ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60冊以上の本を通じて、人生や社会の構造を読み解いています。 読書感想にとどまらず、キャリアや人生に彩りを与える言葉を綴っています。読書好きな方と繫がりたい!

潮騒

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

人はわかっていることばかり考えていると

段々と堕落するものではないかと思います。

 

時どきは、あえて、

わからないことに突っ込んで、

そのなかでもがき苦しむことで、

知性や知恵というものは

自然と起動し始めるものではないでしょうか。

 

自分の脳みそを鍛えるためには、

このわからないという領域で

刺激を与えたほうがいいと思うのです。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 潮騒 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 潮騒 』

三島 由紀夫 新潮文庫 を読みました。

 

実は三島由紀夫に関しては、

そんなに強い関心はないのですけど、

無関心ではいられない。

 

それが私のスタンスです。

 

今までも何冊か著書は読んできましたし、

三島について書かれた本も読みました。

 

三島由紀夫 の検索結果 - ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

 

「金閣寺」の世界はとても好きでしたし、

「文化防衛論」は勉強になりましたし、

若きサムライのために」を読んだときには、

もっと三島を学びたいとも思いました。

 

「命売ります」は

可もなく不可もなしという感じだったけど、

私の積ん読本棚には

まだ数冊の三島作品が保管されていますので、

時どきは読まねばと思っておりました。

 

私は三島ファンというわけではないので、

三島の良さをそれほど理解できていません。

 

むしろ私にとっての三島は

「わからない」人なのかもしれません。

 

冒頭書いたように、

たまには「わからない」ところにも

顔を出しいくべきというのが私の流儀です。

 

何となく「金閣寺」っぽいのはどれだ?と

積ん読本棚から選んだのが「潮騒」でした。

 

はたしてどうかな?と思いながら

読み始めたのでした。

 

目次

本書は36章からなる長編小説で、

章ごとに物語が展開していきます。

 

感想

『潮騒』は、

三島由紀夫の作品の中でも比較的読みやすく、

そして美しい物語として知られている小説のようです。

 

三島文学というと、

どうしても難解で重厚な「思想」が

前面に出てくるイメージがありますが、

本作はそれとは少し趣が異なり、

若い男女の純粋な「恋」を中心に

物語が進んでいきます。

 

ただし、単なる恋愛小説かというと

決してそうではありません。

 

舞台となる離島の自然、

共同体の秩序、

そして人間の誇りや倫理といったものが

とても柔らかく静かに織り込まれており、

読み進めるほどに

三島が描こうとした

「人間像」が浮かび上がってきます。

 

私自身、三島作品を

完全に理解しているとは到底言えませんが、

それでも本書には、

時代や社会を超えて伝わってくる

普遍的な魅力があると感じました。

 

ここでは、私なりに本書から感じ取ったことを、

いくつかの視点から整理してみたいと思います。

 

読後、胸に強く残ったのは、

派手さではなく、

人が人としてどう生きるべきかという

静かな問いでした。

 

だからこそ、この作品は

時代を超えて読み継がれてきたのだと思います。

 

<潮騒の時代背景とは?>

『潮騒』が発表されたのは1954年、

日本が戦後の混乱から

徐々に立ち直りつつあった時代です。

 

高度経済成長の入り口に立ちつつあったとはいえ、

まだ都市化は完全には進んでおらず、

日本の多くの地域には

昔ながらの共同体の秩序が色濃く残っていました。

 

本作の舞台である離島の生活も、

まさにそうした時代の空気を

象徴しているように感じます。

 

漁業を中心にした生活、

島の人々の結びつき、

そして噂や評判が大きな力を持つ社会。

 

現代の私たちから見ると

少し窮屈に思えるかもしれませんが、

そこには同時に

人間同士の濃密な関係も存在していました。

 

現代はネット社会になっていますから

この頃とは異なる窮屈さはありますけどね。

 

三島はこうした世界を

単なる懐古趣味として描いているのではなく、

人間の誠実さや誇りが試される舞台として

描いているように思えます。

 

人間の暮らしの原点のような

古いけど温かみのある日常を感じました。

 

時代背景を理解すると、

この作品が単なる恋愛物語ではなく、

日本社会の一つの「原風景」を

切り取った作品であることが見えてきます。

 

むしろ当時よりも、

今のほうが価値が上がっているのかもしれません。

 

<なぜ三島は潮騒を書いたのか?>

三島由紀夫の作品というと、

思想的で重く、

どこか張り詰めた緊張感を伴うものが

多い印象があります。

 

しかし『潮騒』は、

その中でも比較的明るく、

純粋な恋愛物語として語られることの多い作品です。

 

なぜ三島がこのような作品を書いたのかを考えると、

そこには彼なりの人間観や

理想像があったのではないかと思います。

 

主人公の新治は、

決して特別な才能を持つ人物ではありませんが、

誠実で真っ直ぐな若者として描かれています。

 

そして、その誠実さこそが周囲の信頼を勝ち取り、

困難を乗り越える力になっていく。

 

三島は、複雑な思想を語るだけではなく、

こうした「人としての基本的な強さ」や

「清らかな精神」を描きたかったのではないでしょうか。

 

