ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

強い会社の教科書

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

私は若い頃から経営本を

かなり読んできています。

 

それが良かったのかはわかりませんが、

京セラの稲盛さんやソニーの井深さんや盛田さん、

ホンダの本田さん、日本電産の永守さん、

ヤマト運輸の小倉さん、オリックスの宮内さん、

最近の方ですと

ソフトバンクの孫さんや楽天の三木谷さんなど

たぶん社会に出てからの30年間で

優に100冊は超えるくらいは読んでいます。

 

別にそれを自慢したいわけではなく、

また若い時から経営者を目指していたなんて事もでもなく、

どうせビジネス書を読むのであれば

最高峰の方々の考え方を知りたいという理由でした。

 

実際に人生2度めの経営者として

今は仕事をさせていただいているわけですが、

きっと何らかの役に立っているかと思います。

 

いや立ってないと困るのですが(笑)

むしろ経営者だからではなく、

一般社員の頃から、

数名の部下を持つようになった頃のほうが

ずっと参考になっていたように感じます。

 

そうなんです。

別に経営本って

経営者だから読む必要があるのではなく、

ビジネスパーソンであれば

いや医療従事者だって

フリーランサーだって

仕事をする人には

すべからく学びとなるところがあると思うんですね。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 強い会社の教科書 】 です。

 

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本書をピックアップした理由

『 強い会社の教科書 』

小山 昇 ダイヤモンド社 を読みました。

 

小山さんの著書は以前にも読んだことがあります。

 

ka162701.hatenablog.com

 

こちら以外は書評は書いておりせんが

他にも数冊読んできています。

 

とにかく小山さんの著書は

「中小企業」について

良くも悪くも大胆な発想で書いてくれているので

その点がすごく参考になります。

 

著名な経営者の本もそうですが、

大企業になってからよりも

創業当初から四苦八苦しながら

徐々に会社を大きくするそのプロセスが

とても面白いんですよね。

 

小山社長の武蔵野さんも

段々と大企業に近づいているようには思いますけど

おっしゃることは中小企業の発想が原点です。

 

まあ私などは中小企業どころか

零細企業なもんですから

どこまで参考になるのかという点はありますけど

やはり中小企業ならではの考え方は知りたく、

かなり勉強モードで本書を手に取ったのでした。

 

目次

第1章 「良い社長・悪い社長」の決定と計画

第2章 「社員の教育・採用」

第3章 「マーケット」と「商品&サービス」

第4章 「組織づくり(上司と部下)」

第5章 「評価制度」・「給料」・「人事」

第6章 「数字」と「お金」

 

感想

う~ん、なるほど。

非常に勉強になりました。

 

当ブログの読者さまは

私の仕事柄で医師の皆さまが多いと思われます。

あとは読書好きの方でしょうか?

 

本書はですね、

開業医の先生方や

具体的に開業を検討している先生、

いつか開業するかもしれない先生、

こういう方にはとても参考になると思います。

 

私自身も小山さんのおっしゃることの

全てが正しいとまでは思いませんけど、

かなりの部分で納得できましたし

自社に取り入れようと思うことも多かったです。

 

少なくともよしこれはしよう!と

決意できたものもありました。

 

本書に書かれているのは

いかに強い中小企業になるか?なんですね。

 

大企業とか、上場企業とか、

そういう発想はほぼなくて

潰れない中小企業、儲かる中小企業、

生き残っていく中小企業です。

 

その意味では医療業界では

病院ではなくクリニックです。

 

クリニックを経営することを考えたら

本書の内容で参考になる点は多いと思われます。

 

それでは恒例の私がグッと来た箇所を

ご紹介いたします。

 

日本の人口が減って、

マーケットが小さなくなると、

「ともに成り立つ」ことができません。

ライバルに勝たなければ、

数を増やすことができない。

つまり、いまは「競合の時代」ではなく、

「競争の時代」なのです。

負ければ、マーケットから、

即、「退場」しなければならない。

現在のマーケットに入るのは、

「競合他社」ではなく、

正しくは「競争他社」なのです。

(P.7)

 

日本経済のシュリンク

もう何年も前から叫ばれていますが、

抜本的な改善はできずに

IT化やAI化でも世界に後れを取っていますね。

 

競争に勝てなければ退場を促される。

そういう時代であることは

よ~く認識しておかねばなりません。

 

これは別に会社だけではなく

個人もそうではないでしょうか?

 

トップ(社長)の仕事とは、

端的にいうと、

「正しくなくてもいいから、

 早く決定すること」。

早く決断して、実行して、

早く試行錯誤を繰り返して

経験値を上げるのが正しい。

(P.13)

 

だいたいが正解が見えない時代ですし、

もしかしたら正解がないとも言えますし

逆に正解はいくつもあると言えるかもしれません。

 

学校の勉強のように

ひとつの答えを導き出すのとは違うのですから

まずはスピード勝負、

素早い決断が大事であるというのは

その通りと言わざるを得ませんね。

 

「お客様との接点は、

 アナログで、手間をかける」のが正しい。

「バックヤードはデジタルで簡素化と共有化を進める」一方で、

「お客様との接点は徹底して顔を合わせて話す」

(P.14)

 

個人的にはこれは最もピンと来ました。

うちの会社もこの方針です。

 

