ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

いくつになっても

見聞は広げていかねばなりませんよね。

 

世の中には

自分の知らない世界がたくさんあるし、

時代は常に移り変わり

今までの常識があっという間に変わります。

 

勉強を止めてしまうと

いつの間にか裸の大将になってしまい

実に恥ずかしいお山の大将になりかねません。

 

できるだけ自分の知らない世界を学ぶために

興味のある人からはしっかり学んでいきたいものです。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう 』

語り オードリー・タン 執筆 近藤 弥生子

SB新書 を読みました。

 

台湾のコロナ対策を成功させたことで

世界中でも有名になったオードリー・タンさん。

 

常に自分の活動をオープンにしていることから

著書はほとんどないらしいです。

 

そんなオードリー・タンさんの本を見つけて

即、購入いたしました。

 

内容は未確認のまま

とにかくオードリー・タンさんには

学ぶところが多いだろうと考えて

興味津々で読み始めたのでした。

 

目次

はじめに - 日本の皆さんへ

 

第1章 デジタルで世界はどう変わっていくか

 デジタルの未来 ー 人と人とのつながりを変える

 デジタルは社会をどう変えるか

 デジタルが分断を加速させる

 

第2章 これからの「社会」の形を考える

 ー「ソーシャルイノベーション」を通じて、皆が参加できる社会へ

 「ソーシャルイノベーション」とは何か

 「ソーシャルイノベーション」で世界になかった概念を生み出す

 「ソーシャルイノベーション」を支える在り方、コミュニケーション

 携帯電話があれば誰でも社会に参加できる

 誰も取り残さない社会を創る

 

第3章 世界と私たちの未来

 世界が連帯して未来を創る時代

 <GDP>も大事、でもその他も大事

 インクルーシブな社会に必須の「オープンガバメント」

 

第4章 これからの未来を創る皆さんへ

 

感想

まあ新書ですし、

オードリー・タンの活動を

近藤弥生子さんという方が執筆したらしいので

どこまで本質に迫れるのか?と

若干不安はありましたけど

それなりの内容に仕上がっているようです。

 

とにかくオードリー・タンの考え方が素晴らしい。

 

正直、台湾という国が羨ましくなりましたし、

オードリー・タンのような政治家が

この日本には出てこないものか?と

とても寂しく思いましたね。

 

ちょうどこのブログを書いている時期は

自民党の裏金問題が世間を賑わせています。

 

オードリー・タンと比較すると

顔を覆いたくなります。

 

いや、おそらくオードリー・タンレベルの人は

我々の日本には

少なくないくらいに存在するはずなんです。

 

でもそういう有能な人が

活躍できない仕組みがあり、

出世できないシステムがあり、

排除する悲しき構造ができ上っているように思えます。

 

そろそろお代官様と越後屋のような

癒着や、賄賂や、忖度のない

政治を作って欲しいものです。

 

本書にはそのヒントであるとか

その原点となるべき考え方が散りばめられています。

 

別に政治だけではなく、

会社、学校などの組織においても

参考になる点は非常に多いと感じます。

 

日本のように1億人を超す人口がある国と

台湾のような小国では

比較できない、しにくいところは少なくないでしょうけど

それにしてもオードリー・タンの考え方から

学ぶべき点はあまりにも多いのではないかと思いました

 

それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介いたします。

 

私自身も、自分はメディアであり

プラットフォームであることを意識して

仕事をしています。

(P.26)

 

う~ん、そうか。

SNS時代というのは

自分がメディアであると考えて

プラットフォームとして機能しようとすれば

仕事の質も上がるんだな。

 

私もブログやSNSを数多くしているだけに

メディア、プラットフォームと捉えてみて

今後の活動に活かしたいと思いました。

 

つまり、オープンにすることで、

公務員側が何度も重複して回答する時間と労力を

節約できるようになっただけでなく、

クリエイティビティのある人を

制限するものがなくなったということですね。

これは日本の皆さんにも

参考にしていただけるのではないでしょうか。

(P.49)

 

黒塗り資料を平気で出してしまう官僚や

説明責任を果たさない政治家たちよ。

 

そういうことをしているから

いつまで経っても逆に苦労するんだぞ。

 

社会を自分たちの意のままにしようとしても

そりゃ無理ってものなんだ。

 

オープンにしないと

クリエイティブな人が出てこずに

社会が発展しないんだよ。

 

だから日本経済は

こんなになってしまったんじゃないか?

 

どのようなコミュニティに所属しているかということは、

すなわちその人の独自性だということができます。

つまり、”他の人とは違う”という意味ではなく、

あなた自身が選んだ

”異なる「同温層」の組み合わせを持っている”という意味において、

あなたは唯一無二の存在なのです。

(P.64)

 

日本人で自分は唯一無二だと確信している人は

ちょっと変わり者の人かもしれません。

 

でも本当は誰しもが唯一無二であり、

それは「同温層」の組み合わせであることを

わたしたちはもっと認識したほうがいいかもしれません。

 

この時に重要なのは、

価値観の共有だけではなく、

事実を共有することです。

(P.116)

 

事実の共有。

 

この言葉にグッときたのですが、

事実自体が人によって異なり、

受け止め方によって異なり、

本当の意味での事実の共有ができていない。

 

だからこそ

スピーディーな改革ができないのでしょうね。

 

まず駆動するべきはデータであり、

データによって私たちが駆動されてはならないのです。

(P.137)

 

データといかに向き合うか。

データをどう読むか。

 

あくまでも主語は私たち人間であるべきなのに

データが独り歩きしてしまって

データを盲信し過ぎて

私たち人間を不幸にしているようなシーンは

社会のあちこちにあるようにも感じます。

 

そのために私たちができる大切なことは、

「できるだけ取り返しのつかない変化を

 起こさないようにすること」です。

後世の人々が「何かを変えたい」と思った時に、

私たちによって制限されずに済みますからね。

(中略)

パーフェクトとは

あなたにとってのパーフェクトであって、

それが後世の人々にとって

必ずしもパーフェクトであるとは限りませんから、

後世の選択の自由を剥奪しないように

気をつけたいものです。

(P.182)

 

後世のために。

そんなことを考えている人が

現代社会にどれだけいるでしょうか?

 

もちろん私自身も反省すべきところが多いのですが

今だけカネだけ自分だけという言葉があるように

後世のために

本気で活動している人は

あんまり多くはないでしょうね。

 

それが結果的には

自分の首を自分で絞めているのかもしれません。

 

シンプルに申し上げるなら、

”自分を大切にすることは、

他の人を大切にするための一種の練習だ”ということです。

(P.210)

 

自分も大事。

他人も大事。

 

自分も他人も大切にしないと

どっちつかずになるのではないでしょうか。

 

今の世の中で自分を犠牲にし過ぎては

命にかかわるようにも思います。

 

自分も他人も大切にしましょう。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

実に面白い本でしたが

おそらくオードリー・タンの考えていること

またその活動のごく一部しか

書かれていないように思えました。

 

いずれオードリー・タンのような人は

伝記のような分厚い本が書かれるかもしれませんので

その時には是非とも読みたいと思います。

 

いや、それもないかな。

ネットで日々発信しているようですし、

それを見ればいいのでしょう。

 

しかし台湾にできて

なぜ日本ではできないか?

 

ここを追求しないと

我が国は本当に先進国から

滑り落ちてしまうのではないでしょうか。

 

すでに先進国とは言えないかもしれませんが。

 

それでは、また…

 

 

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