ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

厚生労働省 改造論

 

おはようございます。

 

医師が本業に専念できるように、

転職や開業をオーダーメードでフルサポートする

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

本日のブログのタイトルは、

厚生労働省 改造論」といたしました。

 

医師キャリア改造

 

本書の紹介

厚生労働省…解体論…。

ほっほ~、こりゃ面白そうと思って

しばらく前に即買いして

保管しておりました。

 

正直、タイトルを見て即買いだったので、

著者がどんな人なのかすらよく知らずに買ってしまい、

実際に読み始めて元厚生労働副大臣と知り、

ん?政治家が書いたのか…。

 

こりゃ期待できないかな?と思ったのですが、

意外と読み応えがある部分あり、

やっぱり政治家本ならではの

自画自賛と所属政党の政策論あり…という

良くも悪くも期待通りの内容でした。

 

目次

第1章 厚生労働省はブラック官庁か

第2章 ニッポンの社会保障が危ない

第3章 東北からニッポンの未来を考える

第4章 「健康寿命」をいかに延ばすか

第5章 二一世紀の社会保障の未来像

 

本書の感想

第1章は非常に読み応えがありました。

昨今の流行りなのでしょうか?

何でもかんでもブラックと付けてしまうのは…。

 

その点は差し引いても、

厚生労働副大臣を務めた方だからこその鋭い視点や

内部事情を客観的に見てこその解体論に関しては

なるほど…と素直に思いながら興味深く読めました。

 

実際に著者の指摘する通り、

厚生労働省の予算、

そして担当範囲はあまりにも大きくて広く、

これを1つの省庁として運営するのは

想像以上に大変であろうし、

だからこその無理がたたっての不祥事であったり

政策ミスなのかもしれないな…と

しみじみ思いました。

 

第2章、第4章、第5章については、

非常にわかりやすく書かれていますし、

社会保障の問題は、医療も、介護も、年金も、

難題が山積みであるのは

多くの人が承知の上だと思いますし、

その問題提起と著者ならではの解決策の提案は

それなりに納得できるものではあるのですが、

やはり一般の方向けに書かれている内容であり、

おそらく医療関係者が読むと

ちょっと物足りないのではないか?と感じました。

 

まあ私ですら若干物足りなかったですから(苦笑)

 

第3章は著者が宮城県生まれで、

宮城県議会議員を3期10年勤めていた方なので

思い入れたっぷりで書かれておるのですが、

厚労省云々の話しから脱線している感もあり

私は少し残念に感じました。

 

とは言え総じて難しい問題を

わかりやすく解説してあり、

厚生労働省や医療、介護、年金などについて

初心者で学ぶのであれば良い本だと思います。

 

基礎的な知識は充分に持っていて

さらに深掘りして学ぼうという方には

ちょっと物足りないでしょう…と思うだけです。

 

おススメ度

本書のおススメ度ですが、

★★★☆☆ と3つ星とさせて頂きます。

 

省庁再編により、

旧厚生省と旧労働省

合併してできた厚生労働省

 

著者の指摘する通り、

あまりにも巨大な予算と職掌範囲を持ち、

内部は相当に

混乱しているのではないかと思います。

 

その結果が私たち国民にとって

大事な医療、介護、年金に

しわ寄せが行っているとしたら

早期の改革が必要ですよね…。

 

著者は旧労働省の担当範囲は

経済産業省に移管すべきではないか?との考えですが、

これも一理あるのではないかと思います。

 

実際に諸外国では

そういった括りが多いそうですし…。

 

きっと打つべき手はいろいろあるのでしょうが、

何らかの改革を進めないと

厚労省自体がパンクしてしまうのでは?

 

せっかくの優秀な役人たちの

ポテンシャルが活きないのではないか?

そんな事を考えさせられました。

 

それでは、また…。

 

 

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