おはようございます。
医師、看護師の転職パートナー
ジーネット株式会社の小野勝広です。
「病院ビジネスの闇
~過剰医療、不正請求、生活保護制度の悪用」
NHK取材班 宝島社新書 を読みました。
さすがNHK…と言えるような
実に丹念な取材をした結果として
生まれた本ですね。
私は残念ながら
その元となる番組自体を見ていないのですが、
本書と出会っただけでも
ラッキーだなと思いました。
本書が発売されたのは2012年10月…。
取材はその前にされているでしょうから、
どう考えても3年から4年前、
もう少し前かもしれません。
ですが、問題提起自体は全く古びておらず、
ある意味では非常に残念ではあります。
生活保護受給者の医療費問題は
今でもそのまま継続されており、
解決には近づいていません。
そして受け入れる病院側でも
一部不必要な検査をしたり、
不要な手術をしたりといった問題も
そのまま存在してしまっているのでしょう。
また介護の問題に関しても同様ですし、
できる事ならこういった内容の本が
風化されてしまう社会であって欲しいですが、
何ら有効な手を打てていない現実に
愕然とする部分もあります。
医療従事者はそもそもホスピタリティを持ち、
倫理観の高い方が多いと私は思っていますが、
現実問題として経営が圧迫され、
不正に手を染めてしまう人が
存在するのは事実であります。
これを不正に手を染めてしまった
医療従事者の問題として見るか、
医療機関を経営難に追い込む施策を打つ
国家の問題として見るか、
それはその人の置かれた立場によって
異なるのかもしれませんが、
少なくとも多くの人達を巻き込んで
議論せねばならないと思いますし、
それをせずして解決への道は
見つからないのではないかと思ってます。
本書は非常に興味深い内容ですし、
きめ細かい取材の成果ではありますが、
ひとつだけ申し上げたいのは、
こういったケースばかりではないという事です。
影響力の大きさは
メディアの強みでもありますが、
それがそのまま大衆をミスリードしてしまう事は
多くあると思うんですね。
本書で取材した内容は
事実だとは思いますが
どこの病院でもこうだとか、
介護事業者なんて
どこも一緒だというようには
考えて欲しくありません。
志を持ち、美しい思いで、
社会に貢献しようとしている
医療者、介護者は多くいます。
そういった方々までもが
勘違いされてしまうのは
あまりにも残念です。
あくまでもごく一部の…というように捉えて、
本書をお読みになって頂きたいなと思います。
おススメ度は ★★★★☆ と致します。
医療に限らず、
どんな業界でも恥部はあると思います。
恥部から目を離さず、
それも現実として捉え、
その上で社会に必要な存在になっていく。
そうありたいものですね。
それでは、また…。
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