おはようございます。
読書がライフワークになっている
医療業界のコンサルタント
ジーネット株式会社の小野勝広です。
何度でも書きますが、
賢者は歴史に学び、愚者は自らの経験に学ぶ。
そういうものだと思います。
我が国にはせっかく多くの偉人がいるわけですから
学ばないのは損ですよね。
この人物文庫シリーズは
その意味では最適です。
今後も読み続けてまいります。
今回ご紹介する書籍は、
【 岩崎 弥太郎 】 です。
本書をピックアップした理由
『 岩崎 弥太郎 』
村上 元三 人物文庫 を読みました。
知っているようで詳しく知らない。
私にとっての岩崎弥太郎は
こんな感じでした。
少し前から勉強したいと思っていて、
実は岩崎弥太郎の本を3冊ほど買ってあるんです。
そろそろ読まねば…と思い、
選んだのが本書です。
歴史小説ですから
フィクションも混じっているのでしょうが、
その分わかりやすさもあるでしょう。
上下巻、読んでる時間あるか?と思いつつも
今読まねばしばらく読まないだろうと考え、
思い切って手に取ったのでした。
目次
山内家御用
京白粉
二十四万二千石
土佐の鰹節
売言葉に買言葉
土の匂い
筋違見付
五両二分
井ノ口村
涎
狂人の守り
郡奉行所
蒸気船の模型
才谷屋の女仁王
土佐っぽ
君側の奸
馬と舟
長崎坂道
浪華楼の井筒
ぶらぶら節
玳瑁の櫛
海晏寺
二つの生き方
檜笠説法
堤防工事
吉田屋敷
第三組の刺客
東洋暗殺
赤い手拭
政変
長崎便り
英商グラバ
いろは丸事件
英人斬り
ライフル小銃
大坂土佐商会
龍馬の死
長崎騒動
時変転変
明治二年
小鬢の白髪
容堂談義
手結の餅
歳の市
お愛お鯉
隅田川の風
容堂の馬
大阪新景
土佐屋善兵衛
三角菱
ご馳走政策
大阪の夏
家族問答
ドンドン節
三菱
大阪東京
無届旅行
戦雲
台湾派兵
月給半減
高島
後藤の溜息
勲四等
政変
大岩小岩
長崎の夢
感想
上下巻を読み終えた今、
率直に面白かった~とは思います。
ただ、ただですね、
どうもスッキリした感がないんです。
それは…。
幕末の土佐藩。
外様大名の山内家が治めていたわけですが、
上士と郷士が区分けされ、
山内家の家臣と旧長宗我部家の家臣が入り混じり
なかなか複雑な状況だったのですね。
どうも土佐藩というと
坂本龍馬!となりがちですし、
当時の藩主である山内容堂も
酒飲み?というイメージだけです(苦笑)。
それなりに著名な人物はいますが、
どうしても薩長と比較すると
小粒な感じは否めません。
そこで岩崎弥太郎です。
郷士株を売ってしまった地下浪人の子として生まれ、
元郷士ではあるものの
家柄としては相当に不利なスタート。
しかし幕末の動乱期が
弥太郎を世に出すこととなり、
藩から長崎に派遣され
外国人商人との関係性を作り、
それが後々功を奏すことになります。
土佐藩24万2000石のパワーを活用し、
上士でありながら腐れ縁を持つ檜笠東之助に知己を得て、
藩主である山内容堂からも買われたようで、
いつの間にやら明治の土佐藩を代表する人物になっていきます。
ところがです。
岩崎弥太郎には運はあったと思いますし、
時代に乗ったとも言えますし、
檜笠東之助に後押しされたというのもありますけど、
どうも私には成功者が持つ
才能や努力が全く感じられないのですね。
これが前述したスッキリ感がないというところに
繋がっているのですが、
ぶっちゃけ、性格的にはかなり問題があったようですし、
出身地である村や、
藩のなかでも嫌われ者なんですね。
当時の武士は尊王攘夷だ、
いや佐幕だと活発な政治的活動をしていましたが、
檜笠東之助のアドバイスもあり、
弥太郎は商売1本で突き進んできたわけで、
成功の理由は強いて言うならこれだけです。
う~ん、岩崎弥太郎
スゲー!ってなところがないんです。
山内容堂は名誉職は受けるものの
ほとんど楽隠居のような状態。
中央で活躍をするのですが、
しかし薩長と比較するとこれまた小粒。
板垣退助はその後は
自由民権運動の中心人物として大活躍をしていくものの
本来は総理大臣になってもおかしくない人のはず。
今ひとつ残念。
もちろん議会創設など功績は大きいと思いますが。
で、弥太郎ですが、
商人道を着々と歩み
後藤や板垣とは別の道ではあるのですが、
むしろそれが良かった。
土佐藩の船や土佐商会を譲り受け、
政府直轄の新たに設立された会社たちとの戦いに勝ち、
徐々に商売を大きくしていきます。
弟の弥之助に加えて、
石川七財、川田小一郎、森田晋三という
信頼の置ける三羽ガラスが支えてくれたのは
相当に大きかったようです。
この人材こそが
弥太郎の成功要因としては大きかったのでしょう。
あとは時代が味方したという点。
弥太郎が商売を一気に伸ばしたのは、
兵士や武器や物資の運搬を
半ば独占的に請け負えたのが大きく、
戦争成金と揶揄する新聞もあったとか。
正直、弥太郎の凄さを感じることができず、
あまり納得感がないまま読み終えてしまいました。
三井や住友という財閥と比較すると
後発組である三菱。
どうやら弥太郎亡き後は弟の弥之助が
海から陸へと方針転換し、
炭鉱、鉱山、銀行、造船、地所、水道など
ビジネスを広げていき、
弥太郎の長男である岩崎久弥、
さらに弥之助の長男である岩崎小弥太が
三菱の骨格を作り上げていったようです。
本書では坂本龍馬の志を
岩崎弥太郎が継いだようなことも書かれてますが、
それも正直ピンと来ない。
小説としては面白かったのですが、
岩崎弥太郎という人物には
どうもリスペクトできずに
この人は何が凄かったのか?
何だか納得できない。
再三言いますが、
スッキリしないんですよね~。
他の本も読んでみて
いつか確認しようと思ってます。
評価
おススメ度は ★★★★☆ といたします。
一応、歴史好きを広言している私ですが、
思いの外、土佐に対する知識がない事に気づき
愕然としました。
坂本龍馬に尽きてしまっていたのですね。
これは反省。
もう少し土佐について勉強します。
私の妻の家系は武市半平太に近いお家だったそうですし、
私が大学生の時は
高知出身の友人が多かったというご縁もありますので
もう少し土佐に興味を持ってみます。
ただ板垣退助は以前から好きな人物で
結構本も読みました。
私にとって土佐の偉人といえば
板垣退助なんですよね。
岩崎弥太郎じゃないんです(笑)。
ストーリーは面白かったですし、
本としてはおススメできるんですけど
弥太郎はねえ。
今度は違う角度から学んでみます。
それでは、また…。
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