ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

寝ながら学べる構造主義

 

おはようございます。

 

医師が本業に専念できるように、

転職や開業をオーダーメードでフルサポートする

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

『寝ながら学べる構造主義

内田 樹 文春新書 を読みました。

 

医師転職構造

 

最初に申し上げますが、

本書のおススメ度は ★★★★★ ×2 です。

いや×5でも、×10でも、×∞でも結構です。

 

私は恥ずかしながら、

ようやく構造主義というものを

理解する事ができましたし、

少し真っ当な大人になれたようにも感じます。

 

物事をどう考えたらいいのか?

それはなぜなのか?

私たちの社会はどのようにしてできたのか?

社会の中において私たち人間はどうあるべきか?

人間はどのような経緯を経て今に至るのか?

 

そういう根本的な事について、

頭の中でモヤモヤしていたものが

一気にクリアになった気分です。

 

構造主義って何ぞや?

ポスト構造主義現代社会で何を考えるべきか?

 

マルクスサルトルカミュヘーゲル

フロイトニーチェソシュールフーコー

バルト、レヴィ・ストロースラカンといった偉人達が

どんな歴史的背景で、

どのような社会的な意義があり、

どういう思想を元にして、

何を考えていたのか、

そしてなぜ現代まで語り継がれているのか、

こういった事が手に取るようにわかります。

 

ホントさすが内田樹さんですよ!

これ以上にわかりやすく上記のような事を書くのは

不可能ではないかと思う程です。

 

そもそも構造主義の入門書を書きたいと

前々から考えていたそうです。

 

内田さんにとっての入門書とは、

知っている事を積み上げていくのではなく、

私たちが知らないことから出発するのだそうです。

 

そして専門家が言いそうもない事を

拾い集めながら進むという

不思議な行程を辿り、

根源的な問いに出会う確率が高いのだそうです。

 

はい、本書はまさしく…。

『知性がみずからに課すいちばん大切な仕事は、

 実は、答えを出すことではなく、

 重要な問いの下にアンダーラインを引くことなのです』

こうもおっしゃっています。

 

はい、本書の大事な所に

蛍光ペンで色を塗ったら、

かなりの部分が塗られるでしょうし、

真っ黄色になりそうです。

 

『知的探求は(それが本質的なものであろうとするならば)、

 つねに「私は何を知っているか」ではなく、

 「私は何を知らないか」を起点に開始されます。

 そして、その「答えられない問い」、

 時間とは何か、死とは何か、性とは何か、共同体とは何か、

 貨幣とは何か、記号とは何か、交換とは何か、欲望とは何か、

 …といった一連の問いこそ、

 私たちすべてにひとしく分かち合われた

 根源的に人間的な問いなのです。

 

 入門書が提供しうる最良の知的サービスとは、

 「答えることのできない問い」、

 「一般解のない問い」を示し、

 それを読者1人1人が、自分自身の問題として、

 みずからの身に引き受け、

 ゆっくりと噛みしめることができるように

 差し出すことだと思っています。』

 

こんな思いを持って書かれた本書です。

 

しかも『「分かりやすい」というのは

 決して「簡単」という意味ではありません。

 

「分かりやすい」と

「簡単」は似ているようで違います。

 

 どちらかというと、

 私はむしろ「話を複雑にする」ことによって、

 「話を早く進める」という戦術を採用しています。』

ともおっしゃっています。

 

しかし…

構造主義という思想がどれほど難解とはいえ、

 それを構築した思想家たちだって、

 「人間はどういうふうにものを考え、感じ、行動するのか」

 という問いに答えようとしていることに変わりはありません。

 ただ、その問いへの踏み込み方が、

 常人より強く、深い、というだけのことです。

 

 ですから、じっくりと耳を傾ければ、

 「ああ、なるほどなるほど。

 そういうことって確かにあるよね」と得心がいくはずなのです。』

ともおっしゃってます。

 

挙句の果てには、

レヴィ・ストロースは要するに

 「みんな仲良くしようね」と言っており、

 バルトは「言葉遣いで人は決まる』と言っており、

 ラカンは「大人になれよ」と言っており、

 フーコーは「私は馬鹿が嫌いだ」と言っているのでした。』

とまでまとめてしまいます(笑)。

 

あ、ちなみに上記に書いたのは、

まえがきとあとがきから引用しています。

本文からは一切引用しておりません。

 

つまり「まえがき」、

「あとがき」だけでも

この読み応えです。

 

ここまでお読みになってきて、

少しでも関心を持ったあなた!

はい、すぐにポチっとして下さい。

 

絶対に損はさせません。

 

あまり関心を持てなかった方は、

いつか関心を持つ時が来ると思います。

その時にああ、そう言えば…と

本書を思い出して下さい。

 

ちなみに目次をご紹介しますと、

 

第1章 先人はこうして「地ならし」した ー構造主義前史

 

第2章 始祖登場    ーソシュールと『一般言語学講義』

 

第3章 「四銃士」活躍す その1

    ーフーコーと系譜学的思考

 

第4章 「四銃士」活躍す その2

    ―バルトと「零度の記号」

 

第5章 「四銃士」活躍す その3

    ―レヴィ=ストロースと終わりなき贈与

 

第6章 「四銃士」活躍す その4

    ―ラカンと分析的対話

 

実はですね、

本書は随分前から気になっていたのですが、

なかなか出会えなかったんです。

 

いつも私の本棚のまだ読んでない列には、

内田さんの本が何冊も用意されており、

他にも数十冊出番を待っているような状況ですから、

少しのんびりと構えておったのですが、

先日ご紹介したソクラテスよ、哲学は悪妻に訊けを読んで、

なぜか急に本書を読みたくなって、

図書館で予約して

借りてきて読み始めたのです。

 

しかし…

30ページほど読んで

速攻でWEBで購入しました。

これは永久保存版だ!と悟ったのです。

 

この本が手元にないなんて考えられない…と

そう思ったんですね。

 

本書を読めば、

人間がわかります。

 

思想史が理解でき、

どんな考え方を

身に付けるべきかがわかります。

 

超絶おススメの1冊です。

 

それでは、また…。

 

 

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