おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
私は随分と前から
「キャリアプラン三箇条」という
独自の概念を発信し続けてきました。
そんなに大したものではありませんけど…
①中長期的にキャリアプランを考えよう。
②ライフプランをベースにキャリアプランを考えよう。
③自分らしいオリジナリティ溢れるキャリアプランを考えよう。
この三つです。
私の上の世代ですと、
高度経済成長期ということもあり、
「キャリア」という考え方自体が
ほとんど顧みられることはありませんでした。
しかし、バブル崩壊から、
リーマンショックなど
いわゆる失われた30年という時代では、
社会全般に余裕がなくなり、
勝ち組・負け組という二極化が当然とされました。
キャリアを身につけないと
負け組になってしまうという
脅迫のようなものを私たちは感じながら
模索をしてきたのではないでしょうか。
確かにキャリアは
サバイバル戦略として、
実に有効だとは思いますが、
それだけではありません。
キャリア思考は、
他者や社会の幸せのために必要であり、
それが自分を幸せにしてくれます。
キャリアとは、
自分だけが
勝ち残るための武器ではなく、
誰かの役に立ちながら
自分の居場所をつくっていく
営みでもあるのでしょう。
つまり、これからの時代は
幸福の前提にあるものとして、
キャリアが求められるのではないかと思うのです。
今回ご紹介する書籍は、
【 人生と仕事と学びをつなぐ15の講義
18歳からのキャリアデザイン 】 です。

本書をピックアップした理由
『 人生と仕事と学びをつなぐ15の講義
18歳からのキャリアデザイン 』
日本経済新聞社+立教大学[編]
日本経済新聞出版 を読みました。
大学生向けですよね。
18歳からのキャリアデザインですからね。
一応、すでに20数年もの長い期間、
キャリアの世界で生きてきた私のような人間は、
この手の本から学ぶことは
それほど多くはないのが普通です。
しかし本書を読もうと思ったのは、
2025年6月とわりと新しい本であったこと、
そして日本経済新聞社が関わっていること、
この二点をきっかけに購入しました。
一度、自分の知識や経験をまっさらにして
ゼロから学ぶつもりで読み始めたのでした。
目次
特別講義1
AI時代を生き抜く「リベラルアーツ」を学ぶ
第1章 大学生活を始めるために
講義2 キャンパス新生活の心構え
講義3 新聞記事に学ぶ伝わる文章のコツ
講義4 情報収集に強くなるコツ
講義5 資産づくりのコツ、節約から始めよう
第2章 自分の進路を考えるために
講義6 世界はニュースに満ちている
講義7 豊かさって何だろう?
講義8 お金とつき合う長い人生
講義9 多様性社会を生きる
第3章 働くことをイメージするために
講義10 仕事の魅力を知る
講義11 会社で働くこととは
講義12 消費をつかむ
第4章 自分の未来をつくるために
講義13 大学でまなぶとは
講義14 夢を忘れない
特別講義15 人生を拓く
感想
本書は大学生になったばかりの方向けですから、
正直、物足りなさはあります。
また立教大学という大学側や
日本経済新聞社というメディア側からの
「導き」のようなバイアスも感じました。
しかし、だから駄作かと言いますと、
意外とそんなことはなかったという感想です。
むしろ本書にあるのは、
社会人としての「基本」であり、
「基礎」でもあり、
「原理・原則」と言っても良さそうです。
私はもう社会人になってから
35年近くが経つ立派なおじさんですが、
そんな人間から見ても
とても良い振り返りになりました。
私の娘は高校三年生ですので、
来年には大学に入る予定です。
娘に対して
語る言葉が持てたと言いますか、
こういう観点で考えてごらんという
アドバイスができるようになった気がします。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。
私たちの大学の課題とは、
まさしくこのような意味において、
<危険な場>となることです。
批判すること、批判されることを恐れず、
真理とは何かにこだわり続けること、
自己の存在を知り、
他者の存在に気づき、
人間を学び、世界を読み解くこと。
いわゆる「常識」「定説」を疑うこと。
「権威」を問い、相対化させることです。
(P.26)
我が国では、政治が学問に口を出し、
権力者が真実から遠ざかってでも
私利私欲を満たそうとしています。
民主主義が、資本主義に乗っ取られて、
危機的な状況に陥っているとも言えそうです。
人間を学ぶ、
社会の仕組み・構図・構造を知る。
この命題よりも正しいものなど
人間界には存在してはいけないと思います。
旅の原点は高校生のときに遡ります。
なんと、移民船に乗って、
一人で米国に旅立ったというのです。
約2か月間の一人旅が終わるころ
「ぼくは自分自身に乾杯をした。
心の筋肉というものがもしあるならば、