何でも効率化すればいいものではありませんし、

手間を掛けるところと、システム化するところを

見間違えてはいけませんね。

 

「会社の中に、トップは2人いらない」からです。

トップが2人いてもいいのは(共同経営者などの場合)、

「会社の業績が悪いとき」にかぎります。

けれど業績が良くなると、

トップが2人いると、

お互いに自分の意見を主張しはじめて、

会社に良い結果を生みません。

(中略)

2人の意見が食い違えば、

当然、「意思決定のスピード」が失われてしまいます。

(P.34~35)

 

クリニックの開業相談のなかでも

共同開業とか、複数開業のご相談を受けることもありますが

私の意見としてはおススメはいたしません。

 

ご夫婦とか、親子など、肉親であればまだいいですが、

友人、同期などは避けたほうが良いと考えています。

 

実際に共同開業をして失敗した先生からも

絶対止めなとアドバイスして…とも言われているんです。

 

リスクマネジメントどころか、

むしろ最初から

リスクを背負うことになりかねないのですね。

 

1番目は

「お客様に喜ばれていること&成果を上げていること」、

2番目は

「成果が出ること」、

3番目は

「良いこと」の順にお金を使っています。

「だれかが成功したことを真似ること」が最優先で、

「良いこと」をするのは一番最後です。

(中略)

「なにをするか」「なににお金を使うか」は

「数字」で決める。

多くの会社は、

「数字」を見ずに

「良いこと」にお金を使うから、

業績が下がってしまうのです。

(P.79)

 

どうお金を使うか?

現代社会はお金を得るよりも

いかに使うかのほうが難しいかもしれません。

 

でも事業を発展させるためには

投資が欠かせないわけで

いつ、どこに、どう投資するかは

まさに経営者の腕の見せ所なのでしょうね。

 

「お客様の都合(ニーズ)に合わせる」というと、

「お客様満足度を高めること」だと勘違いする人がいます。

私の考え方は違う。

お客様に喜んでいただくには、

「お客様満足度を高める」よりも、

「お客様の不満足度をなくす」ほうが重要です。

(P.103)

 

満足度を上げるよりも

不満足度を下げる。

 

なるほど…と思いました。

モノや情報がありふれている時代ですから

不満のない製品やサービスを追求するというのも

確かにひとつの手段ではありますね。

 

「間違いをしないということが、

 最大の間違い」なのです。

人は「できなかったという失敗(痛い思い)」から

学んで素直になり、

「素直になるからこそ成長する」のです。

(P.171)

 

薩摩の教えにも

1、何かに挑戦し、成功した者

2、何かに挑戦し、失敗した者

3、自ら挑戦しなかったが、挑戦した人の手伝いをした者

4、何もしなかった者

5、何もせず、批判だけしている者

6、何もせずに批判するだけではなく、足を引っ張る者

 

このようなものがありますが、

やはり行動して失敗を体験することは

何よりの未来の財産になるのでしょうね。

 

どれほど「良い商品」でも、

売れ続けるとはかぎりません。

商品には必ず「寿命」がある。

人気が落ちれば、しだいに売れなくなります。

「良い商品が売れるのではない。

 売れる商品が良い商品」

(P.197)

 

考えてみたら

今はロングセラーの商品って少ないですね。

 

選択肢があまりにも多いですから

売れ続けるというのが難しいのでしょう。

 

売れない商品にこだわるのは

経営上の大きなリスクですね。

 

中小企業がシェアを高めるには、

「大きな商圏」に出てはダメ。

強い商品を「小さい商圏に集中」させたほうが確実です。

(P.217)

 

弱者には弱者なりの戦略が必要なのですね。

大きな敵と同じ土俵に乗るのは

失敗の元と言えるのでしょう。

 

「お客様から見えないところは効率を良く」して、

「お客様から見えるところは効率を悪く」しています。

(中略)

経営とは、お客様の「数」を増やすことであり、

そのためには、営業担当者の数を増やして、

「顔を合わせて話す」必要があります。

業績が下がってきたからといって

営業部門を縮小してしまう会社は、

「戦いに負ける」のです。

(P.252)

 

このあたりは経営戦略論ですが、

限られたリソースをどう活かすか?を考えれば

当然のことなのかもしれませんね。

 

「形から入って、心に至る」のが人間の学習です。

形だけの感謝でも、

何度も何度も繰り返しているうちに、

いつしか心に至ります。

(中略)

同じサービスをするのでも、

「感謝」があるのとないのとでは、

お客様への接し方が大きく違ってくる。

(P.311)

 

やらされ仕事は上手く行きません。

心からやりたい仕事、

有難うと言われる仕事をしていきたいですね。

 

「経営は、結果論ではない」のです。

黒字になるのも、

赤字になるのも、

実は、「社長の考え方」に起因します。

(P.350)

 

すべてはトップの責任。

心に留めねばなりません。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点とします。

 

たぶんサラリーマン的に働いている人には

理解ができない内容が多いと思います。

 

あくまでもトップ向けの本です。

しかも中小の組織に特化しています。

 

それだけに繰り返しになりますが、

クリニックの開業を考えている先生にはおススメです。

 

ありきたりの開業本を読むよりも

中小企業向けの経営本のほうが

確実に見えてくることが多いと思います。

 

それでは、また…。

 

 

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