ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い

 

おはようございます。

 

医師を中長期的にキャリア支援するから

転職、開業、経営を総合的にコンサルティングする

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

なぜか当ブログでは書評が受けています(苦笑)。

先日はある先生に、

小野さんの読む本って

自分と趣味が近いんだよね~と言われました。

 

あくまでも医師のキャリアについて、

転職、開業を中心に書くブログですが…

今後も人気コーナーのひとつとして

書評も続けてまいります。

 

本日のブログのタイトルは、

 観応の擾乱といたしました。

 

医師紹介会社ブログ

 

本書をピックアップした理由

観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い 』

亀田 俊和 中公新書 を読みました。

 

太平記を読んだ事のある方は少なくないと思います。

 

鎌倉幕府の執権である北条高塒が悪政を続け、

後醍醐天皇楠木正成をはじめ

全国の武将に討幕の倫司を出し、

呼応した足利尊氏新田義貞などとともに

鎌倉幕府を滅亡させるのが第一幕。

 

その後、朝廷が武士への恩賞をないがしろにした事により、

足利尊氏が挙兵。

楠木正成新田義貞らを打ち破り、

室町幕府ができたのが第二幕。

 

だいたい日本史としては、

室町幕府から戦国時代に飛んでしまい、

信長だ!秀吉だ!家康だ!となるんですね。

 

相当の歴史好きでないと

室町時代を語れないのではないでしょうか?

 

しかも本書が取り上げた観応の擾乱は、

とんでもなく事件が立て続けに起こり

実は非常に面白い激動の時代なのですが、

どちらかと言えばマイナーな取り扱いなんですよね。

 

かく言う私も別に詳しい訳ではなかったのですが、

NHK歴史秘話ヒストリア

たまたま観応の擾乱を取り上げていたのを見て、

こ・これは面白そうだと思い、

番組の中で紹介していた本書を購入して

読み始めたのでした。

 

目次

第1章 初期室町幕府の体制

第2章 観応の擾乱への道

第3章 観応の擾乱第一幕

第4章 束の間の平和

第5章 観応の擾乱第二幕

第6章 新体制の胎動

終章 観応の擾乱とは何だったのか?

 

感想

いやいやメッチャ面白かったです。

多少でも歴史好きの方であれば

超絶、楽しめて、学べると思います。

 

主人公は、足利尊氏、弟の足利直義、執事の高師直

この三者の仲違いが発端なのですが、

そこからの展開があまりにも凄まじい…。

 

足利直冬足利義詮、高師奏など

一族あげての戦いとなり、

まさに昨日の敵は今日の友…。

次から次へと敵味方が入り乱れます。

 

そこに佐々木道誉などの著名な武将が絡んできて、

後の戦国武将の祖である細川氏、山名氏、上杉氏、

畠山氏、六角氏、石塔氏、大友氏などが

それぞれの陣営に付き、

朝廷も南朝北朝と分かれた時代背景もあって、

正直もうスッチャカメッチャカです(苦笑)。

 

誰が誰だかよくわからなくなりつつも、

本書は上手く整理されていて

わからないなりにも読みやすいのです。

 

これ、著者は相当に時間を掛けたと思われます。

きっと何度も何度も書き直し、

文献を紐解きながら

これでもない、ああでもないと

苦心の末に辿り着いたのではないでしょうか?

 

ハッキリと力作である事が伝わってきますし、

その苦労が報われるほどの名作に仕上がっていると思います。

 

観応の擾乱にフォーカスを当てたのもスゴイですが、

もともと著者は室町時代の研究をされているようで

過去にも南北朝足利直義高師直についても書かれています。

 

よって室町時代に関する知識がハンパねえ(笑)。

読み進めるのが大変ではありましたが、

とんでもなく面白い本でした。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

本書は歴史好きが読んだらたまらないと思います。

寝る時間が削られる事、間違いなしです。

 

可能であれば太平記をパラパラと振り返った後に

本書を読み始めると最高に楽しめます。

 

徳川の江戸幕府でも、

大阪冬の陣、夏の陣など

幕府の草創期には混乱がありました。

 

室町幕府も産みの苦しみと言いますか、

とんでもない苦労の末に生まれた事を知りました。

 

各武将の人間模様として読むのも面白いですし、

そこには握手して、裏切って、また握手して…と

関係性がコロコロ変わります。

しかも兄弟だろうが、同じ一族だろうが…です。

 

人を知る、社会の仕組みを知るという事を

学びのテーマに掲げている私としては、

本書はとてつもなく勉強になりました。

 

人間ってきれいごとだけじゃないですし、

社会の仕組みも安定する為には

相当の試行錯誤がある事をまざまざと知りました。

 

歴史好きの方には超絶おススメです。

 

それでは、また…。

 

 

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