おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
食べ物は好き嫌いが激しくて
今までは栄養バランスなどもあまり考えることがなく、
それこそ毎日カレーでもいいくらいの私です(笑)。
ところが読書に関しては雑食なんです。
ちょっとでも興味を持つと
取り合えず読んでみるスタンスです。
そこで面白ければ
さらに深掘りをするために
同じテーマで掘り下げますけど
合わなければそこで終えます。
ただ最初の1歩は迷いがありません。
取り合えず読むという行為は
人生においても結構大事じゃないかと思ってます。
不思議なことに
年を取れば取るほどに興味の幅は広がってますし、
取り合えず読むというスタンスは
これからも広がっていきそうな自分自身が楽しみです。
今回ご紹介する書籍は、
本書をピックアップした理由
岡本 吏郎 朝日新書 を読みました。
易経。
今まで全然興味がありませんでした。
そもそも占いなども
全く信じないタイプですし、
私の人生からは相当に遠いところにあったんです。
ところが、
何かの本で読んだのか、
誰かにおススメをされたのか、
そこはちょっと忘れてしまったのですが、
「易経は勉強しておいたほうがいいよ」という
その言葉が脳裏に叩き込まれまして、
しばらく前にAmazonでポチっとしたのが本書です。
あまりにも無知な分野ですし、
易経って難しそうじゃないですか。
しかも私は先日も書きましたけど
中国の書籍には苦手意識がありますので、
できるだけわかりやすそうな易経本を探していたんです。
ビジネスパーソンのための…
お、これならイケるんじゃね?と
ビビッと来たんですね。
とはいえ正直に申せば
大丈夫かな?読めるかな?理解できるかな?と
予備知識がゼロな状態ですから
結構、不安な思いを持ちながら読み始めた次第です。
目次
第1章 構造を知って、戦略的に生きる
第2章 易のシステム
第3章 占いとしての易
第4章 易の64卦
第5章 易的生活
感想
う~ん、難しい。
何を、どこまで、理解できたんだか…
全く手応えがありません。
少なくとも易経の構図、構造に関しては
著者が丁寧に説明をしてくれたのに
私は残念ながらよくわからなかったです。
いや、著者の説明が悪いのではなく、
私の頭が付いていけなかったのですね。
そもそも事前に易経とは?という部分で
全く知識がなかったのですから
さもありなんって話しなのですけど、
もう少し理解できるはずだったのになあ(苦笑)。
ただ、そこにある考え方というか
概念的なところは少し理解できた気もします。
易経を理解したのか?と問われれば
恥ずかしながらNOなのですけど、
易経から何かを学べたのか?と問われれば
少しだけYESと言えるかもしれません。
活かすも殺すも自分次第というところでしょうか。
今後の自分に期待です(笑)。
易経を何らかのツールと考えれば、
そのツール自体の価値を問うのではなく
むしろツールをどう活かすかの
自分の問題、自分の経験値、
自分の度量が問われるように感じました。
そこは著者の導きかもしれませんが、
特に後半の部分では
易経の説明を前提にしながらも
易経を人生にどう加えるかの話しとなっており、
そこの部分が私にとっては
とても関心が持てました。
たぶんそれこそが易経の本質なのかもしれないな…と。
それでは恒例の私がグッと来た箇所をご紹介いたします。
過剰なもの、過小なものは、この逆です。
その時の状況に、居着いてしまう。
それが過ぎたるんものです。
流行に乗ることなどは典型的な「居着き」です。
本人は、時流に乗って有頂天になりますが、
乗っているのではなく流されているだけです。
(P.47)
長い目で見れば帳尻は合うものですよね。
過剰な時も、過小な時も、
いずれ揺り戻しがあるだろうと
予測しておいたほうがいいのでしょうね。
学びはすべて質問からはじまります。
何を問うかで決まってくるということです。
子供の教育などに関して言えば、
一方的に教えるのではなく、
子供が質問してくるように仕向けることが
親のやることです。
(P.127)
魚を与えるのではなく
魚の釣り方を教えろと言われたりしますけど、
答えを教えるのではなく、
どういう問いが有効なのかを
教えるほうがよっぽど重大ですね。
私たち現代人は、
陰と陽を比べて、
陽は盛んでよいこと、
陰はそれに比べて
暗くて悪いことのように思いがちですが、
昼間に激しく行動すれば、
夜はゆっくり寝なくてはいけないように、
陰陽はワンセットです。
それぞれがそれぞれを必要とします。
(P.145)
言われてみれば確かにという話しですけど
ワンセットと考えれば
もう少し楽に生きれる気がしますし、
生きる上での知恵でもあると感じました。
私たちが仕事を進めていくと、
こうしたケースはよく起こります。
一生懸命やってきた、
誠意も尽くしてきた。
しかし、それでも他人から批判されたり
邪魔されたりすることはあります。
しかし、感情的な対応はいけません。
感情的に裁判などを起こしたりしても
意味はありません。
逆に大人の態度を取り過ぎて
消極的なのもいけません。
時には、ちゃんと争うべきです。
特に、感情的な行動が失敗するのは当たり前として、
遠慮がちな大人風な行動が
大きな損失につながることがよくあります。
争わない態度は大事ですが、
「まあ、いいか」という言葉が出るような
甘い態度もよくありません。
(P.160)
このさじ加減は難しいですね。
どこまで大きな心を持つべきか?
