おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
私は元来興味を持つと、
取りあえず突っ込んでいく人間です。
まずはやってみる、経験してみることで、
その先が決まると思っているからです。
やってみて、
そのまま止めたものもありますが、
その後も長く続いたものもあります。
こういう特性を持つことは、
とても好ましく思いますので、
あとは年を重ねても
いつまでもチャレンジャーでありたいと
思うばかりです。
今回ご紹介する書籍は、
【 U理論 [ エッセンシャル版 ]
人と組織のあり方を根本から問い直し、
新たな未来を創造する 】 です。

本書をピックアップした理由
『 U理論 [ エッセンシャル版 ]
人と組織のあり方を根本から問い直し、
新たな未来を創造する』
C・オット・シャーマー
中土井 僚 由佐 美加子 訳 を読みました。
『U理論』というのは、
まあ正直よくわからないですし、
大した知識もありませんが、
SNSを見ていても、
ある一定層の人たちが話題にしており、
『U理論』自体というより、
その話題にしていた人に興味があり、
一度読んでみるか~という感じです。
で、何なんですかね?『U理論』。
この程度の状態ですけど、
何となく面白そうな気がしましたので、
取り急ぎ読み始めてみました。
目次
第Ⅰ部 場を見るための枠組み
第1章 盲点
第2章 U理論ーー形は意識に従う
第3章 社会進化のマトリックス
第4章 針の穴
第Ⅱ部 意識に基づくシステム変革の方法
第5章 一つのプロセス、五つの動き
第Ⅲ部 進化的社会変革の物語
第6章 社会のオペレーティング・システムをアップグレードする
第7章 原点に戻る
感想
U理論をひと言で表せば、
「過去の延長線上ではない変容やイノベーションを、
個人、ペア(一対一の関係)、チーム、
組織、コミュニティ、社会といった
さまざまなレベルで起こすための原理と
実践の手法を明示した理論」とのことです。
それなりに楽しみに読んだのですが、
原理とか、実践の手法と言いながらも
かなりわかりにくい話に終始しているのが
少し残念な印象を受けました。
また著者自身や、
そのチームの取り組みを紹介しているのが、
ひとつの事例というよりは、
若干自慢話に近い感じを受けてしまい、
なおかつ営業を感じるようなところもあって
少し嫌気が差したことは隠せません。
確かに理論として、
考え方やマインドセットとして、
なるほどと学びになるところはありました。
ですが、私が誰かにお勧めできるかと問われると
正直、苦笑いを浮かべてしまう内容です。
単に私の理解が及ばないという点もあるでしょうが、
期待度が大きかっただけに、
逆に残念に思うほうが出てしまいました。
少なからず勉強になったところは、
恒例の私がグッときた箇所でご紹介いたします。
これは重要である。
なぜならエネルギーは意識の向け方に従うからだ。
リーダー、教育者、親などがどこに意識を向けようと、
チームのエネルギーはそこに向かう。
意識の質がエゴからエコへ、
「私」から「私たち」へと変わるのに気づいた瞬間に、
より深い場の状況が開かれ、
生成的な社会的な場が活性化される。
(P.23)
こちらは「はじめに」からの抜粋ですが、
エゴからエコへ、「私」から「私たち」へという部分が
これからの時代のキーワードのように思いました。
人類の歴史というのは、
行ったり来たりを繰り返しますから、
そんなにすぐに実現はできないでしょうけど、
そういう方向に向かわないと
「地球」が私たちを許さないかもしれません。
「もはや人間を必要としない」未来が待っている。
つまりは、我々は人間として
何者であるのかを定義し直し、
どのような未来の社会に住みたいのか、
どういう社会を作りたいのかを
決めざるを得ないということだ。
二十世紀を通して
さまざまな種類の独裁を経験した我々は、
今、テクノロジーの独裁時代に入ろうとしているのだろうか。
これは、深い溝を覗き込んだときに
突きつけられる問いの一つである。
(P.36~37)
未来のことなんて
誰にもわかりませんけれど、
流れを読むとか、潮目を読むということは
多少なりともできると思います。
人間を必要としない未来でいいのか?
人間と自然を調和させる未来にするか?
