おはようございます。
医師が本業に専念できるように、
転職や開業をオーダーメードでフルサポートする
ジーネット株式会社の小野勝広です。
「こんな日本でよかったね 構造主義的日本論」
内田 樹 文春文庫 を読みました。
いや～まいりますね…。
内田樹さんの本はホントに面白くて、
しかも学びが満載で、
どこをどう切り取っても、
知的好奇心が湧き出てきてたまりません…。
私などは完全に内田ワールドに嵌ってしまって
当ブログでもすでに何冊もご紹介をしておりますが、
少しでも興味を持って下さって
手に取ってくれる方が増えるといいなあと
素直に思います。
内田さんの書く本には、
人生を生き抜くためのヒントが
数多くありますし、
何と言っても
自分の頭の中で整理しきれない諸問題を
スパッとわかりやすく切ってくれて
なるほど、そう考えればいいのか…と教えてくれるから
定期的に読まねばならなくなってしまうのです。
って私だけ…かな？(笑)。
さて、今回も大変に勉強になりましたよ。
本書は内田さんのブログから
担当編集者が
「教育、家族、国家」というトピックで
選んで編纂したようです。
教育にしても、家族にしても、国家にしても、
人が生きていく上で大前提となるような、
社会的にも、個人的にも、
とても大事なものですよね。
しかし、昨今の日本では
ないがしろになりつつあるものですし、
どう考えるべきか？という観点は
知っておくべきではないでしょうか？
また「教育、家族、国家」について
書かれた内容は数あれど、
その中から「構造主義的な切り口」で書かれたものを
ピックアップしたそうです。
構造主義なんて言うと難しく感じてしまいますが、
ひと言で言うなら、「構え」との事。
どんなスタンスでいれば良いのか？を
知的かつ習慣的に
身に付けるとでも言えばいいのでしょうか。
まあ本書を読めば
私などの下手な解説よりも
一目瞭然です。
ここで目次をご紹介いたします。
第１章 制度の起源に向かって
－言語、親族、儀礼、贈与
第２章 ニッポン精神分析
－平和と安全の国ゆえの精神料理
第３章 生き延びる力
－コミュニケーションの感度
第４章 日本辺境論
－これが日本の生きる道
おススメ度は ★★★★☆ と致します。
私の心情的には五つ星なのですが、
内田さんの本は全部五つ星になるのも
冷静さがないかと思うので、
無理に四つ星にしました(笑)。
こんな日本でよかったね…。
逆説的な意味も込めてのタイトルなのでしょうが、
本書が発行されたのが2009年9月。
当然ブログはその前に書かれており、
時は小泉、竹中の構造改革万歳、
やれ古いものはぶっ壊せ、変革だ、改革だと
私たちが良くも悪くも熱狂していた頃。
その時に内田さんは、
そんな無理に変えなくてもいいんじゃない？
変えるべきかどうかもっとじっくり考えてみようよ、
この国には太古の昔から伝わる
良き伝統や文化もあるよ…ということを
述べておられます。
今となれば正論に思えますし、
納得できますが、
あの時代にこういった提言をするのは
相当の勇気と、
裏付けのある知見がないとできません。
ホントにすごい方です。
成熟というのは簡単に言えば
「自分がその問題の解き方を
習っていない問題を解く能力」
を身に付けることである。
成人の条件というのは
「どうふるまってよいかわからないときに、
どうふるまうかを知っている」
ということである。
どうお感じになられますか？
私などは周囲に合わせる矮小な自分自身や
誤魔化す為に感情的になったり、
逆に黙りこくったり、
そんな自分を見透かされているようで
恥ずかしく思うとともに、
そうか、そういう事だったのか…という
気付きにもなりました。
こんな宝のような言葉が
満載なのが本書です。
ご関心が持てたら
どうぞお手に取ってみて下さい。
それでは、また…。
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