ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

医者とはどういう職業か

 

おはようございます。

 

医師のキャリアプランを軸にして

転職、開業、経営シーンでサポートし続ける

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

医療従事者ではないけれども、

医療業界で仕事をする人間の1人として、

医学の世界までは踏み込めませんが、

医療の世界は詳しくならねばならないと考えています。

 

そういう点では医療本の読書は欠かせません。

里見清一先生の著書は面白く学べますので

時々読ませて頂いております。

 

本日のブログのタイトルは、

【 医者とはどういう職業か 】としました。

 

医者とはどういう職業か

 

本書をピックアップした理由

『 医者とはどういう職業か 』

里見 清一 幻冬舎新書 を読みました。

 

医療現場とは、

良くも悪くも人間の本性が

思い切り出てしまうものだと思います。

 

まして昨今では患者側のおかしな権利意識が高くなり

あまりにも理不尽な要求まで出る始末。

 

普段から医療従事者と接している私としては

医療現場で奮闘する医療従事者の為に、

時には患者側に気づいてもらうべく

情報発信をしてみたり、

時には医療従事者の声を代弁するような

情報発信をしてみたりしています。

 

どの程度の効果があるのかはわかりませんが、

かれこれ8年近く続けておりますので

少しでも医療への理解をしてくれる人が

増えたらいいなとは強く思ってます。

 

その為には私自身がしっかり知る事。

幸い毎日のように

医師の皆さんとやり取りができる環境におりますし、

自ずと知識を吸収する事が可能です。

 

とは言え医師と話す為にも

前提となる基礎的な知識を付けておく事は大事です。

 

ですから医療本を読む事は欠かせないと

私は考えて実行しております。

 

今回の里見清一先生の著書は何冊か読んでおりますが、

ストレートな物言いと、

ちょっとしたユーモア、

わからないものはわからないと言える姿勢など

とても好感を持っており、

本書を見つけた時には即買いしました。

 

新書ですけど350ページ以上ある分厚さ。

さあ読むぞと気合いを入れて

読み始めた次第でした。

 

目次

第1章 猫も杓子も医学部へ

第2章 受験勉強は医者の仕事に役立つか

第3章 医学部で何を勉強するか

第4章 語学について

第5章 研修医フレッシュマンの受難と憂鬱

第6章 医局とはなんぞや

第7章 学位について

第8章 医局制度の崩壊と逆襲

第9章 医者の収入明

第10章 医者はどれだけ忙しいかー勤務医の生活

第11章 医者の労働環境とナースの視線

第12章 病院内での個人的関係

第13章 専門医と総合医ー医療における役割分担

第14章 臨床医の地雷原ー医者を取り巻くリスク1

第15章 「殺人罪」で逮捕される!?-医者を取り巻くリスク2

第16章 名医とはなんぞや

最終章 医者の将来

 

感想

この本はいいです。

私としては非常に勉強になりました。

 

ターゲットとして想定しているのは

これから医師を目指す若い方々のようではありますが、

すでに医学部で学んでいる医学生や、

国試に受かり医療現場で学ぶ研修医や、

若手の医師などは学ぶ点が多いと思いますし、

中堅からベテランのドクターも

なるほど…と思う所が多いのではないでしょうか?

 

また一般の方でも充分に読み込めるように

わかりやすく書かれておりますので

少しでも医療にご関心ある方なら

かなり医療を知る事ができると思います。

 

上記の目次をご覧になって頂ければわかるように、

医学部を目指す段階から

医学生、研修医、若手から中堅と医師人生の全てが

ここには書かれており、

それがまた真剣な部分と面白おかしい部分が混在していて

あっという間に読み終えてしまいました。

 

私のように普段から医師と接する仕事をしている人には

もう必読の書と言って良いかと思います。

 

特に医師の転職とか開業に関わっている方は

手に取る「べき」書物と言えるでしょう。

 

なぜなら医師の人生について

開けっぴろげにオープンに書かれているからです。

 

やはり医師の事を知るというのは

この医療業界で働く以上、

必要不可欠だと思いますので…。

 

また医師の皆さんにとっては

懐かしい気持ちと

共感できる部分、反論したくなる部分、

いろいろな感情が湧き出るのではないかと思います。

 

かなり生々しい事も書かれてますので…。

 

あくまでも著者である里見先生の個人的な見解ですので

その辺りは大目に見ながら読むと

受験生時代、医学生時代、研修医時代などの若かりし頃や

大学医局、学位、労働環境なども含めて

そうそう!とか、違う違う!とか、

結構のめり込めるように感じます。

 

その他、医師のリスク、名医とは?、キャリアなどについても

かなり独断と偏見で書かれており(苦笑)、

収入面や出世、結婚、院内の人間関係やスキャンダルなど

ある意味では笑えたり、

またある意味では切実であったり、

おそらくご自身の事や

周囲であった出来事などを思い出しながら

楽しく読めるかもしれません。

 

実際に私が出会った先生方から

似たような話しを伺う機会も結構ありましたので

相当に実態に近いというか、

リアルなエッセイであると思います。

 

私自身は医師を知るという点で

かなり勉強にもなりましたが、

素直に読み物として面白かったです。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点です。

 

本書は当社の社員は必読とします(笑)。

なんて別に私が指示しなくても

メッチャ勉強になったよ、面白かったぜいと言えば

みんな勝手に読む事でしょう。

 

患者側の一般の方が読むと

誤解を生むかもしれませんが、

多少なりとも医療に関わる方は

読んでおくべき良書と思います。

 

やっぱり専門職って

なかなか一般の方には

理解されない所があると思うんです。

 

ましてや医師の場合は、

先生、先生と呼ばれる仕事ですし、

聖職者のように

慄然としていなければならなかったりもしますから

なかなか普通の人間っぽさは出せないかもしれませんし、

見せにくいのではないでしょうか。

 

その点では本書は生身の人間としての医師が書かれていますから

貴重な1冊だと思います。

 

受け手によっては

ポジティブにもネガティブにも捉えられるかもしれませんが、

私としては大変に高い評価を与える事ができます。

 

医師を目指す中高生が読んだ場合に

どんな感想を持つのかは若干不安ではありますが…(笑)。

 

それでは、また…。

 

 

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