今を生きる私たちに掛かっています。
「じっと待って、
経験が何か適切な形になって現れるのを待つんだ。
何かを決定する必要はない。
何をすべきかは自ずと明らかになる。
急かせても無駄だ。
そしてそれは自分の由って来るところ、
自分はどういう人間なのか、
ということに大きく左右される。
これは経営にも大いに関係がある」
そしてこう付け加えた。
「要するに、自己を自己たらしめている
内面の源が大切だということだ」
(P.58)
これはブライアン・アーサーという方の発言ですが、
「核心」を突いていると思いました。
変化のスピードが速い現代社会は、
「急ぎすぎ」とか「焦りすぎ」という面が
とても強くなっているように感じます。
わからないものは、
わかるまで保留しておく。
これは経営でも、キャリアでも、
実に大事な姿勢のように思います。
開かれた思考は
判断の古い習慣を保留する――
新しい視点でものを見る能力である。
開かれた心は共感する能力、
誰かほかの人の目を通して状況を観る能力である。
開かれた意志は古いものを「手放し」、
新しいものを「迎え入れる」能力である。
(P.63)
開かれた「思考」、「心」、「意志」と
わかりやすく分類することで
私たちの考え方はグッと深まり、
精度を高めてくれるような気がします。
問題を生み出したのと
同じレベルの思考では
問題を解決できない。
(P.102)
これはアインシュタインの言葉のようですが、
「問題解決」の本質だなと思いました。
やはり問題そのものを直視することも大事ですが、
自分自身がどうなのか?
問題を生み出した自分、
さらに問題を大きくしてしまう自分なのか、
成長して問題を解決できる自分、
次の問題を回避できる自分なのか。
自分のレベルでいかようにでもなるのだろうなと
そう思う次第です。
こうして私の関心はシステムの内側で
仕事をすることに移った。
驚いたことに、「システム」自体は
実際には存在しないということがわかった。
あるのは、そのシステムをある方向に動かしたい
利害関係者の集まりと、
別の方向に動かしたいほかの人々の集まり、
そしてその中間に位置するさらに多くの人々だ。
私は、古いシステムに開いた裂け目を
見るにはどうすればよいのか、
そしてそれをシステム全体の変革を
機会の窓として使うには
どうすればよいのかを学んだ。
(P.119)
システムが何を指しているのか。
それによって受け止め方も変わりそうですけど、
私たちはいつの間にか洗脳されてしまって
盲目的に信じてしまいがちなところはありますね。
その常識とか慣例を
少し破ってみるだけで物事は急展開することも
やはりあるのだとは思います。
システムを疑い、
システムから離れることでしか、
より良いシステムは見えてこないとも言えそうです。
自分の仕事が好きではなくても、
自分が行っているさまざまな活動の中に
この原則のような心の質を持つプロジェクトを
少なくとも一つか二つ持つようにしよう。
それが創造性のより深い能力を活性化することに役立ち、
仕事や人生のほかの側面にも波及していく。
煎じ詰めるとこういうことになる。
重要な決定をするときは、
決して心の声を過小評価してはならない。
状況によって呼び覚まされ、
そこに波長を合わせることができるのは、
感情の質である。
それは場について実に多くのことを教えてくれる。
私が重要な岐路に立ったとき、
心の声に従うと、
それはいつも正しい道を指示してくれた。
(P.172)
なかなか解釈が難しい文章ですけど、
すべては「自分しだい」ですよね。
ただ何でも「心の声」に従えばいいとは思えません。
誰にも理解されない、誰にもメリットのない
そんな「心の声」であれば、
総スカンを喰らうだけです。
やはり日常的に自分を磨き、
世のため人のために役立てる自分だからこそ
迷ったときに「心の声」に従えば
正しい道を歩めるのではないでしょうか。
フォーカスすべきは分析ではなく、
行動によって未来を探索するということだ。
(中略)
「早く成功するために何度も失敗する」、
あるいは「速く学ぶために早い時期に失敗する」である。
(P.190)
まさに「失敗は成功の母」ですね。
未熟なうちから失敗を恐れて、
行動をしなくなるようでは、
いつまでも経っても成功にたどり着けません。
早く失敗をしておく。
早い時期に失敗しておく。
とても大切な考え方ですし、
U理論とはテクニカルな話ではなく、
人としての行動をもとにした
「人生論」なのだなということを
しっかり頭に入れました。
生き方、考え方です。
だから世界中で活かせるのだと思います。
評価
おススメ度は ★★★☆☆ といたします。
著者はいわゆる「学者」ですから、
どうしても学術的に捉えすぎる傾向にあって、
実務家から見ると
あえて難しくしているというか、
わかりにくさを克服できていない点が
私は少し不満でした。
ただ、書かれていることや
その発想には気づきは多かったですし、
読むべき本の一冊ではあると思います。
エッセンシャル版でこの難しさですから、
もともとは相当に難解な理論だったのでしょう。
私はエッセンシャル版で十分ですし、
問題は学びを「いかに活かすか」であり、
これは私たち個々の責任なのでしょう。
それでは、また…。
<ジーネットが発信する情報提供サイトはこちらです!>
・ジーネット株式会社 公式ホームページ
・医療ビジネス健全化協議会<IBIKEN>ドクター向け情報提供サイト
・ジーネット株式会社 <社長のtwitter>
・ジーネット株式会社 <社長のfacebookページ>
