ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

本を読む本

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

自分で言うのも何ですが、

スペシャルな取り柄がない私ですけど

読書が好きであるという点だけは

神様からの贈り物ではないですけど

本当に身についていて良かったなと思います。

 

両親の影響があったわけでもないですし、

おそらくかなりたまたまではあるんですけど

多分私は読書が嫌いであったら

もっとひどい人生を歩んでいたんじゃないかと

恐ろしさを感じています。

 

きっと10年後も、20年後も

自分なりに本は読み続けるのだろうなと思いますし、

そんな自分を好意的に感じています。

 

ここ10数年は

だいたい週に1冊のペースで読めていまして

私にとってはちょうど良さそうです。

 

仕事を引退したら

1日中読書をするのもいいかと思ってますし、

今よりも焦らずにゆっくり読むのも良さそうです。

 

そう考えると

読書は私自身の人生を豊かにしているんだなと

つくづく感じますね。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 本を読む本 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 本を読む本 』

モーティマー・J・アドラー、チャールズ・V・ドーレン

訳 外山 滋比古 槇 未知子

講談社学術文庫 を読みました。

 

最近、この講談社学術文庫が好きになり、

私の積ん読本棚にはまだ数冊が置かれています。

 

本書は何で知ったのかは忘れましたけど

下記の内容案内を読んだときに

おお、必読じゃ!と思ったのですね。

 

1940年米国で刊行されて以来、

世界各国で翻訳され読みつがれてきた。

読むに値する良書とは何か、

読書の本来の意味とは何かを考え、

知的かつ実際的な読書の技術をわかりやすく解説している。

 

初級読書に始まり、

点検読書や分析読書をへて、

最終レベルにいたるまでの具体的な方法を示し、

読者を積極的な読書へと導く。

 

単なる読書技術にとどまることなく、

自らを高めるための最高の手引書。

 

これは読書好きを広言する自分は

絶対に読まなきゃアカンでしょと思えましたので

そろそろ頃合いかと思い読み始めました。

 

目次

第1部 読書の意味

第2部 分析読書

第3部 文学の読みかた

第4部 読書の最終目標

 

感想

えっとですね、

正直、本書に対しての私の期待度は

相当に高かったのですね。

 

一応、読書好きを広言していますので

さらに読書をより良いものにするための

ヒントが満載であって

かなりの学びになるだろうと

勝手にバーを物凄く上げてしまっていたのです。

 

いや、面白かったですし、

それなりには勉強になったんですよ。

ただ期待値が上がり過ぎていて、

若干満足できないところがあったのは確かです。

 

良い本だと思いますし、

すごく参考になる人も多いでしょう。

 

私の場合は読むタイミングがズレたのかもしれません。

もっと早く出会いたかったです。

 

そうは言っても、

人生を豊かにし、教養を高めるために、

有効な読書術を紹介する本としては有効です。

 

まだ読書が習慣化できていない方や

読書に疑問があったり、

読書を楽しめない方には

ヒントが散りばめられているかもしれません。

 

それでは恒例の私がグッときた箇所をご紹介します。

 

いまの私たちは、

世界について昔より多くを知ることが

できるようになっている。

それは恵まれている。

深く理解するために、

多く知ることが絶対に必要であるなら、

それも結構だろう。

だが一から十まで知らなくても

物事を理解することはできる。

情報過多は、

むしろ理解の妨げになることさえある。

われわれ現代人は、

情報の洪水の中でかえって

物事の正しい姿が見えなくなってしまっている。

(P.15)

 

1940年に書かれた本書でこれですから、

インターネットが広まった現代社会なら

なおさらなのでしょうね。

 

情報リテラシーを持って、

取捨選別していかないと

私たちは有益な情報を活かすことが

できなくなるかもしれません。

 

有害な情報に翻弄されてはいけませんね。

 

点検読書、拾い読み、下読みのヒント

1、表題や序文を見ること。

2、本の構造を知るために目次を調べる。

3、索引を調べる。

4、カバーに書いてあるうたい文句を読む。

5、その本の議論のかなめと思われる

  いくつかの章をよく見ること。

6、ところどころ拾い読みしてみる。

(P.40~43)

 

読書術の基本とも言えるでしょうか。

本が苦手な人はあまり難しく考えずに

これを実践してみるのもいいかもしれません。

 

「読んでいるあいだに質問をすること。

 その質問には、さらに読書をつづけているあいだに、

 自分自身で回答するよう努力すること」。

約束事とはこれである。

どんな質問でもよいというわけではない。

第二レベル以上の読書の技術は、

正しい質問を正しい順序でする習慣をつけることである。

どんな本を読む場合でも、

読者がしなくてはならない質問は、次の四つである。

1、全体として何に関する本か。

2、何がどのように詳しく述べられているか。

3、その本は全体として真実か、

  あるいはどの部分が真実か。

4、それにどんな意義があるのか。

(P.53~54) 

 

本を読みながら本や著者と対話する。

これができたら読後の価値は高まりそうですね。

相当に身になりそうです。

 

