ある読書好き医療コンサルタントの書評ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

スモール イズ ビューティフル 人間中心の経済学

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

圧倒的な読書量を誇る方と比較すれば

私なんぞはひよっこみたいなものなんですけど

それでも20歳くらいから

だいたい毎週1冊くらいは読んでいるのですね。

 

別に自慢したいんじゃなくて

1年は52週ですから

だいたい年間60~70冊くらいでしょうか。

 

10年で600~700冊くらい。

30年で1800冊~2100冊くらい…。

 

世界中で発行される書籍を考えたら

1人の人間が読める本なんて

ほんとちっぽけなものなんですよね。

 

ですから時々読みながら

う~ん、この本とはもっと早く出会いたかったぞ…と

思うことがしばしばあります。

 

本作品もそうでした…。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 スモール イズ ビューティフル 】 です。

 

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本書をピックアップした理由

『 スモール イズ ビューティフル

  人間中心の経済学 』

E・F・シューマッハ 講談社学術文庫 を読みました。

 

この本も随分と前に購入していたのですが、

なかなか読む気になれなくて

しばらく積ん読になっていました。

 

ところが先日読んだ

マーケティングの未来と日本 という

フィリップ・コトラーの本を読んだ際に

本書が紹介されていて

あ!と思い出したのです。

 

中小企業を経営する私としては

スモール イズ ビューティフルと

声を大にして言いたいところもありますし(笑)、

大は小を兼ねる…に対するアンチテーゼでもありますね。

 

何となく本書は相当に勉強になると思い、

興味津々で読み始めたのでした。 

 

目次

1 現代世界

  1.生産の問題

  2.平和と永続性

  3.経済学の役割

  4.仏教経済学

  5.規模の問題

2 資源

  1.教育ーー最大の資源

  2.正しい土地利用

  3.工業資源

  4.原子力ーー救いか呪いか

  5.人間の顔をもった技術

3 第三世界

  1.開発

  2.中間技術の開発を必要とする社会・経済問題

  3.200万の農村

  4.インドの失業問題

4 組織と所有権

  1.未来予言の機械?

  2.大規模組織の理論

  3.社会主義

  4.所有権

  5.新しい所有の形態
結び

シューマッハーの人と思想 

 

感想

この本はスゴイ!

まだ未読の方には絶賛おススメいたします。

私は「超」が付くほどに勉強になりました。

 

なんと本書は1986年に発行されています。

 

なぜ今まで出会えなかったのか?

もっと早く読みたかったぞ!と

読みながら悔しく思いました。

 

そして2021年の現在でも

本書に書かれている内容が充分に通用すること、

いやそれどころか

場合によっては1986年当時よりも

切迫しているところもあり、

人類の英知とは何なのだろう?と痛感です。

 

私たちは歴史に学ばねばいけない。

過去の知見を活かすべきところは山ほどある。

そう思いましたね。

 

それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介します。

 

現代のいちばん重大な誤りは、

「生産の問題」は解決済みだという思い込みである。

(P.18)

 

ケインズ卿は「孫の時代の経済情勢」に思いをこらし、

みんなが豊かになる時代は

さして遠くないという結論を得た。

そうなれば、人は

「ふたたび手段よりも目的を高く評価し、

 利よりも善を選ぶ」だろう、と彼はいう。

さらにケインズ卿は

「だが、ご用心あれ。まだその時は到来していない。

 あと少なくとも百年間は、

 いいは悪いで悪いはいいと、

 自分にも人にも言い聞かせなければならない。

 悪いことこそ役に立つからだ。

 貪欲と高利と警戒心とを、

 まだしばらくの間われわれの神としなければならないだろう。

 これによってはじめて経済的窮乏というトンネルから抜け出て、

 陽の目を見ることができるのだから」といっている。

(P.31~32)

 

新しい問題というのは、

たまたま何かが失敗したから生じるのではなくて、

技術的成功の結果起きるのである。

だが、ここでも多くの人たちはこの問題を、

楽観論をとるか悲観論をとるかという

次元でしか論じようとしない。

楽観論者は「科学が解決してくれる」と胸を張って主張する。

私の考えでは、彼らが正しいとすれば、

それは科学の探求の方向が意識的に、

また根底から転換した場合に限る。

過去百年間の科学・技術の発展のもとでは、

危険の増大のスピードが早すぎて、

こうした転換の芽はつぶされてきた。

(P.39)

