おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
これからどんな時代になるのか?
いったいどんな社会が到来するのか?
神様でもないかぎり、
誰にもわからないことだとは思います。
ですが、わからないから
何もしなくていいということではなくて、
やはりわからなくても
わからないなりに何かをすべきだと思うのです。
それが将来的に必ずプラスになりますし、
何かをしておいた結果で人生は決まると思います。
そんなによいことばかりする必要はなく、
何でもいいからやっておく。
それに限るのではないでしょうか。
それをわかりやすく言い伝えてくれるのが、
「薩摩の教え」です。
一、何かに挑戦し、成功した者
二、何かに挑戦し、失敗した者
三、自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手助けをした者
四、何もしなかった者
五、何もせず批判だけしている者
やはり、うまくいったとか、いかないではなくて、
まずは「挑戦」することが大事です。
そして最悪なのが、
何もしないで批判だけしている人という点にも
頷かされます。
きっと幕末の薩摩藩も
このようにして人を評価していたのでしょう。
名を遺した人たちは
すべからく「挑戦」した人たちであり、
なかには志半ばで命を落とした人もいるのでしょうけど、
それも含めて「挑戦」した人を評価して、
「挑戦」する人を手助けする人も評価する。
ここには現代社会にも通じる
大切な「教訓」があるように思います。
今回ご紹介する書籍は、
【 医者の父が息子に綴る 人生の扉をひらく鍵 】 です。

本書をピックアップした理由
『 医者の父が息子に綴る 人生の扉をひらく鍵 』
中山 裕次郎 あさま社 を読みました。
少しご無沙汰ですが、
今回は中山裕次郎先生です。
最近は現役医師でありながら
作家業もこなす先生が増えてきていますけど、
中山先生はその先駆けと言っていいでしょうか。
古い時代も含めれば、
中山先生にとって
大先輩と言える方もいらっしゃるでしょうが、
現代という時代に限ると
中山裕次郎先生はレジェンドの一人と言えそうです。
さて、本書を中山先生ご自身が
息子さんに向けて書いた本です。
小学生、中学生、
高校生のお子さんがいらっしゃる方には
是非、本書を渡して欲しい、
でも、その前に大人も読んでねというスタンスで
書き下ろした興味深いエッセイです。
私自身は娘がおりますので、
娘に渡すか、止めておくかの判断をするために
まずは自分自身が読んでみようと思ったのでした。
(ま、そんなことはなくて、
中山先生の著書ならとりあえず読むのですが)。
目次
第1幕 「何者でもない」君へー医学生の苦悩
第2幕 飛躍をめざすのならー医師国家試験への挑戦
第3幕 つまずきを乗り越えるー研修医の葛藤
第4幕 人生の扉を開く鍵ー新人外科医の成長
感想
確かに中学生や高校生のお子さんがいらっしゃる方は、
まず自分が本書を読んで、
そのうえでお子さんに渡すといいのだろうな。
素直にそう思える内容でした。
ある種の哲学書とも言えそうですけど、
内容はとてもわかりやすく、
本書に書かれていることを元にして
お子さんと議論できたら素敵です。
医師家庭はもちろんのこと、
ここで語られているのは
社会でどう生き抜くのかの生存戦略ですから
どんな職業に就こうが
相当に参考になることが多いと思われます。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。
挑戦する権利があるというのは、
実はとてもラッキーなことなのだ。
これが、僕が君に伝えたいもう一つのことだ。
この世界には、
どうしても努力するチャンスのない人がいる。
もっと言えば、
生まれながらにして苦労をすることを
決定づけられた人がいる。
君が今元気で、
やりたいことに向かって努力をしているとしたら、
それだけでだいぶ幸運だと思ったほうがいい。
そしてもし君が何かを成し遂げたら、
くれぐれも、自分の努力が良かったからだ、
などと思わないことだ。
おおげさでなく、無数の屍の上に君はいるし、
多くの人の君への尽力があったから
初めてうまくいったのだ。
もしかしたら君は直接そういう人に会う機会は
あまりないかもしれないが、
それでも、自分を支える人や
環境への感謝を忘れてはいけない。
(P.33~34)
大人が読めば、
それはそうだと多くの人が思うのでしょうけど、
意外と見失っている人も
少なくないかもしれません。
私自身も自省と自戒の日々ですが、
「我」を出しすぎるのではなく、
常に謙虚さと謙譲、そして相手への敬意を持って
毎日の活動をしなければ…と
気を引き締めました。
「選択とは、何かを選び取ることではなくて、
選んだ選択肢を正解にするために
現実世界を無理やり捻じ曲げる覚悟と努力のことだよ」
この世界では、Aを取ろうがBを取ろうが、
世界なんてこれっぽっちも変わらない。
誰もなんの影響も受けないのだ。
君の人生でも、実はそう変わらない。
(P.58)
キャリア支援の世界で
20年以上やってきた私から見ても、
ここは完全同意をいたします。
裏を返せば、
自分だけ得しようとか、
タイパやコスパを重視した選択は、
意外と間違っているものなのです。
主導権の「有無」の問題です。
誰かに生かされるのか?
