おはようございます。
医師の転職、開業の情報提供をしている
医師転職相談センターの運営企業、
ジーネット株式会社の小野勝広です。
「医療格差」
川田 龍平 角川SSC新書 を読みました。
生後6か月で血友病と診断され、
薬害エイズ事件の国と製薬会社の責任を問う
東京HIV訴訟の原告に加わった著者の川田氏。
その後、参議院選挙に無所属で立候補し当選。
2009年にはみんなの党に入党し、
国会議員としても日夜奮闘されています。
そんな川田氏の本ですが、
正直期待以上の内容でした。
まずは目次からご紹介します。
第1章 家族を看取るとき見えた日本医療の欠陥
第2章 いのちにとって薬とは何か
第3章 必要なワクチンVS必要ないワクチン
第4章 バリアフリーって言葉やめませんか?
第5章 かき消される医師たちの悲鳴
第6章 患者、被害者、そして医師。
誰もが「尊厳」を求めている
第7章 いのちが最優先される社会
となっています。
薬害被害者である事から、
そもそも医療に関心があったのでしょうが、
義父がお亡くなりになる際には、
「厚生労働大臣になれ」とも言われたそうで、
「子どもたちにいのちが大切にされる社会を残すこと」を
目標に議員活動されているようです。
とにかく川田氏のバランス感覚が良く、
おそらく本書は医療従事者が読んでも、
医療を否定する人が読んでも、
何らかの疾患を持つ患者や一般の方が読んでも、
国会議員が読んでも、
官僚が読んでも、
それなりな納得感を持つのではないかと思います。
・医療従事者と患者
・医療と司法
・医療現場と医療政策立案者
とかく医療は上記のような立場の違いが
大きく残念ながら乖離してしまう部分が
多いのではないかと私は考えているのですが、
川田氏の主張には
その乖離を溶かすような効果があるのではないかと
感じました。
特に共感できたのは、
・全国一律の指針では地方から崩壊する。
・本来同じ目的に向かって協力すべき立場の人
たちが対立させられている構図。
という2点です。
詳しくは本書を是非お手に取って頂きたいのですが、
ここを出発点にする事で
今までになかった正当な政策が
生まれるのではないかと期待してしまいます。
なんて政治の世界は
そんなに甘くないでしょうし
様々な利害が絡み合う
非常に複雑な世界ではあると思ってますが、
川田氏に対しては好感が持てましたし、
とても真っ当な道を
歩もうとしているのではないかと感じました。
まあ私のように単純な方ばかりではないでしょうし、
読む人が読めば突っ込みどころが
満載な内容なのかもしれませんが、
少なくとも読む価値はあるのではないかと思います。
お奨め度は ★★★★☆ と致します。
医療に少しでも関心のある方には
おススメです。
かなりわかりやすく、
難しい用語や内容もありませんので、
是非多くの方が目を通して頂ければと思います。
別に私は川田氏とは面識もありませんし
みんなの党を応援している訳でもありませんが、
純粋に日本の医療の未来を憂うものとして、
現実を多くの方に知って頂ければと思う次第です。
それでは、また…。
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