ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

転職の最終兵器 未来を変える転職のための21のヒント

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

転職をポジティブに捉える人と

ネガティブに捉える人がいます。

 

しかし答えはどっちでも良く、

問題はそこにはないとすら感じるのですね。

 

一応、私は転職シーンで20年も生きてきてますので

思うことはあまりにもたくさんありますし、

議論のきっかけを作ろうと思えば

いくらでも湧いて出てきます。

 

でも、そんなことに意味なんてありません。

 

転職を突き詰めれば

個々の生存戦略に行きつきますし、

人生論でもあるのですね。

 

そんな簡単に傾向と対策で語ってはいけません。

 

あくまでも一般論として

ディスカッションするならまだしも、

大した人生経験もない若造が

わかった気になって語るような浅いものではなく、

世の中にはお前が言うなよ…みたいな

軽薄、浅薄、軽率な発言があまりにも多いです。

 

こういうものを信じてしまうと

確実に自分が損をしますね。

 

転職を考えるよりも、

キャリアを考えたほうがいいです。

 

転職は目の前に迫るものですが、

キャリアはずっとその先を見据えますから。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 転職の最終兵器 未来を変える転職のための21のヒント 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 転職の最終兵器 未来を変える転職のための21のヒント 』

安斎 響市 かんき出版 を読みました。

 

私は仕事柄、

転職本、キャリア本はできるだけ読むようにしていますし、

過去、多くの書籍で学んできました。

 

しかし、ああ、この本は良かったなと思うモノばかりではなく、

むしろミスリードじゃないか?

こんな害のあるノウハウを伝えていいものか?と

疑問に思う書籍も少なくありませんでした。

 

でも、それも含めて学ぶ必要があると私は考えていまして、

当たろうが、外れようが、

これからも転職、キャリアに関する本は

度々読んでいきたいと考えています。

 

ちなみに本書をセレクトしたのは、

著者をnoteブログでお見掛けすることがあり、

内容までは読んでいないのですけど(苦笑)

何となく記憶に残っていたこと、

そしてカバーのインパクトです。

 

ブラックでドーンと押してくる。

ん、これはブラック企業に掛けてるの?

そんなことを思いつつ、

さて、どんな内容かなと楽しみにしながら

読み始めたのでした。

 

目次

第1章 この会社、ヤバすぎる

第2章 はじめての転職活動での失敗

第3章 転職は、あの日の恋のように

第4章 転職活動の「最終兵器」

第5章 闇を切り裂くツバサを、君に

 

感想

いわゆる転職本と言っていいかと思いますが

ストーリー仕立ての展開が割とリアルであり、

ところどころに解説を入れてくれており

若手ビジネスパーソンには

かなり参考になる内容です。

 

ただ社名などは

ちょっと苦笑してしまうレベル。

もう少しリアルでいいのに…と少し残念。

 

転職活動をする上において

実際の気持ちや考え方の変化などは

相当にいい感じで掴んでおられます。

 

ただ転職エージェントに関しては

そこまでバカな奴いるか?というくらいに

デフォルメされていて、

エージェント業にいる自分としては

微妙な思いを持ちました。

 

主人公の松村君が転職活動を通して

ビジネスパーソンとして

一人前になっていくプロセスは

単なる転職本という範疇を超えて、

学びとなるところも多いかと思います。

 

医師の皆さんは

大学医局に長く在籍していると

どうしても近視眼的になりがちです。

 

ビジネス界の話しですので

そのまま参考にはならないかもしれませんが、

いずれ転職を…と頭の片隅にあるならば

集中して読めば2~3時間で読めるでしょうから

小説を読む感じで手に取ってもよいかもしれません。

 

それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介します。

 

僕はいつも「将来への不安」でビクビクしていたが、

本当に恐ろしいのは、

自分の未来が見えないことじゃない。

何よりも恐ろしいのは、

10年後、20年後の未来が見えてしまっていることだ。

(P.66)

 

ああ、10年後はこのおっさんみたいになるんだな…。

確かに絶望かもしれませんね。

 

もちろん魅力的なおっさんもいるでしょうから

そういう職場であれば目標となりますけど、

どうでしょうか?今の変化の早い時代に

そういう職場ってどれくらいありますかね?

 

もちろん、転職口コミサイトの情報が

すべて嘘だとは言いません。

参考にできる部分もあるでしょう。

しかし、口コミを転職の「判断基準」にするのは、

極めて危険だと私は思います。

最終的な判断は、自分が実際に見たもの、

感じたことを根拠にした方が、

入社後の後悔は比較的少ないはずです。

(P.81)

 

私もこれは共感します。

耳年増になってしまって

解説者のように振る舞う方もいらっしゃいますけど

実態がわかっていなければ

むしろ害のある情報となりかねません。

 

また職場、条件、環境、待遇、人間関係など

ある人には合わなくても

ある人にはピッタリということもあり得るのですね。

 

転職支援の仕事を長くやっていると

ビックリするくらいにこれを味わうのです。

 

合わない人の情報が氾濫している昨今、

自分の目で見て耳で聞くというのは

非常に重要になってくると思います。

 

転職っていうのは

『相手ありき』なんだ。

自己分析をどんなに頑張っても、

見えるのは自分のことだけだ。

そして、確固たる自分を、

強く、強く持っているヤツほど、

転職活動では失敗する。

(中略)

