おはようございます。
医師のより良い未来の為に
キャリアプランで転職やクリニック開業を成功に導く
ジーネット株式会社の小野勝広です。
宣伝広告って
私はどうも信用ならないと思ってます。
しかし自分もパーソナルブランディングしたいし、
うちの会社の方針を多くの方に知って欲しいし、
その為には何らかの形で宣伝広告はしなければなりません。
でもね~、変な誘導はしたくない。
そんな問題意識があったので今回はこれです。
本日のブログのタイトルは、
【 広告の本 】 といたしました。
本書をピックアップした理由
『 広告の本 』
天野 祐吉 ちくま書房 を読みました。
前述したような
宣伝広告への疑問、疑念がありましたし、
企業を運営する為には
マーケティングの知識は必須でもあります。
また弊社はクリニックの開業支援をしていますので
クリニック繁盛の為には
集患マーケティングも必要不可欠です。
本書は1986年に初版が発行されています。
ある意味では広告の古典か…。
古ければいいという訳ではありませんが、
天野祐吉氏にも関心があったし、
いい勉強になるんじゃないかと考えて
楽しみに手に取った次第でした。
目次
<しゃべる>
現代広告噺
<聞くー1>
広告表現とことば
詩を書くこととコピーを書くことー谷川俊太郎
映像至上主義がテレビをこわすー和田勉
語ることを忘れた時代ー林光
<書くー1>
もうひとつの広告
政府広報入門
意見広告案内
<聞くー2>
広告を見る目・作る手
ブラックアングルから時代を見るー山藤章二
もうひとつの現実に形を与えるー横尾忠則
誰でもコピーライターになれるわけではないー糸井重里
<書くー2>
履歴書ふうの広告論
感想
うん、当たりです。
古さなんか全然感じません。
著者のコラムも興味深いし、
何より対談が素晴らしい。
広告に対して
直接、間接、多面的なアプローチをしており、
現代のような薄い広告論ではないし、
数字取りの広告論でも、
学術的に走り過ぎている訳でもなく、
むしろ哲学や倫理に近い広告論と言えます。
これは非常に勉強になりました。
最近のマーケッターは
こういう観点が欠けているのではなかろうか?
イメージ戦略に片寄り、
売れれば勝ちとばかりに何でもあり。
でもそこには最低限のモラルや
社会性が求められるはずなのに
そんな事はおかまいなし…と私は感じていたので
1980年代の広告論の方が余程真っ当に思いました。
著者は広告には功罪があり、
いずれかだけに目を向けるのではなく
また広告主や広告制作者だけではなく、
私たち広告を見る側、受ける側も参加して
罪の部分を減らし
功の部分を高めていく事が肝要だと主張しています。
共感できます。
1980年代と比較すれば、
私たちの暮らしの中で
広告量はとんでもなく増えていると思うのです。
しかしその質はどうか?と問われれば、
またその価値は?と問われれば、
もしかしたら悪化しているかもしれません。
本書はマーケッターの方々には必読の書と言えますし、
私個人的にも広告の奥深さや
本来的な価値、また社会性について学べ
これを知らずにいたら
ただの売上至上主義に陥ってしまうのではないか…と
読んでおいて良かった…と素直に思えました。
それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介します。
これだけ広告がふくれ上がり、
それだけ広告の影響力が大きくなっているのに、
マスコミが一向に広告の批評を取り上げないということもあります。
本や映画や芝居の批評にはあんなに熱心なマスコミが、
なぜか、広告からは顔をそむけている。
どうも広告の批評をするのは、
商売上、タブーのようになっているらしいのです。
(P.7)
ばさばさに乾いてゆく心を
人のせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
(P.32.34)
広告主というのは、
ある日突然私たちの前に二個の1ドル硬貨をもって現われ、
この右手にもってる私の1ドル硬貨が、
左手の他人の1ドル硬貨よりも、
あるいは他のどの1ドル硬貨よりも
ずっとすばらしいものであることを
君に実証してもらいたい、
よろしく頼むゾ、
と言って硬貨を置いて帰る男のことだ。
(P.41)
何度も言うようですが、
どんなものにもいい面と悪い面が同居している。
とすれば、そのいい面をどう味方にし、
悪い面をどう征伐するか。
その知恵が、僕たちに必要なのではないか、
という気がします。
(P.57)
広告コピーとは商品をダシにして
おのれを語ることだ。
(P.61)
忘れられないためには、
繰り返し顔を出す。
(P.85)
ものごとをやさしくするってこういうことか、
むずかしいままやさしくする方法というのがあるんだな、
ということをつくづく実感した。
変に情緒で包んだり、
かみくだいたりしない、
むずかしいものはむずかしいままに、
だけどやさしく書かれている。
(P.195)
ね、哲学や倫理に近いでしょ。
評価
おススメ度は ★★★★★ と満点とします。
ホント面白かったですし、
実に勉強になりました。
前述したように
対談も素晴らしいです。
とてつもなく良かったです。
特に糸井重里さんですね。
この人はこんな若い頃から考えている事が
ひと味も、ふた味も違っていたんだな。
聡明かつ賢明、実に鋭い感性の持ち主。
だからこそ今でも活躍しているのでしょう。
糸井重里さんへの興味も益々湧きました。
経営やマーケティングに関わる方には
絶賛おススメいたします。
それでは、また…。
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