 

経済の観点からすると、

英知の中心概念は永続性である。

われわれは永続性の経済学を学ばなくてはならない。

不合理な事態に陥ることなしに、

長期間続くことが確かでない限り、

なにごとも経済的に意味がない。

限定された目標に向かっての「成長」はあってもよいが、

際限のない、全面的な成長というものはありえない。

(P.43)

 

人間の知識というものは、

知識よりははるかに危険に依存しているので、

小さくて、しかも不完全なものである。

この一事だけでも、

小さいことの中に英知が潜んでいることがわかる。

(P.46)

 

豊かさが増すにしたがって、

経済学が人びとの主たる関心事となり、

経済の実績、成長、発展などが先進社会の、

脅迫観念とはいわないまでも、

普段の関心事になってきた、

といっても誇張ではあるまい。

今日、人が口にする非難の言葉の中で

「不経済」という言葉ほど決定的なものはない。

ある行為が不経済というレッテルを貼られると、

その存在の権利が疑われるどころか、

強く否定されてしまうのである。

経済成長を妨げているとわかれば、

なにごとでも恥ずべきことであり、

それをやめない人は妨害者か阿呆と見られてしまう。

ある行為を不道徳とか、醜悪だとか、

単調だとか、ないしは人間を堕落させるとか、

世界の平和や子孫の繁栄を脅かすとかの理由で

どんなに批判してみても、

それが「不経済」だと証明できなければ、

その行為の存在価値を

本当に否定することにはならないのである。

(P.55)

 

仕事というものの性質が正しく把握され、

実行されるならば、

仕事と人間の高尚な能力との関係は、

食物と身体の関係と同じになるだろう。

仕事は人間を向上させ、活力を与え、

その最高の能力を引き出すように促す。

仕事は人間の自由意思を正しい方向に向け、

人間の中に住む野獣を手なずけて、

よい道を歩ませる。

仕事は人間がその価値感を明らかにし、

人格を向上する上で最良の舞台になる。

(P.72~73) 

 

規模に関する人間の要求には

二面があるということである。

ただ一つの答えというものはない。

目的によって、小規模なもの、大規模なもの、

排他的なもの、開放的なものというふうに、

さまざまな組織、構造が必要になる。

(P.85)

 

教育の核心は価値の伝達にあると述べたが、

価値はわれわれの身につき、

精神のいわば一部にならない限り、

人生の導き手としては役に立たない。

ということは価値というものは公式や

教義以上のものだということであり、

また人の思考と感情につねについてまわり、

世の中を眺め、解釈し、体験する上での手段・道具である、

ということでもある。

人がものを考えるとき、ただ考えるのではない。

観念を用いて考えるのである。

精神は白紙ではない。

いざ考えはじめようとするとき、

考える道具としての観念があらかじめ精神の中になければ、

思考は不可能である。

(P.104)

 

教育が抱えている問題は、

現代のもっともむずかしい問題を

そのまま反映したものである。

問題は組織や管理やカネによっては解決できない。

これらのものがそれぞれに重要なことは否定しないが。

われわれの病いは形而上学的な性質のものであるから、

治療法も形而上学的たらざるをえない。

根本的確信の是非を明らかにできないような教育は、

練習か遊びにすぎない。

なぜならば、混迷に陥っているのは

われわれの根本的確信そのものであり、

しかも今日の形而上学的風潮が改まらない限り、

この混迷は悪化の一途をたどるからである。

教育は人類の最大の資源としての地位から転落して、

「最高なるものの腐敗は最悪なり」の原則にしたがって、

破壊の道具になりさがってしまうだろう。

(P.130)

 

世の中には、

自己目的としてすることもあり、

また別の目的のためにすることもあるのがつねである。

どんな社会でも、

いちばんたいじなことは目的と手段とを区別すること、

しかもその区別について

一貫した考えと意見の一致をもつことである。

(P.137)

 

問題は研究の方向である。

その方向は暴力ではなく非暴力、

自然界を敵にまわすのではなく友とする協力関係、

騒々しくエネルギーを多く使い、

残忍で無駄でゴタゴタした科学・技術ではなくて、

静かでエネルギーの消費が少なく、

すっきりした、経済的でもある方法

(これが自然界の応報である)を目指すべきである。

(P.187)

