ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60冊以上の本を通じて、人生や社会の構造を読み解いています。 読書感想にとどまらず、キャリアや人生に彩りを与える言葉を綴っています。読書好きな方と繫がりたい!

ひとの居場所をつくる ランドスケープ・デザイナー 田瀬理夫さんの話を通じて

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

心に余裕を持つというのは、

とても大事なことだと思います。

 

しかし、毎日忙しく働いていると、

いつの間にか失いがちなものでもあります。

 

だからと言って、

誰かが授けてくれるものでもありません。

 

やはり自分で手に入れるべきものですし、

それは日常生活を送っているだけでは難しく、

やはり意識的に取りに行くべきものではないでしょうか。

 

私は、少し「癒し」が欲しいなとか、

心に疲れを感じるときには、

「この方」が思い出されるのです。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 ひとの居場所をつくる 

 ランドスケープ・デザイナー 田瀬理夫さんの話を通じて 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 ひとの居場所をつくる 

 ランドスケープ・デザイナー 田瀬理夫さんの話を通じて』

西村 佳哲 筑摩書房 を読みました。

 

西村さんの著書は

今まで4冊を読んだようです。

 

ka162701.hatenablog.com

 

ka162701.hatenablog.com

 

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ka162701.hatenablog.com

 

いずれも心温まる素晴らしい内容でした。

 

少しご無沙汰になっていたのですが、

積ん読本棚の中から

次はこれを読みなさいという神の啓示を受けまして、

素直に従って読み始めた次第です。

 

目次

1 遠野

2 東京

写真 津田直

3 田瀬理夫さんのあり方、働き方

注釈と付記

地上をゆく船ーあとがきにかえて

 

感想

毎日「忙しくしている」方は、

ぜひとも本書を手に取ってみてください。

 

きっと「心が洗われる」でしょうし、

少し「余裕」が生まれてくると思います。

 

私たち人類のあり方とか、

日本人の原点を思い出させてくれます。

 

現代社会に疲れている方、

自分が洗脳されているかもと不安な方、

資本主義に疑問のある方、

こういう方も本書を読むといいと思います。

 

私たちが立ち戻るべき場所、

そういったものが見えてくるでしょう。

 

仕事観とか、人生について、

きっと「違う角度」から

非常に鋭い発想を手に入れることができます。

 

私たちは、いつの間にか、

とても視野を狭くしているのではないかと

私は心が痛む思いをしました。

 

でも、その気づきを得ることができて、

身動きができない状況から助けられた気分です。

 

読後、ここからやり直そうと思いました。

もっと大事なことがあると気づけました。

 

考えるきっかけとして、

実に有用で、唯一無二の良書かもしれません。

 

それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。

 

私は東京で育って、

これまでは横のつながりを

強く意識して生きてきたと思う。

でも、ここで暮らして、

初めて”縦のつながり”を感じるようになって。

なんだか嬉しいんですよね(笑)

(P.6~7)

 

いきなりガツンと後頭部を叩かれたような、

すごい衝撃を受けました。

 

横のつながり、縦のつながり。

 

確かに現代を生きる私たちは、

縦のつながりに対して

あまりにも無意識であると

言わざるを得ないかもしれません。

 

そして、それは生きるうえで、

かなり大きなネックのように感じました。

 

この国ではなぜ、

平野部はまだしも、

山林まで個人が所有するようになったのだろう。

海も空も川も、本来個人が

所有するようなものではないと思うのだけど。

(P.28~29)

 

本当にその通りだと思います。

 

行き過ぎた資本主義。

勝者総取り、弱肉強食の文化。

 

はたしてこのままでいいのだろうか?

すでに限界が近づいているように感じます。

 

みんなで分かち合うという発想を

賢く制度化できないものでしょうか。

 

「利用出来れば所有しなくていい」という

考え方が基本だけど、要所は押さえて。

(P.56)

 

「地の時代」から「風の時代」とか、

また「ストック」から「フロー」へとも言われます。

 

これからの時代のひとつのキーワードかもしれません。

 

おそらく古い資本主義と

ポスト資本主義がせめぎ合いをして、

いずれ混在しながらも

新しい形ができるのだろうなと想像します。

 

市場価格に合わせて利益を出そうとすると、

手もかけられないし、

良質なものを育てられない。

(P.85)

 

このあたりの考え方は、

私に似ていて好感が持てました。

 

効率を重視する時代ですけど、

それで質を落としてしまうのはどうなんだろう。

 

組織が大きくなると

そうせざるを得なくなりますけどね。

 

「与えられた問いに答える」ような

教育を受けてきている。

問いそのものを問い直すことはせずに、

すぐに解いたり答えちゃう。

優秀な人ほど。

根本的なところからスタートしない。

(P.107)

 

学校のテストのための勉強。

受験で合格するための勉強。

 

