おはようございます。
医師の転職、開業の情報提供をしている
医師転職相談センターの運営企業、
ジーネット株式会社の小野勝広です。
「外科医 須磨久善」
海堂 尊 講談社文庫 を読みました。
さて、そろそろ海堂作品を読みますか!と思い、
いつも通りに医療小説を読もうと思っていたんですね。
まあ事前に少し調べろよっ、てものなんですが、
この作品は小説ではなく、
ドキュメンタリーです。
知らずに読み始めて、
しばらく読んで…
あれ?と気付いた私が悪いのですが、
な~んだ小説じゃないんだと
少々がっかりしながら読み始めたのは事実…。
し、しかし、そんなガッカリ感も
あっと言う間に消え去りました。
須磨久善…。
心臓外科医としては物凄く有名ですし、
私はお会いした事はありませんが、
様々な場面でお名前を伺ったのも確かです。
その須磨先生の半生を海堂尊さんが書く…。
そりゃ面白くなるに決まってます。
この本を通じて、
須磨先生がどのような道を辿って
超一流の心臓外科医になりえたのかという事が
非常によくわかります。
誰も通っていない道を歩む開拓者。
医師としてだけでなく、
現状に満足する事なく理想を追求し、
新たな世界を切り開く
須磨先生の生き方に感動します。
一流とはどういう人か?という問いに、
「一流になるためには、
地獄を知り、
その上で地獄を忘れなければならない。」
という答えを言えることの凄さ。
「本物の外科医は背中で語る。」
という言葉の裏にある
凄まじいまでの経験値。
別に医療に関心のない方でも、
須磨久善という1人の人間の生き方からは
学ぶ所が多いのではないかと感じました。
逆に医療従事者が読むと、
ある部分ではとてつもない共感、
そしてある部分では
ちょっとした違和感を持ったり、
意見をしたくなる箇所も
あるのではないかと思います。
しかし、共感の部分にこそ
大事な要素があって、
そこを見失わなければ
きっと成功のチャンスは
いずれ来るのではないかとも思いました。
いやはや医療の勉強どころか、
人生の良い勉強をさせて頂きました。
最後に目次をご紹介します。
第一部 心臓外科医 須磨久善の旅
1章 未来への扉を開く-公開手術
1992年1月 ベルギー・ブリュッセル 41歳
2章 学会への熱風-米国留学
1984年1月 ソルトレイクシティ 33歳
3章 回り道か抜け道か-外科研修と胃大網動脈バイパス手術
1986年3月 36歳
4章 ニューライフラインの発見-AHA(米国心臓協会)
1988年3月 38歳
5章 外科医になろう-少年時代から医学生時代
6章 ローマへの道-ローマ・ジュメリ総合病院
1994年 44歳
7章 バチスタ手術-湘南鎌倉総合病院
1996年 46歳
8章 スマ手術への進化-バチスタ手術の完成形
1997年 47歳
9章 医療の宝石を手に入れる-葉山ハートセンター
2000年 50歳
10章 須磨久善はどこに行くのか-心臓血管研究所へ
2008年 58歳
第2部 解題 バラードを歌うように
2008年7月
となっています。
お奨め度は ★★★★☆ と致します。
湘南鎌倉総合病院は、
現在世間を騒がせている徳洲会系の病院です。
徳洲会は、今回の件では
明らかな問題があったと思いますし、
他でも良くない話しを伺う事もありますが、
須磨医師を全面バックアップした
功労者とも言えますし、
僻地や離島の医療を支えてきたのも
事実なんですよね。
実に評価が難しい法人だと思います。
それでは、また…。
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