自分で生きるのか?
損得勘定を抜きにして
善悪を判断基準にすると
長い目で見たときには
きちんと報いがやってくるものです。
僕は医者として18年働いて、
とても多くの人と接してきた。
なるべく、相手の気持ちを本気で考えて
やってきたつもりだ。
その結果わかったこと、
それは、人間というものは
思ったよりも多種多様で、
人によって考え方はまるで異なる、
ということだ。
(P.80)
ごく当たり前のことですけど、
普通に見失ってしまうものでしょうか。
つい自分を起点にして物事を考えてしまいますが、
相手は絶対に違う印象を持っているはずです。
それを前提にしないと
小さな「ずれ」が大きな失敗につながりかねません。
「意味のないことを一生懸命やることには、
意味がある」。
(P.91)
素晴らしい。完全同意いたします。
それ、なんの意味があるんすか?
こんなことを言う人には
意味は絶対に理解できません。
コスパやタイパが優先される世の中ですけど、
むしろ中長期的に考えると
効率を悪くしているようにしか見えません。
センスメイキングというのは
これからの時代、ものすごく大事になると思います。
社会人になって、
僕の場合は医者になってからは、
個人だけではどうしようもないことが多くなる。
友人が「社会人はチーム戦」と言ったが、
本当にそうだ。
ここには暗記力以外の能力が必要になる。
たとえば、適切な人に助けを求める能力。
相談したらきちんとお礼をする能力。
相談できるような友達を作る能力、などだ。
(P.123)
本当にその通りだと思います。
この気づきがないと
とても優秀なのに力を発揮できず、
周囲から浮いてしまう人材になってしまいますね。
二つ目は、
「自分で決めなければ、覚悟が決まらないから」である。
選択とは、何かを選ぶことであり、
何かを選ばないことを決意することである。
もっと言うと、
実はどちらを選んでも
大した違いがないことが多いという決断は多い。
(中略)
他人の助言で決めた選択は、
少しでも不都合なことがあると
「あの人の意見は間違っていたな」
「信じた自分がバカだった」などと
その人のせいにしてしまう。
そこに圧倒的な努力は生まれない。
(P.138・P.139)
これもその通りだなと思います。
主導権は自分が持たなきゃいけません。
そして「誰か」の場合は
まだわかりやすくていいですけど、
これが文化、伝統、常識などになると
いつの間にか絡めとられてしまうので、
気をつけねばならないと思います。
過去の常識が
これからも正しいとは限りません。
小さな仕事の先にしか、
黄金の果実はないことを知って欲しいと思う。
もう一つは、
「自分の目で見たことを信じろ」だ。
(P.146)
コスパやタイパを重視することが
長い目で見れば必ずしも正しくないということ。
そしてネットの情報を信じるなということ。
どちらも生存戦略として重要です。
僕の直感はある程度は当たっていて、
たとえばお金がたくさんあっても
ちっとも幸せそうじゃない人を
僕は何人も知っている。
一方で、お金はないけど
毎日楽しそうな人もたくさん知っているのだ。
お金の多寡(多い少ない)だけで、
幸せかどうかは決まらない。
(P.199)
よくわかります。
せっかくお金を得ても、
世のため人のために使うことはせずに、
次のお金を得ることしか頭にない人は
お金の魔力に取り憑かれているのですね。
バブルが何度も起こるのは、
こういう人を痛い目に遭わすためかもしれません。
強欲は身を亡ぼすのですね。
その一方で、
お金はそこそこだけど
とても幸せそうな人には何があるか?
私には「感謝」と「尊敬」を得ているように見えます。
つまりお金では買えないものを持っているのですね。
私の周りにも
誰からも感謝も尊敬もされず、
ぶっちゃけ嫌われているような人ほど
お金に対する執着心が強いようです。
こんなだから
お金を持てば持つほどに嫌われている。
何かが間違っているように思うのですが…。
評価
おすすめ度は ★★★★★ と満点といたします。
何を考えて、どう生きるか?
さすがにこれに正解はありません。
あるのは「選択肢」であり、
選んだほうでより良くする行動だけです。
どこかにバラ色の世界があるという幻想を捨てて、
リアルな現場でどうサバイバルするか。
本書にはそのヒントが満載ですし、
医学生や研修医、若手医師にも
とても参考になるように思いました。
それでは、また…。
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