ずっとそれが続いていますから、

哲学的な問いとか、

100年後のための問いというのが

できる人は圧倒的な少数派なのでしょうね。

残念だけど。

 

ー仕事が人をつくるというか、

 働くことを通じて人は展開するし、

 能力も拓かれてゆくし。

 関係も育ってゆくわけだから。

無駄なことをしないように考えていると、

お金は生むかもしれないけど価値は生み出さない。

人が「めんどくさい」と思うことのほうが、

むしろ価値を生みだすというか。

人がつくったわけではないものが

溢れかえっているから、

世界全体がなんだか砂漠のようになってしまっているのだと

僕は思うんだけど。

(P.110)

 

急がば回れだと思うし、

ゴールの設定を間違えてしまうと

ずっと間違い続けてしまいますね。

 

たぶん「AI」が

私たちを正気に戻してくれるような気がします。

 

そうでないと私たちは人間性を失って、

AIに利用されてしまうかもしれません。

 

手間はかかればかかるほどいい。

やっぱり一つひとつ丁寧に誂えているというかね。

そういうものがないと

魅力的にはなりませんよね。

(P.132)

 

私もそう思いますが、

時代はコスパ重視、効率最優先です。

 

私たち人類は

今後どの方向に進むのでしょうか。

かなり不安です。

 

機会や経験が足りないんですよ。

「これからの社会づくりは参加型で」とか

急に言われても、

パブリック・マインドが

まだ訓練されていないんですよね。

「かかわる」ことについて。

そういうことに慣れていないから、

大人のくせに「絆」とか

「一丸となって」とか、

ちょっとしたヒューマンストーリーに

すごく感動してしまったりするんです。

ちょっと子供じみているよね。

(P.148~149)

 

このパブリック・マインドという言葉に

う~んと唸らされました。

 

事業で成功したり、

投資で巨万の富を築くのもいいですが、

それは本人にとってはいいですけど

社会にとってはどうでしょうか?

 

問題はその先。

お金を得るよりも何にどう使うか?

そこが問われるような気がします。

 

人生のマスタープランはないです。

そういうの立てたことない。

それは成り行きというか、

なるようにならないというか。

なにも思い通りにはならないですよね。

ただ「自分はああしてみたい」

「こうしたい」という、

「したい」ことが、なにについて多いか?

というくらいの話だと思います。

思い通り、計画通りにやっている感じではないですよ。

仕事も人生も。

(P.166~167)

 

私は人生設計をすべきと考えていますし、

キャリアプランを持つことを推奨しています。

 

ただこの方のように

「自然」と向き合う仕事の場合は、

確かに思う通りにいかないことは多いし、

私たち人間界もあまりにも複雑怪奇になっていて、

予定通りいくことが少ないのは理解できます。

 

でも、だからこそ、

という部分もあるのではないでしょうか?

 

人を増やしてゆくと、

給料を稼ぐための仕事をしなければならなくなる。

でも必要なときには応援を頼めばいいし、

基本的には自分一人が一つの仕事をやっていけばいい。

だからいつも身軽にしておく。

(P.201)

 

これは私も同意です。

経営者としては失格かもしれません。

 

しかし量より質を追求しようと思えば、

こうせざるを得ないと思いますし、

それを好ましいと思う人も

意外と多いように感じます。

 

「大丈夫なのか?」と訊かれても、

「わからない」と答えている。

そこで立ち止まってしまうとなにも出来ない。

出来ないというのは、

あまり意味のないことだと思っています。

(P.214)

 

ケースバイケースだとは思いますが、

確率論よりもまず行動が必要であるということも

世の中には少なくないと思うのです。

 

やらないとわからないことって

けっこう多いですからね。

 

評価

おすすめ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

結局のところ、

私たちに本当に必要なのは、

「便利さ」や「効率」や

「目先の成果」を増やすことだけではなく、

自分の「心」が何に反応し、

何を大切にしたいのかを

見失わないことなのだと思います。

 

忙しさに流されていると、

問いを持つことも、

立ち止まることも忘れてしまいます。

 

しかし、10年先の自分が後悔しないためにも、

100年先の社会に少しでも良いものを残すためにも、

私たちは「何を所有するか」より「どう関わるか」、

「何を得るか」より「何を育てるか」を

真剣に考えるべきではないでしょうか。

 

人間らしさを取り戻す。

自然との共生。

 

小さくてもいいから、

自分の足元の仕事を丁寧にすること。

 

人とのつながりを軽く扱わないこと。

 

分断や奪い合いではなく、

支え合いや分かち合いに目を向けること。

 

そうした日々の積み重ねこそが、

これからの時代を静かに変えていく

「力」になるのだと思います。

 

「このままだとまずいよね」と

うすうす感じている人は多いのに、

惰性で生きてしまっている。

 

これからの「AI時代」に必要なのは、

「人間らしさ」なのかもしれませんね。

 

それでは、また…。

 

 

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