ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

心の教育 いまこそ求められている「あと半分の教育」

 

おはようございます。

 

医療現場で奮闘する医療従事者に

シェアハピネスの輪を広げる

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

受験の為の教育が優先される昨今ですが、

やはり人間力を高める教育を抜きにしては

教育を語ってはいけないと思うんですよね…。

 

エリートが社会を壊し、

エリートが私利私欲にまみれ、

エリートが害悪になりつつある今、

完全にエリートではなくなりつつあります。

(そうでない人も多いと信じたいですが…)

やはり人間教育を再考すべきと考えます。

 

本日のブログのタイトルは、

【 心の教育 いまこそ求められている「あと半分の教育」 】

といたしました。

 

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本書をピックアップした理由

『 心の教育 いまこそ求められている「あと半分の教育」 』

井深 大 サプライズBOOK を読みました。

 

井深大…。

言わずと知れたソニーの創業者。

 

晩年は教育活動に力を入れ、

ボーイスカウトにも携わっていた…くらいは

知っておりましたが、

いったい井深さんが何を考えて、

経営者だけでなく教育者であったのか。

 

私自身、子を持つ親として 

子供への教育には関心が高いですし、

社員教育なども含めてですが、

人間教育、人作りに関しては

ウンウン唸りながら悩ましく思っています。

 

少しでも参考になったらと考えて

本書を手にしたのでした。 

 

目次

1章 方向を忘れた日本の教育

   ーこのままでは、日本の子どもは不幸になるだけ

2章 教育の真の目的とは何か

   ー今こそ取りもどしたい「心の教育」

3章 人間をつくる教育を目指して

   ーもっともだいじな教育は、家庭教育にある

 

感想

正直、前半はちょっと退屈してしまいました。

井深さんの考えに反対するつもりはありませんが、

やはり現場の人ではない理想論だけなのか?と

感じてしまったのは事実です。

 

ただその理念自体は理解ができますし、

我々日本人が失ってしまったものでもありますからね。

 

2章、3章と読み進めていく中で

段々と面白くなってきて

最終的には読んでよかった…と思えました。

 

どんなところが良かったかについては

恒例の私がグッときた箇所のご紹介で

ご理解いただけるかと思います。 

 

父親とは、家庭の中にあって

社会のルールや制度を体現している存在です。

父親が子供のしつけに意を用いることによってはじめて、

その子どもは知らず知らずのうちに、

父親が大変している”社会”とか”制度”という

人間集団におけるルールを身につけていくのです。

(P.97)

 

わが国においても、

戦後の教育が進むべき道を示した教育基本法そのものが、

欧米流の合理主義的教育観に立脚していた以上、

同じ行き詰まりに立たされても、

なんら不思議ではありません。

多少効率がよく、

平均的な教育レベルが高いからといって

安心しているようでは、

アメリカの二の舞いを演じることになるのは

目に見えています。

何よりもそうした姿勢でいるかぎり、

今日見られるさまざまな教育問題の

真の解決は期待できません。

(P.121~122)

 

心を育てる教育がないがしろにされていること、

そしてこれからの時代は、

けっして画一的な知識や

能力を持った専門家を求めているのではないこと。

この2点に関しては、

教育の目的を考えるとき、

けっして見逃してはならないポイントだと

私は思っています。

(P.125)

 

ヨーロッパのほうは、

1日8時間以上働く自由も認めれば、

1日3時間しか働かない自由、

あるいは全然働かないで生きる自由をも認める。

(中略)

そういう、1人ひとりが生き方を選ぶ自由は、

わが国には全くない。

全体が1つの価値観の中で生きていて、

そこからはずれたものを非難する。

”思いやり”といういい方は私の好きないい方であるが、

違った生き方、物の考え方にたいする思いやりが

これほど乏しい国民は珍しいのではないか。

(P.130)

 

真の国際感覚とは、

その基盤となる日本人としての自覚の上に

形成されるものであるということです。

つまり”ナショナル”と”インターナショナル”という言葉は

けっして対立するものではなく、

真の”インターナショナル”は

”ナショナル”なものの見方、考え方が確立されて、

はじめて形成されるものなのです。

(P.139)

 

評価

 おススメ度は ★★★☆☆ といたします。

 

知育、体育、徳育

特に徳育が圧倒的に不足しているのでしょうね。

 

何でもコスパでしか判断できない風潮。

自分にとって得か?損か?

 

これでは大事なものに気づけないでしょう。

 

でもこの風潮を作り上げてきたのは

文部科学省であり、

我々大人たちとも言えますから、

反省すべきは我々自身なのだと思います。

 

井深さんの主張には

頷かされるところもありますけど、

ん?それはどうかな?と思うところもあります。

 

ただ「心の教育」に重点を置こうというのは

賛同できます。 

 

受験戦争に勝ち残った人がエリートになるのは

もう止めた方が良いと思います。

 

人間力、そして知性と教養、

その上での専門的知識、

このバランスが取れた人をエリートとするのが

社会にとって最善であるでしょう。

 

忖度するエリート。

高圧的なエリート。

いざとなるとフリーズするエリート。

 

こんな人ではなく、

本当に社会の役に立つ人をエリートとするには

やはり教育制度を改革するしかないのでしょうね。

 

このままではこの国は衰退してしまう。

そんな危機感を持っている人は少なくないと思われます。

 

なんて偉そうな事を言える分際では

私はないのですが、

経営者として大成功した井深さんが

危機感を感じて教育論を語る事自体が、

教育の専門家への挑戦でもあるのでしょうね。

 

そして軍配はどちらに上がるか?

あと3年もしたら明らかになるように思います。

 

それでは、また…。 

 

 

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