そんなものをふつふつと身体に感じていた」
と記しています。
人生とはあなた自身が判断し、
歩んでいくものなのです。
自分の将来の可能性を広げていくには、
新しい知識を吸収したり、
経験を積んだりすることが大事になってきます。
そんなときには
先輩や友人の助言がヒントになります。
自ら歩んでみたい道を描きながら、
一つずつ答えを出していきましょう。
(P.46)
これは写真家の星野道夫さんの生き様から
キャリアや人生につなげている文章です。
述べていることは、
まあその通りだよねということですが、
つまりこれが「基本」とも言えるでしょうか。
新しい知識を習得したり、
さまざまな経験値を身につけることで
少しずつ人生を豊かなものにしていく。
その過程では、
心の筋肉を鍛えるような挑戦も必要ですし、
先輩や友人からのアドバイスにも
しっかり耳を傾ける必要がありますね。
日本でも指標を使って
幸福度を高めようという活動が
確実に広がっています。
合わせて「ウェルビーイング」に対する
関心も深まっています。
日本政府も2021年に
「一人ひとりが多様な幸せ(ウェルビーイング)を
実現できる社会を目指す」といった目標を掲げました。
ところが、日本の幸福度は依然として、
高まらないのが実情なのです。
日本の幸福度は、先進国の中で最低水準にあります。
「世界幸福度ランキング」でも、
なかなか上位にはいけません。
(P.132)
この要因は簡単です。
私たちの社会は、
安定した暮らしを目指し、
成功を目指し、勝利を目指し、
裕福を目指し、出世を目指すように
すでにできあがっているのであって、
そこに「幸福を目指す」がないのですよね。
やはり何ごとも「目的」が大事です。
我が国の社会は「幸福」を目指すようになれば、
もっと選択肢が生まれて、
今までの常識が変わっていくと思います。
何のために生きるのか?
それは「幸せ」になるためです。
実現するためには……と個々が考えて、
それを後押しできるようになったら
自ずと幸福度ランキングは上がるでしょう。
今は、サラリーマンや公務員として
安定的に生きる発想が
あまりにも強すぎるのだと思います。
カテゴライズがなされるや、
個人はその人自身の個性や特性で見られなくなり、
カテゴライズされた
集団のイメージを投影されがちです。
(中略)
属性で人を枠にはめ、
管理・監督するのは
集団を統率するのに便利でもあります。
投影されるイメージが
その人の望む姿と重なるならば問題はありません。
でも、そうでなければ周囲からの決め付けは
当人にとって窮屈でしかありません。
(P.160)
日本人はカテゴライズが好きですし、
いつの間にか絡めとられている気もします。
そして今を生きる若者たちは
このカテゴライズに苦しんでいることでしょう。
少なくとも私たち一人ひとりが
自分勝手なカテゴライズをせずに、
「自由」を他者に与えることこそが、
自分を自由にするとも言えるでしょうか。
「やりたいことは
知っていることの中からしか
生まれない」のです。
知っていることが少ないと、
どうしても「やりたい!」も
少なくなってしまいます。
(P.183)
そりゃそうです。
知らなければ、
やりたいとは思えません。
でもこれ、キャリアや人生においては
とても重要な真理ですよね。
まずは知る。
すべてはここからです。
学修における能動的学びの要素として
重要なことのひとつは、
「当たり前を疑う」
「自分の常識や世間の常識を疑う」
ということです。
(P.241)
本来こうあるべきなのに、
テストで高得点を取るために
当たり前を覚えることばかり強制されて、
社会人になってからも
職場の常識を押し付けられる。
これでは自分の常識を疑うことを忘れて、
私利私欲ばかりが強い人間になってしまいますね。
誠に残念ですが…。
今改めて思うことは、
小学校以降で
自分が面白いなと思って取り組んだことは、
ひとつひとつが種まきのようなものだということです。
小さい頃に花開かず辞めてしまったとしても、
種は蒔いたわけです。
育ち方はまちまちでも
どこかで思わぬ急成長や
繋がりに結びつくことがあるのです。
(P.255)
本当にこれですよね。
だからこそ、何もしないことに
必死に理屈をつけて、
逃げまくる人が残念で仕方ありません。
コスパだとかタイパだとか
偉そうなことを言いながら、
自分の未来の可能性を狭めてしまう思考が
もったいなくてしょうがありません。
人生は長いです。
やっておけば、いつか何かの役に立つものです。
評価
おすすめ度は ★★★★☆ といたします。
思っていたよりも
キャリア本ではありませんでした。
その点は少し残念ですが、
大学生の頃に立ち戻って、
いろんなことを考えさせられました。
おそらくそこには基本基礎があり、
それを学び直すには本書は最適です。
意外と楽しく勉強できました。
それでは、また…。
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