 

一般的にいえば、

自然界は成長・発展を

いつどこで止めるかを心得ているといえる。

成長は神秘に満ちているが、

それ以上に神秘的なのは、

成長がおのずと止まることである。

自然界のすべてのものには、

大きさ、早さ、力に限度がある。

だから、人間もその一部である自然界には、

均衡、調節、浄化の力が働いているのである。

技術にはこれがない。

(P.195)

 

技術を再検討してみると、

われわれの掌中には、

新しい知識の山や、

知識をさらに増やす優れた技術や、

知識の応用の分野での厖大な経験のあることがわかる。

これらは一つ一つが真理である。

この真理から巨大主義や超音速や暴力や

人間らしい仕事の喜びをぶちこわす技術が、

必然的に生まれているわけではない。

この知識のこれまでの利用の仕方は、

ありうべき利用の一つにすぎないし、

現在ますます明らかになってきたように、

愚かしく、非建設的な利用法である場合が多いのである。

(P.201)

 

世界中の貧しい人たちを救うのは、

大量生産ではなく、

大衆による生産である。

(P.204)

 

本当に役に立つことは、

中央からの指令ではできないし、

大組織にはできない。

しかし、民衆自身にはできるのである。

(P.286)

 

知識は過去のものごとについてしかありえない。

未来はつねに未完成であるが、

ただ、それはだいたいにおいて

今あるものを材料として作られるわけであり、

この材料については、

多くのことを知りうる。

そこで、もしも過去について確実な知識が十分にあれば、

未来はだいたいにおいて予言できる。

だいたいにおいて、であって、

けっしてすべてではない。

そのわけは、未来を現実にしていく上で、

人間の自由という例の玄妙で

生命力に満ちた要因が入ってくるからである。

(P.297~298)

 

いちばんだいじなことは、

大きな組織の中に小さい単位を作り出すことである。

(P.316)

 

人間にとっての本当の問題は、

すべて秩序と自由の二律背反から生まれてくる。

二律背反とは、二つの原則の対立、

権威の葛藤であり、

いずれも根拠のある原則間の対立のことである。

結構なことではないか。

それがまさに人生である。

人生は二律背反に満ちていて、

論理では律しきれない。

たしかに、秩序や計画や予言の可能性だとか、

中央による統制、実行の責任、

部下への指図、服従、規律といったものがなければ、

すべてがバラバラになってしまうので、

実のある成果も生まれない。

にもかかわらず、無秩序のおおらかさ、気ままの楽しさ、

未知で見当もつかない領域でふみこんでいく

企業家精神がなければ、

また危険や賭けもなく、

官僚主義者が恐れて近づかないところへ飛びこんでいく

創造的な想像力がなければ、

人生は味気ないまがいものになる。

(P.326)

 

科学・技術の力の発達に夢中になって、

現代人は資源を使い捨て、

自然を壊す生産体制と

人間を不具にするような社会を作り上げてしまった。

冨さえ増えれば、すべてがうまくいくと考えられた。

カネは万能とされた。

正義や調和や美や健康まで含めて、

非物質的な価値は、カネでは買えなくても、

カネさえあればなしですませられるか、

その償いはつくというわけである。

(P.380)

 

分別よりさらに大きなこの知恵があってはじめて、

正義と勇気と節制を身につけることができる。

節制というのは、

足るを知ることを意味する。

「知恵とは真理の知識を現実に即した

 決定に変えることを意味する」とすれば、

この知恵を学び、育てること以上に

重要なことが今日あるだろうか。

知恵さえあれば、

文明が生きのびるのに絶対欠かせない

他の三つの徳目を深く理解できるようになることは、

まず間違いないのである。

(P.385)

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。 

 

組織の幹部の方々や

部下を持つ人はすべからく読んだほうがいいと思います。

 

どうしても私たちは現代社会に毒されています。

本書には解毒作用があるように感じました。

 

当たり前と思っていたものが当たり前ではない。

常識を打ち破る。

 

そんな効果がありますし、

理想の組織とは何ぞや?

理想の生き方とはどういうもの?という

思考のきっかけが散りばめられています。

 

遅ればせながらですが、

私は本書と出会えたことを

心から幸せに感じます。

 

それでは、また…。 

 

 

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