そう考えると、『潮騒』は三島文学の中でも、

人間の純粋さを

正面から描いた作品だと言えるのかもしれません。

 

「愚直」という言葉がぴったりです。

 

<潮騒は読者に何を与えたのか?>

『潮騒』が長く読み継がれている理由の一つは、

その物語の持つ普遍性にあるのではないでしょうか。

 

時代背景や生活環境は

現代とは大きく異なりますが、

そこに描かれている人間の感情や葛藤は、

決して古びることがありません。

 

真面目に働くこと、

誠実に人と向き合うこと、

そして自分の信じる道を貫くこと。

 

そうした価値観は、

どんな時代であっても人の心に響くものです。

 

特に主人公の新治の姿は、

派手さはありませんが、

読者に安心感や信頼感を与える人物像として

描かれています。

 

現代社会では、

どうしても効率や成功ばかりが強調されがちですが、

本作を読むと、

人間として大切にすべき

基本的な姿勢を改めて思い出させてくれます。

 

だからこそ『潮騒』は、

単なる恋愛小説を超えて、

多くの読者に

静かな感動を与え続けているのだと思います。

 

<私は潮騒から何を学んだのか?>

私が本書を読んで強く感じたのは、

「誠実に生きる」ということの重みです。

 

現代社会では、

どうしても要領の良さや

立ち回りの上手さが

評価される場面も少なくありません。

 

しかし『潮騒』に登場する人物たちは、

そうした小手先の技巧ではなく、

地道に働き、

真面目に人と向き合う姿勢によって

信頼を得ていきます。

 

主人公の新治も

決して器用な人物ではありませんが、

その真っ直ぐな生き方が

周囲の人々の心を動かしていきます。

 

私はこの姿を見て、

結局のところ人間の価値というものは、

日々の行動や態度の積み重ねによって

形作られていくのではないかと感じました。

 

派手な成功ではなく、

静かで誠実な生き方。

 

そうした生き方こそが、

長い目で見れば人の信頼を生み、

人生を豊かなものにしていくのかもしれません。

 

まさに人間の「原点」の物語と

言っても過言ではありません。

 

<三島由紀夫にとっての潮騒の位置づけ>

三島由紀夫の作品群の中で見ると、

『潮騒』は少し異色の作品とも言えるかもしれません。

 

彼の多くの作品は、

人間の内面の葛藤や

社会への鋭い批評を含んだものが多く、

読む側にも一定の緊張を要求します。

 

しかし『潮騒』は、

その中でも比較的素直な物語として描かれており、

三島文学の入り口として

紹介されることも多い作品のようです。

 

ただし、それは決して

軽い作品という意味ではありません。

 

むしろ、三島が理想とする人間像や美意識が、

わかりやすい形で表現されているとも言えます。

 

純粋さ、誠実さ、

そして誇りを持って生きる姿勢。

 

そうした価値観が

この物語の中には静かに流れています。

 

三島文学を深く理解するためにも、

『潮騒』は重要な位置を占める作品だと感じました。

 

作家としての三島の「厚み」と言いますか、

引き出しの多さを感じる一冊です。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

『潮騒』は、

華やかな事件や難解な思想で

読者を圧倒する作品ではありません。

 

むしろ、誠実に働くこと、

人をまっすぐに想うこと、

共同体の中で信頼を積み重ねていくことの尊さを、

静かに、しかし確かな力で伝えてくる物語でした。

 

それはそれでとてもよくわかりますし、

そういう傾向のものを求めていたのに

なぜか若干の物足りなさを感じてしまいました。

 

これも三島、あれも三島ということですけど、

私はますます三島という作家に

不思議なものを感じてしまいました。

 

現代は効率や要領の良さ、

目立つ成果ばかりが評価されやすい時代ですけど、

本書にはそうした価値観とは少し異なる、

人間の原点のようなものが流れています。

 

派手ではないけれど、

日々を真面目に生きること。

 

器用ではなくても、

自分の役割を果たし、

誇りを失わずに前に進むこと。

 

その姿勢こそが、

結局は人の心を動かし、信頼を生み、

人生を豊かにしていくのだと教えられました。

 

三島由紀夫という作家の奥行きや

引き出しの多さを感じると同時に、

時代が変わっても

色褪せない価値がある作品だと思います。

 

静かな読後感の中に、

長く残る余韻がありました。

 

でも、ちょっと物足りない…(苦笑)。

素敵な小説であることは認めます。

 

きっとそう遠くない将来に

また三島作品に挑戦することでしょう。

 

ずっと理解はできないかもしれませんが、

それがなぜか心地よいというか、

面白いというのもあります。

 

三島を理解できる人が

ちょっと羨ましいです。

 

それでは、また…。

 

 

*ジーネットTV 毎週新着動画をアップしています!

医師キャリア相談

*ZOOMキャリア相談を無料で行っています。

 

<ジーネットが発信する情報提供サイトはこちらです!>
ジーネット株式会社 公式ホームページ
医療ビジネス健全化協議会<IBIKEN>ドクター向け情報提供サイト
ジーネット株式会社 <社長のtwitter>
ジーネット株式会社 <社長のfacebookページ>

よろしければ下記もポチっとお願いします!
      にほんブログ村 転職キャリアブログへ