する?
GHQは何をしたか。
天皇制に最も反対した人びとを最も優遇した。
これはアメリカ人お得意の社会科学、
その初等的な常識。
敵の中に味方を作るのは
外交・軍事の常道である。
知らぬは日本人ばかりなり。
(P.216)
それでも天皇陛下は
多くの日本国民に愛されているし、
ほとんど失敗しているので、
長い目で見れば
権力者の思うようにいかないものだと
しみじみと痛感しますね。
日本は、義務教育において、
最も重要なことを教えていない。
それは、日本とは何か、
日本人とは何か。
つまり、日本人として
誇りを持たせるための教育である。
戦後日本の教育では、
それらはすべて悪とされ、
おざなりにされた。
(P.227)
思わず膝を打ちました。
おっしゃる通り。
この国が嫌いになるように仕向けた
日教組などは壊滅させるべきだと思います。
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。
本書は、
賛否の出やすいテーマを容赦なく切り込みながら、
「国家とは何か」「近代とは何か」を
真正面から理屈で押し切ってきます。
それがなぜか心地よいのです。
私は小室さんの主張に対して、
すべてに同意したわけではありませんが、
伝統主義に絡めとられた思考停止を破り、
「前提」から考え直すよいきっかけになりました。
日本人としての誇りと、
事実に基づく
議論の重要性を改めて突きつけられる一冊です。
それでは、また…。
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