ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

日本の聖域

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

私にとって

書店でのんびりと本を選ぶ時間は

まさに至福と言えます。

 

新しい本を見ながら

最新トレンドやニューウェーブを確認したり、

好きな作家の未読の本をチェックしたり、

つい時間を忘れてしまい

ふと気づくと1時間や2時間が

あっという間に経ってしまうのですね。

 

最近はお恥ずかしながら

ブックオフさんに行くことが多いのですが、

それは最新刊だけでなく

古い本との出会いが貴重だからです。

 

真っ先に向かうのは

岩波文庫の100円コーナー(笑)。

掘り出し物と出会えるんだ、これが。

 

ピンポイントで買うならネットですし、

何かいい本はないかなと買うのは書店。

 

暇さえあれば本屋に行くので

未読の本が100冊以上あります。 

 

本屋で選び、

また自宅でも選ぶことになってます。 

 

そんな中で今回ご紹介する書籍は、

【 日本の聖域 】 です。

 

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本書をピックアップした理由

『 日本の聖域 』

「選択」編集部 編 新潮文庫 を読みました。

 

たまたまブックオフで見つけて

ずいぶん前に購入しておいた本です。

 

聖域、サンクチュアリねえ。

パラパラと目次を見てみると

なかなか興味深いテーマが並んでいます。

 

これは買いと即決し、

まあ100円コーナーだし(笑)

しばらく自宅の書棚で眠っていました。

 

今の政治や行政には疑問だらけ、

この人たちは何を守ろうとしているのか?

自分たちの存在価値を完全に見失っているのではないか?

あまりにも私利私欲に走り過ぎているのではないか?

国民の犠牲を当然と思っているんじゃないか?

 

そんなことを考えることが増えてきた昨今、

この本がピカーっと光り、

今が読み時ですよ~と求めてきたんです。

 

そうかもしれないね…と素直に思い、

手に取った次第です。 

 

目次

第一部 欲望が生み出す闇
入国管理局 知られざる光と影
諮問機関委員 「肩書コレクター」の玩具
生保「総代会」 こんな「お手盛り」がなぜ許されているのか
人工透析ビジネス」の内幕 患者は病院で作られている
パチンコ業界 警察利権としての三十兆円産業
原子力安全・保安院 経産省はなぜ分離独立を認めないのか
厚労省の犯罪「ドラッグラグ」 助かる病人を殺している
創価学会エリート官僚 「池田御輿」をかつぐ高学歴集団
児童相談所 「父親による虐待」が問題化しないのはなぜか
 
第二部 とがめる者なき無為無策
日本最大の機関投資家農林中金」 サブプライム汚染どこまで
学生のいない学校「国連大学」 外務省の裏金作りの道具に
国営「穀潰し」独立行政法人 これぞ「改革偽装」の典型
都立松沢病院 荒廃する「精神科の総本山」
東京高等裁判所 検察べったりの「官僚司法の砦」
国立大学「法人化」の内幕 「東大+α」以外はなくてもよい
二千七百万匹「ペット市場」の実態 毎年三十万匹が「処分」されている
日本銀行 問われる「経営の健全性」
無きに等しい「検屍制度」 見逃される殺人事件
 
第三部 国民への背信行為は続く
厚労省「医系技官」 医療荒廃の罪深き元凶
瀕死の「国立がんセンター」 厚労官僚が「倒産の危機」に追い込む
食品安全委員会 役立たず「農水省の植民地」
日本相撲協会 何から何までカネカネカネ
企業監査役 海外投資家から不信の目
NHK 指導者不在のメディア帝国
交通安全協会 「警察一家」極めつけの利
精神鑑定の世界 これでも日本は法治国家
 
慧眼と絶望と希望と 池上彰

 

感想

月刊誌「選択」の創刊号から

有権者、納税者ならば知っておくべき

26の知られざる現実。

 

上記の目次を

ご覧になっていただければわかるように

センシティブなテーマに対して

かなり突っ込んだ指摘をしています。

 

正直、私は「選択」自体を読んだことがありませんし

今まで興味を持った事すらなかったのですが、

いずれのテーマもこの国の恥部。

 

本書が発行されたのは

平成22年4月。

 

令和3年の現在でも

ほとんど改善されておらず

問題の深刻さを痛感します。

 

私にとって残念だったのは、

医療関係のテーマが多かったことです。

 

人工透析ドラッグラグ、都立松沢病院

検視制度、医系技官、国立がんセンター

精神鑑定などですね。

 

まあ医療現場の問題や

医療従事者の問題ではなく、

そもそもの法律や制度、設計、

厚生官僚や製薬会社の利権の問題なんですけど

かなり頭の痛い問題であると言えます。

 

いやそれ以外のテーマのほとんど全ても同様ですが、

世界中どこの国もそう変わらんのでしょうけど、

官僚どもの悪辣ぶりはヒドすぎます。

 

本来、それを監視し、

改善するはずの政治家を抱き込み

もうやりたい放題なんですね。

 

わかっていた事とはいえ

ここまで明らかになると

官僚制度自体が悪の根源と言わざるを得ません。

 

もちろん本当に国を良くしたい

志高き人々もいるとは思いますが、

もう制度自体が機能していないんですね。

 

特に問題なのは天下り

 

もう何年も前からずっと大問題になっていて

禁止する法律はできても

いつも骨抜きになり、

全く意味のないものになっている。

 

これじゃこの国は没落していくでしょうね。

現実的に高度経済成長を果たした後は

年を追うごとに

社会は悪くなっているように感じます。

 

こんな状態を後世に引き継ぐなんて

あまりにも無責任で恥ずかしいです。

 

大人の1人として

身につまされる思いを持ちます。

 

昨今では上級国民なんて言い方もされますが、

ハッキリ言うと世の中がぶっ壊れています。

 

その根本的な要因は

利権を最優先とする政治と行政の劣化です。

 

リーダーたちが利権で汲々としているのですから

これも致し方ないのでしょうね。

 

人間なんてものは

本当に汚い生き物です。

 

どうせ中枢に行けば魂を抜かれ

悪人になっていくのだから

人に期待をしてもムダなのかもしれません。

 

AIを活かし、

極力人間が関わるところを

少なくするしかありません。

 

情けない話しですけど、

政治家や官僚に期待しても

全く意味がないことは歴史が証明しています。 

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

遅ればせながら

今さら読んだ私が言うのもなんですが、

本書こそジャーナリズムの神髄です。

 

大手マスコミが

本書のようなテーマに切り込んでいけば

世の中は少し良くなるでしょうが、

所詮金まみれの世界で

肝っ玉を握られているので

全然機能していないのですね。

 

これも聖域のひとつと言えるでしょう。

 

本書を読みながら

私はイライラしていましたし、

世の理不尽、非常識、不公平に

心が痛くなりましたが

イチ個人にできることは

それほど多くはありません。

 

こうして本書の価値を広めることで

多くの人が怒りを持ち、

それをぶつけていく手助けをすることですし、

あとは選挙に行くことか。

 

とにかく天下りを撲滅すること、

まずはここからでしょう。

 

そして利権構造をぶっ壊し、

責任者を断罪し、

得たお金をすべて吐き出させること。

 

上級国民などふざけた話しです。

世直しが必要ですね…。

 

どうやらこのシリーズには

続編が何冊も出ているようですから

またいずれ読もうと思います。

 

それでは、また…。 

 

 

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