自分の強みが何かなんて、

どうだっていいんだよ。

問題は、相手が何を求めているのか?だ。

(P.83)

 

これは年次や経験値にもよるかもしれません。

ただ若手時代に身に付けておくといい発想です。

 

別に転職だけでなく、

この世の中は常に相手があるものですから

相手をないがしろにして

自己中心主義に陥ってしまったら

大抵のことが上手く行かないでしょうね。

 

『天職』とか『適職』とか言う人が多いけどさ、

そんなもん、たぶんこの世には存在しないよ。

少なくとも、自分の『天職』がどこかに運よく転がってて、

ただ待っていれば、

それを転職エージェントが持ってきてくれる、

なんてことは絶対にない。

「天職」と呼べるような、

人生を賭けるべき仕事って、

長期的に色んなことを試行錯誤する中で見つけていくものだよ。

それって、ひたすら自己分析を頑張ってやってたら、

自然と出てくるものじゃないんだ。

(P.87)

 

はい、天職はふとした時に手に入っているものであり、

見つけようとして見つかるものではありません。

 

天職を探す暇があるなら

目の前の仕事を一生懸命にやって、

勉強して、スキルアップして、

外の世界で人脈を作って、

自分を成長させたほうが100倍いいと思いますよ。

 

安定しているのは、『会社の存続』であって、

『社員の雇用』ではない。

会社というのは、いざとなったら、

会社そのものを生かすために、

社員のクビを切るんだ。

会社の経営が安定しているかどうかと、

社員が働く場所として安定しているかどうかは、

必ずしも一致しないんだ。

(P.106)

 

悲しいけど、これが現実ですね。

だから会社のために心を売る必要はないんです。

あくまでも会社はステージです。

そこで歌ったり、踊ったり、演じるのは自分自身。

 

どこのステージでも

通用する自分になれば

会社なんて従属する必要はなくなります。

 

自分で自分の機嫌を取る。

これが上手くできると、

強いメンタルをキープできるようになるよ、きっと。

(P.226

 

その通りと思います。

苦しい転職活動期間中だけではなく、

日常的にも上手く自分の機嫌が取れるといいですね。

 

転職活動をする時、

ほとんどの人が、ここで間違えて失敗するんだ。

転職というのは、確かに、

自分がやりたい仕事をやるための手段だ。

そして、自分が歩みたい人生を歩むための手段だ。

でも、自分の強みだとか自己PRだとか、

自分のことばかりを考えた転職は、

確実に失敗する。

売りになる「強み」は何か、

過去の「経験業務」はどうやったら魅力的に見えるか、

などと考えるのは二の次だ。

まずは、相手が何を欲しがっているのかを考えないと、

ダメなんだ。

(P.230)

 

ホントこれですね。

転職に関わる業界人の全てが反省すべきです。

だって転職を安易なものにして

売上を確保しようとし過ぎですから。

 

私は転職の前提に「キャリア」を考えるべきで

キャリアとは「スキル」と「経験」と定義付けています。

 

つまりその「スキル」と「経験」を

どこで、どのように発揮しますか?というのが

本来あるべき転職活動なのだと思うのです。

 

それを条件面や自社都合で決めさせようとするから

日本の転職市場はおかしなことになっているんです。

そこに中長期的な視点がないんです。

 

そもそも「仕事」というのは

世のため人のためにするものですし、

それで対価をいただくわけじゃないですか。

 

自分を主人公にしたら

結果的に自分は主人公になれません。

逆なんです。

社会や他者を主人公にすると

いつの間にか自分が主人公になれるんです。

 

自分がやりたいことをやるんじゃない、

相手に求められることをやるんだ。

それが、転職であり、仕事であり、

ビジネスというものだ。

(P.251)

 

これです、これ。

だいたい自分がやりたいことって何ですかね?

そんなもん、ありますか?

むしろ、やりたくないことをやっていても

お客さんがメチャクチャ喜んでくれて

やりがいが出てくるということもあるはずなんです。

 

ジョブホッパーになる人って

ほとんどが自分、自分、自分なんです。

それで次から次に職場を変えますけど

この人が40代、50代になった時が心配です。

 

人を喜ばせれば

自分は生きていけるものです。

 

この世界には、

確実に「勝利」を手に入れる方法が、

一つだけあります。

それは、勝てるまで努力を続けることです。

「この努力は、いつかきっと報われる」と信じて、

何度も、何度も、あきらめずに挑戦し続けることです。

転職活動は、どんなに努力して頑張っても、

結局のところ、結果の大部分は

「タイミング」や「運」などで決まってしまいます。

だからこそ、何度負けても挫けずに

立ち上がる強い「執念」と「信念」が、

最終的な勝利をもたらすのだと、私は信じています。

(P.289)

 

転職は勝ち負けではないかもしれませんが、

人生訓として頭に入れておくといい言葉かもしれません。

 

自分が負けと認めない限りは、

何年掛かっても諦めなければ、

いつか勝利は手に入りますからね。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

私は53才ですし、

自分自身は4回の転職経験と

出向など含めて8社での勤務経験があり、

また今まで転職サポートをした方は

余裕で3000名は超えると思われます。

 

そんな私が読んでも面白かったです。

サクっと読めますので、

多くの人に読んでいただきたいなあと思います。

 

それでは、また…。

 

 

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