おはようございます。
医師の人生設計をベースにして
キャリアプランを元に転職や開業をご支援する
ジーネット株式会社の小野勝広です。
私は歴史好きです。
やはりお約束の戦国時代、
幕末が最も関心が高いのですが、
近代史も結構好きです。
またまたスゴイ本と出会いました。
本日のブログのタイトルは、
『 気張る男 』といたしました。
本書をピックアップした理由
『気張る男』
城山 三郎 文春文庫 を読みました。
東の渋沢栄一、西の松本重太郎。
本書の主人公である松本重太郎氏は
このように渋沢栄一さんと
並び立てられる人物だったそうです。
渋沢栄一さんを主人公にした本を読んだ私としては
西の松本重太郎さんも読まんとアカンだろうと思い、
読み始めたのでした。
正直、ほとんど知識はなかったですが、
さすがの城山作品…。
あっという間に引き込まれて、
貪るようにして読みました(笑)。
目次
１ 十歳で何ができるか
２ 男ざかりに何ができるか
３ 大儲けのあとで
４ 光の館
５ 心配な鬼才
６ 任侠の男
７ 「頭が割れる」
８ 「二つの宴」
９ 一飛千里
１０ 「悉皆出します」
１１ 借家と豪邸
１２ 桜咲く頃に
感想
どうしても歴史は勝者のものになってしまい、
偉人として残るのは大成功者であります。
しかし松本重太郎氏は、
大成功と大失敗の両方を味わった方。
10歳で生まれ故郷を離れて、
丁稚奉公からスタートし、
持ち前のパワフルさで成功の階段を駆け上っていく前半生…。
そしていくつもの企業の設立に関わり、
経営者として多大なる業績を上げていく。
好事魔多し…ではないですが、
いくつもの山を登った先にあったのは、
主力事業である第百三十銀行が窮地に陥り
ライバルである安田善次郎の助けを借りる羽目に…。
そこで松本重太郎が取った行動は、
すべての私財を投げ打つ…。
この潔さ、そして人間性。
会社を窮地に陥れても
我が身だけは守るという
経営者やオピニオンリーダーが
少なくない現代だけに、
松本重太郎の生き方には感銘を受けます。
彼が残した足跡は、
きっと歴史として受け継ぐべき
重要な人生だったのではないかと思います。
また重太郎の孫である重治。
国際ジャーナリストとして
激動の昭和を生きた方ですが、
本書の最終盤にその半生が書かれており、
これも実に面白かったです。
ところどころに重太郎の魂が受け継がれている点など
読み応えもバッチリです。
青森生まれの千葉育ち。
社会人になってからは東京で働く私は、
渋沢栄一の事は良く知っていても
松本重太郎については無知でした。
このまま知らずに生きてしまったら
大きな損失だったと思います。
出会えて良かった…と
素直に思えた１冊でした。
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。
人物を書かせたら
城山三郎さんはピカイチですね。
基本的に城山さんは
自分が惚れた人を書いているのでしょうが、
きっと松本重太郎という人物も
好きで好きでしょうがなかったのでしょう。
そういう人物面を中心に捉えていくから
松本重太郎の経営手腕や実績に捉われる事なく、
彼の生き方にフォーカスしていく…。
読み手であるこちらにも
その人間的魅力が伝わってきて、
思わず惚れ込んでしまうのですね…。
成功者でもあり、
失敗者でもある松本重太郎…。
しかしその生き方は
まさに現代社会にこそ
必要なファクターが詰まっており、
今の経営者も学ぶべき点は実に多いと思います。
冒頭紹介した雄気堂々と合わせて読むと
さらに面白さ倍増です。
いや～、良い本、
そして良い人に出会えました。
松本重太郎の爪の垢を煎じて飲むつもりで、
私自身もジーネットの経営に活かしてまいります。
それでは、また…。
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