どこから反撃に転じればいいか?
私、54年も生きてきて、
絶対に許せない奴が2人います。
これが多いのか少ないのかはわかりませんが、
幸いこの2人は同じ会社にいるので
攻める時は同時にできます。
普段は石ころだと思って
完全に無視していますけど、
ある一線を超えたら徹底抗戦します。
完成したと思って有頂天になっていたら、
「未だ成らず」です。
このことを日常生活でも肝に銘じておければ、
人生はどれだけ開けることかと思います。
(P.190)
山の頂上で満足するのではなく、
頂上からしか見えない
次の山を登る計画を立てるような感じでしょうか。
ゴールだと思ったら
そこからがスタートだったみたいな感じとか。
いずれにしても
人生の二大失敗要因は「焦り」と「慢心」と言われますし、
やはり慢心のほうが失敗は大きいですし、
死ぬまで登り続けるのが正解なのでしょうね。
世の中は、”後知恵”に満ちています。
何か事件が起きたあとで、
「それが起こるのははじめからわかっていた」
と思う傾向が私たちにはあります。
私たちは実際に起きたことを必然として
捉える傾向があるわけです。
このことは逆に言うと、
起こらなかったことには
誰も注意を払わないことを意味します。
(P.194)
確かに。
本来は事件が起きないように
予防策を練り、実行し、備えるのですが、
実際に起きなければ
それは何の評価もされないんですよね。
ところが小さな不備があり、
事件が起こってしまった時には
とてつもなく批判をされる。
後知恵の評論家たちが叩きまくる。
何かおかしいですね。
少ない成功者に人は注目しますが、
その背後にある大量の失敗の事例には
誰も注目することはありません。
(P.196)
ホントこれ!ですね。
投資の世界などもそうですが、
成功者の裏にいる多くの失敗者のことは
誰も見向きもしませんね。
当たり前のように自分も成功すると思って
多くの人が失敗する。
易は、「現象の理解」の基本に「変化」を置いています。
これも考えてみれば当たり前のことです。
すべては無常。
常に変わります。
どんな複雑な世の中でも
この事実だけは変わりません。
……というか、何もかもが無常だから世界は複雑なのです。
(P.198)
なるほど、勉強になります。
変わるということだけは変わらない。
万物流転、諸行無常。
ゆく川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず。
大事なことは昔から伝えられていますね。
あとは受け取る側の問題です。
世間には、ノウハウが溢れています。
今の易の成立の過程に当てはめて考えてみると、
それらのノウハウの一部には、
名人の秘儀の体系化、
テキスト化と言っていいものもあるかもしれません。
しかし、体験のテキスト化を完全にすることは不可能です。
また、テキストから読み取れるものも
読み手の体験次第です。
この事実が事実として、
しっかり認識されていない。
それが今の世の中に足りないことのひとつだと思います。
(P.214)
問題は自分の中にある。
重要なノウハウだって
それに気づけなければ何の意味もありませんし、
いかに活かすか?はさらに難しいですよね。
易経のような語り継がれるノウハウも
私たち自身がどう受け止めるか次第なのでしょうね。
評価
おススメ度は ★★★☆☆ といたします。
易経は難しい。
基礎的な知識がないと
そう簡単には理解ができない。
変な話しですけど
それが理解できただけでも
良しとできるように思いました。
本書はビジネスパーソンのためのと謳っていますが
正直、ビジネスにプラスになるかと言えば
ちょっと疑問です。
むしろ自分自身の生き方や、考え方に
易経のエッセンスを取り入れて
今よりも少しより良く生きることができる内容です。
読後、甘くはなかったと
反省しきりの私ですが、
きっとこの先何十年かしたら
また易経を読んでみようと思うかもしれないな。
そう感じました。
それでは、また…。
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