ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

プラットフォーム戦略 21世紀の競争を支配する「場をつくる」技術

 

おはようございます。

 

毎日の読書が欠かせない

医療コンサルタントとして学び続ける

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

しかし私の読書の範囲は

我ながら広いなあと思います。

 

ある意味では雑食系でしょうか?

 

でもそれでいいのです。

私はゼネラリストと自分を位置付けてますから

多様な知識を身に付けたいのです。

 

ま、一応は人を知る、社会の構図を知るという

テーマはあるんですけどね。 

 

今回ご紹介するのは、

【 プラットフォーム戦略

 21世紀の競争を支配する「場をつくる」技術 】 です。

 

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本書をピックアップした理由

『 プラットフォーム戦略

 21世紀の競争を支配する「場をつくる」技術 』 

平野 敦士 カール アンドレイ・ハギウ

東洋経済新報社 を読みました。

 

この本をブックオフで見つけた時に、

お!っと思ったのです。

 

しかし巻末を見ると

発行されたのは2010年7月。

う~ん、10年前か。

 

こういう経営戦略の書籍で10年前ってのは

さすがに古すぎるかな…とは思うものの

中身をパラパラと捲ってみると

あれ、意外と面白そう。

勉強になりそう。

 

200円だし(笑)、

まあ読んでみるかと思い購入。

 

買うと気になるもので

早速読み始めたのでした。 

 

目次

1 世界最先端のプラットフォーム戦略とは?

・合コンでは幹事が一番得をする

・世界最古のクレジットカードは食事のクラブ

・プラットフォーム・ビジネスはエコシステム

・プラットフォームの5つの機能

・いまプラットフォーム戦略が注目されている4つの理由

 

2 ケースで学ぶ勝つ

  プラットフォーム構築のための9つのフレームワーク

・勝てるプラットフォームの3つの特徴

・プラットフォーム構築の9つのフレームワーク

 

3 プラットフォームの横暴にどう対処するべきか

・プラットフォームの横暴

・戦略的プレーヤーの場合の対処方法

・戦略的プレーヤーではない場合の対処方法

 

4 フリー、オープン化という「負けない」戦略

フリーミアムはプラットフォームの横暴?

ソーシャルメディアでのアプリケーションはなぜ儲からないか

・なぜグーグルは携帯電話端末を発売したのか

・日本のSNSの戦略

 

5 日本企業復活への処方箋

・日本の産業再生に欠かせないプラットフォーム戦略思考

・日本企業は何をすべきかー「はじめからグローバル」への転換が急務

電子書籍プラットフォームはビッグチャンス 

 

感想

プラットフォーム戦略。

 

ビジネストレンドになって久しいですが、

Amazon楽天などの大企業が

多額の投資をしてするものだ…という時代から

知恵とアイデアで中小企業が

仕掛ける時代に変わってきていると

私は考えておりました。

 

大企業がプラットフォームを作り、

中小企業がそれに群がる。

 

ずっとそんな時代が続いてきたわけですが、

オンラインサロンのように

個人や中小企業でも似た仕組みを活用することが

段々とできるようになっていますよね。

 

それもあって本書に興味を持ったのですが、

読んで正解でした。

 

本書はプラットフォーム戦略の基礎、

つまり教科書的な学びができます。

 

ただマーケッターや

業務上で取り組んできた人には

ちょっと物足りないだろうなとは思います。

 

まず大枠の概念を知り、

自社や自分の業界の特性に合わせて

どんなビジネスモデルが作れるか?みたいな事を

考えている私のような人間には最適な内容でした。

 

決して深い内容ではありませんが、

戦略的な概念や

戦術的な基本、

そして注意すべき事項などが

大変にわかりやすく手に入れる事ができます。

 

現在はコロナ禍で

多くの会社が経営方針を見直している時代です。

 

大企業のようなプラットフォーム戦略は

なかなか実行できませんが、

中小企業ならではのプラットフォーム戦略は

あって然るべきですし、

むしろ中小ならではの領域とか、

ニッチなターゲティングとか、

大きな売上にはならないけど

安定的な売上は確保できるなど、

大手が進出しないところで

手を打つ事ができるんじゃないか?

そんな事を考えました。

 

自分の会社に当てはめても

いくつかアイデアが浮かんできましたので、

実行して、試行錯誤してみようと思います。

 

おそらくその度に本書のポイントを

再確認する事でしょう。

 

基本を学ぶ書籍としては

充分に合格ですし、

意外と古さを感じないところも良かったです。

 

それでは恒例の私がグッと来た箇所をご紹介します。

 

プラットフォーム戦略とは、

1、多くの関係するグループを「場」(プラットフォーム)に乗せ、

2、マッチングや集客などさまざまな機能を提供し、

3、検索や広告などのコストを減らし、

4、口コミなどの外部ネットワーク効果を創造する

ことで、新しい事業のエコシステムを構築するという戦略です。

(P.6)

 

プラットフォームへの参加は諸刃の剣にもなります。

うまく利用すれば効率化や顧客リーチの拡大になります。

しかし具体的な戦略がないままに

プラットフォームを利用していると 、

あなたの会社はプラットフォームの拡大に貢献をするだけで、

いつの間にか支配されて

顧客コントロール力を失ってしまい、

同じプラットフォーム上の競合との差別化が

できなくなってしまっているという事態が

起きる危険があるのです。

(P.8~9)

 

「ターゲットのターゲットはターゲット」

(P.48)

 

あらゆるコンテンツが、

バイスを選ばずに配信されていく

世界になっていくでしょう。

もはや従来の産業の枠組みでは

説明が難しくなっているのです。

(中略)

あなたの会社のみならず、

産業自体がなくなっていく可能性すらあるのです。

その際に重要となるのが

プラットフォーム戦略なのです。

(P.56)

 

短期的に成功しても、

かならずそれを模倣する競合が現れてくることは

歴史を見れば明らかです。

プラットフォーマーはつねに進化することを

余儀なくされているのです。

(中略)

多くの成功しているプラットフォームは、

かならずしも最初に誕生したものではありません。

このことが、長期的な戦略の重要性を物語っています。

プラットフォームにおいては、

ファーストムーバー・アドバンテージ、

すなわち最初にリスクをとって参入したものが

勝利するという法則が成り立たないのは

特筆すべき点です。

(P.93)

 

日本独自の企業系列のしがらみの中でできあがった

「モノづくりこそが主役であり、

ソフトウェア開発は下請け事業、受託事業」という

発想に問題があるのではないでしょうか?

(P.202) 

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

いつかは開業を検討している先生ですとか、

現在進行形で開業準備を進めている先生ですとか、

すでに開業医になっているけれども

集患マーケティングに悩んでいる先生などには

とても参考になるんじゃないかと思います。

 

また本来は病院というのは

地域のプラットフォーム的なポジショニングでもあり、

戦略を持って役割を考えるのにも本書は有益です。

 

もちろんビジネスパーソンにとっては

知っておかねばならないビジネススタイルですし、

本来は個々がこういった戦略について考え、

組織として仕掛けていかねばならないのでしょうね。

 

すでに事業構築に関わっている方には

わかりきった内容かもしれませんが、

ビジネスマンとしてもうひと皮向けたい方や

貪欲に学んで知識やビジネスモデルを仕入れたい方には

きっとよい勉強になると思います。

 

プラットフォーム戦略が

すべてを解決するなんて事はありませんが、

少なくとも自社ならではの

フレームワークとして検討に値するのでしょう。

 

なんて偉そうな事を言ってないで

私は自社で何ができるか?

早速今から考えてみます。

 

それでは、また…。 

 

 

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