ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

言ってはいけない 残酷すぎる真実

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

読書の仕方は人それぞれだと思います。

 

当ブログの読者さまはご存知の通り

私はどちらかというと「乱読派」です。

 

好きな作家や

好きなジャンルは多少ありますけど

どなたかにおススメされると

素直にチャレンジしてみることも多いですし、

本のなかで紹介された本を読んでみたり、

仕事に関する本もあれば、

人生やキャリアに関する本も読みます。

 

本格的に読書するようになったのは

20才を過ぎた頃からですが、

考えてみればその頃から乱読してましたね。

 

別に学者になるわけでもありませんし、

専門であるキャリアの領域は

ベースに人生観が必要ですし、

哲学や社会学、歴史や医療関係など

様々なものがすべてプラスになると感じています。

 

賛否両論あるかもしれませんが、

おそらく乱読傾向は変わらないと思います。

 

むしろ乱読の幅を狭めぬように

「超」乱読するつもりで

今後も読書を続けてまいります。

 

今回ご紹介する書籍は、

言ってはいけない 残酷すぎる真実 です。

 

f:id:ka162701:20211223154213j:plain

 

本書をピックアップした理由

言ってはいけない 残酷すぎる真実

橘 玲 新潮新書 を読みました。

 

何でしょうね。

怖いもの見たさみたいなものでしょうか。

本書はタイトルに惹かれたのです。

 

ただ購入後しばらく積ん読になってました。

まあいつものごとくなんですけど…。

 

ちょうど頭を少し休めたいというのもあったし、

新書くらいがちょうどいいかと思い

特に理由があるわけではなく

手に取ってみたのでした。

 

目次

Ⅰ 努力は遺伝に勝てないのか

① 遺伝にまつわる語られざるタブー

② 「頭がよくなる」とはどういうことかー知能のタブー

③ 知識社会で勝ち抜く人、最貧困層に堕ちる人

④ 進化がもたらす、残酷なレイプは防げるか

⑤ 反社会的人間はどのように生まれるか

 

Ⅱ あまりに残酷な「美貌格差」

⑥ 見た目」で人生は決まるー容貌のタブー

⑦ あまりに残酷な「美貌格差」

⑧ 男女平等が妨げる「女性の幸福」について

⑨ 結婚相手選びとセックスにおける残酷な現実

⑩ 女性はなぜエクスタシーで叫ぶのか?

 

Ⅲ 子育てや教育は子どもの成長に関係ない

⑪ わたしはどのように「わたし」になるのか

⑫ 親子の語られざる真実

⑬ 「遺伝子と環境」が引き起こす残酷な真実)

 

感想

う~ん、どうでしょうね~。

おそらく本書は賛否両論が

かなりあるでしょうし、

「否」のほうが多いのかなあ。

 

それも著者は承知の上であり、

まえがきの冒頭では…

「最初に断っておくが、

 これは不愉快な本だ。

 だから、気分よく一日を終わりたいひとは

 読むのをやめたほうがいい。」

と述べているんです。

 

いきなりこれです(笑)。

おいおい大丈夫かよ…と思いますよね。

 

続いて

「だったらなぜこんな本を書いたのか。

 それは、世の中に必要だから。」

 

ふむ…じゃ読んでみるかと思い直して

読み進めていきますと

上記の目次にもありますけど

かなりタブーに突っ込んでいきます。

 

この世の常識を覆すような論調は

それはそれで興味深くはありますけど

どうも私にはこれが真理とは思えないんです。

 

あたかもエビデンスはバッチリ的なスタンスで

さまざまな研究者の成果を紹介するけれども

これが真理なら

いくら為政者にとって都合が悪かろうが

多くの人民が敬遠しようが

やはり真実は広がると思うんですよね。

 

だいたい著者は作家であり、

決して科学者ではない。

 

遺伝子なんて素人が語れるようなものでありませんし、

日進月歩で真理も変わるわけですから

こんな決めつけの論調はどうなんだろう。

 

著者の提示するエビデンス

そのほとんどが海外の科学者の論文ですが、

それが必ず正しいとは断定できないと思うんですね。

 

その意味では本書は非常に危なっかしい。

イチ作家の個人的見解ならいいですが、

そうなら小説として書き上げて欲しいですね。

 

フィクションならどんなことを書いてもいいですが、

ノンフィクションとして書くには

作家の限界があるように感じました。

 

ひとつ間違えば

トンデモ本の仲間入りをしてしまいますし、

著者の専門外のことを

ここまで自信満々で述べてしまうのは

知的水準として問題があるような…。

 

というか出版社も金儲けばかりではなく、

これは止めなきゃいけないんじゃないかな。

 

決して世の中に必要とは思えないし、

むしろ害悪になりかねないでしょう。

 

表現の自由といえばそれまでですけど、

本業は作家ですから

ストーリー展開や文章の構成力はさすがなんですけど

だからこそ、それだけに、

かなりの問題作のように思いました。

 

進化心理学とか、

面白い切り口はあるのですが

科学的であるのか?という点では

ちょっと不安があります。

 

本書を読んで、

真に受ける人はそれほどいないと思いますし、

これが真理だ!と信じる人も少なそうですが、

それでも、ごく一部でも、

そういう方が出てしまったら

その社会的悪影響は問題じゃないでしょうか。

 

別にすべてが間違っているとは思わないし、

一部は正当な主張なのかもしれませんけど、

すべてが正しいとは思えません。

 

おそらく科学界は認めないでしょうし、

だから著者はタブーに切り込むと言うのでしょうけど

そうじゃないような感じを受けて仕方がありません。

 

別に専門外について

語ってはいけないなんて

言うつもりはありませんけど、

著者は専門の内容が優れているだけに

あえてこういう分野に進出しなくていいのに…。

 

そんなことを考えました。

 

評価

おススメ度は ★★☆☆☆ と厳しめにします。

 

タイトルには興味を持ったのですが

内容はちょっと残念だったと言わざるを得ません。

 

著者ならば

このタイトルで

他の領域で

もっとユニークかつ刺激的で

世のため人のためになる内容が書けるだろうに。

 

なぜこの領域に進出する?と

すご~く疑問を感じました。

 

随分前に著者の別の本を読み、

金融関係では勉強になっただけに

少し残念でしたね。

 

それでは、また…。

 

 

*ジーネットTV 毎週新着動画をアップしています!

医師キャリア相談

*ZOOMキャリア相談を無料で行っています。

 

ジーネットが発信する情報提供サイトはこちらです!>
ジーネット株式会社 公式ホームページ
医療ビジネス健全化協議会<IBIKEN>ドクター向け情報提供サイト
ジーネット株式会社 <社長のtwitter>
ジーネット株式会社 <社長のfacebookページ>

よろしければ下記もポチっとお願いします!
      にほんブログ村 転職キャリアブログへ

診療圏調査バナー