家に住みやすい家と住みにくい家があるように、

本の読みやすさの程度にもいろいろある。

もっとも読みやすい本は、

著者が建築的に成功した作品である。

もっとも良い本とは

もっとも明確な構造をもったものである。

できの悪い本にくらべると複雑なのが普通だが、

より複雑であるということはまた、

より単純であるということでもある。

良い本は部分の組織と、

統一がすぐれているからである。

(P.90)

 

本の仕組みとか構図、構造などは

あんまり考えたことがありませんでしたが、

言われてみてなるほどと腑に落ちました。

 

「わからないということをまず知ること」が

本を読むときの重要な作業の一つであることは、

いまさら言うまでもない。

自然でも、書物でも、

そこから何かを学ぶには、

まず疑問をもつこと、が第一歩である。

理解できない箇所の意味を問うことをなおざりにしては、

本から洞察を得ることはできない。

(P.134)

 

わからない。だから知りたい。

人間の知識欲に終わりはありませんし、

わからないことに気づける間は

どこまでも成長できるのでしょうね。

 

著者との対話から得る唯一の利益は、

相手から何かを学ぶことにあり、

読書の成功は、知識を得ることにある。

読者がこのことに思いいたれば、

いたずらに論争するだけでは、

何の益もないことがわかるだろう。

著者に反論したり、

著者の誤りを指摘してはならない、などと

言っているのではない。

「反論するだけでなく、賛成にするにも、

 それなりの準備が必要だ」と言いたいのである。

どちらの立場をとるにせよ、

読者が考慮すべきことは、

ただ一つしかない。

書かれていることが、事実であり、

真実であるかどうかということだけである。

(P.155)

 

素直さ、探求心。

せっかく本を読むのですから

その行為自体を価値あるものにしたいですよね。

 

やはりそこにはコツや秘訣があって

これなどもそのひとつかと思いました。

 

ものごとについて

意見が一致するときは、

共通意見が真実に近いと推定される。

しかし、意見が一致しないときは、

衝突する意見の中に

全面的に真実なものは

一つもないかもしれないし、

そのうち一つだけが、全面的に真実で、

ほかは全部間違っているかもしれない。

しかし、また、それぞれの意見が、

真実の一部分しかあらわしていない、

ということもあり得る。

(P.234)

 

この文章、知性を感じました。

こういう考え方ができる人を知的と呼ぶべきでしょう。

 

政治家や官僚にはいませんね。

ごり押ししか能がない。

 

もっと相手のことを思いやらねばなりません。

それこそが真実に近づく原点です。

 

二流の本は、再読したとき、

奇妙に色あせて見えるものである。

それは、読者の方がいつの間にか成長し、

本の背丈を追いこしてしまったのである。

精神が啓発され理解が深まったのである。

変わったのは本ではなく、読者の方である。

本とこういう再会をすると、

失望を味わうのはやむを得ない。

もっとすぐれた本の場合は、

再会したとき、

本もまた読者とともに成長したように見えるものだ。

読者は前には気づかなかった、

まったく新しい事実を数多く発見する。

これは最初の読みかたが悪かったのではなく、

最初に見すごしていた別の真実が見えてきたのである。

最初の読書で発見した事実は、

読み返しても、やはり真実であることに変わりはない。

(中略)

すぐれた本には賢くなった読者を

さらに向上させるだけのものがあるから、

おそらく読者は一生のあいだ、

その本を読むことによって成長していくことになるだろう。

(P.251~252)

 

こ・これはすごく理解できます。

昔読んですごく面白かったから再読してみると

あ・あれ?こんなんだっけ?と

今まで何度か感じたことがあります。

 

でもこれは自らの成長ですから

歓迎していいのですよね。

 

でも自分の成長がどこまで行っても追いつけない

そんな深い本も存在しますし、

学びって永遠だなとつくづく思いますね。

 

評価

おススメ度は ★★★☆☆ といたします。

 

あくまでも個人的な感想ですので

たぶんもっと高評価をする人は多いのだろうなと

自分でも思います。

 

良い本であることは間違いありませんし、

前述したように充分に学びにはなっているんです。

 

もう少し若い時分に本書と出会っていれば

もっと評価できたのかもしれませんが、

私自身のスタイルができあがってしまっているだけに

(裏を返せば頭が固くなっているのかも…)

変に批評家のようになってしまっているのかもしれません。

 

でも、本を読む本というこのタイトルは

本好きには読まねばならぬという気にさせますよね。

そう思ったらすぐに読むべき本かと思います。

 

それでは、また…。

 

 

*ジーネットTV 毎週新着動画をアップしています!

医師キャリア相談

*ZOOMキャリア相談を無料で行っています。

 

ジーネットが発信する情報提供サイトはこちらです!>
ジーネット株式会社 公式ホームページ
医療ビジネス健全化協議会<IBIKEN>ドクター向け情報提供サイト
ジーネット株式会社 <社長のtwitter>
ジーネット株式会社 <社長のfacebookページ>

よろしければ下記もポチっとお願いします!
      にほんブログ村 転職キャリアブログへ

診療圏調査バナー