ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

働き方 「なぜ働くのか」「いかに働くのか」

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

良くも悪くも

そうしゃかりきになって働かなくとも

生きていける時代ではあります。

 

いろいろ問題はありますが、

セーフティネットはそれなりに機能していますし

それこそ餓死者なんて

わが国ではそう簡単に出ませんよね。

 

まあそれもここ100年くらいの話しであって

戦後の復興が成し遂げられる前は

普通に餓死する人もいたようですから

ある意味では

私たちはとても幸せな時代に

生きていると言えるかもしれません。

 

ただこれからの時代を考えると

「働くとは何か?」

「生きるとは何だ?」

「仕事とは何か?」

「職業とは何だ?」

「労働とは何ぞや?」など

根本的な哲学をしっかり持たないと

生きるどころか、

生かされる存在になってしまうかもしれません。

 

それで良ければいいですが、

すでにベーシックインカムの議論は行われ

現状では賛否両論ではありますが、

もしかしたら近い将来に実現するかもしれません。

 

働かなくても食っていけるんなら

そのほうがいいや!と思う方もいるのでしょうが、

でも、これ、社畜どころか、国畜というか、

嫌な言葉を使うなら国に飼われている??

つまり家畜同然と言えないでしょうか。

 

自分の人生、

自分で切り拓いたほうがいいと思うんですよね。

 

まあ人によりけりなんでしょうけど、

これからの時代、

どう生きるかという人生観、

どう働くかという仕事観、労働観、職業観、

こういったものの重要性が高まっていく、

いや自分のなかで高めていかないと

ベーシックインカムで暮らすようになるんじゃないでしょうか?

 

もちろんそれでいいならいいですし

三者が口を挟むことではありませんが、

少なくとも私は嫌です。

 

自分の力で働き、

自分の好きなように生きます。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 働き方 「なぜ働くのか」「いかに働くのか」 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 働き方 「なぜ働くのか」「いかに働くのか」』

稲盛 和夫 三笠書房 を読みました。

 

私が30代前半の頃だったでしょうか?

なぜか経営本にハマったことがありまして、

著名な経営者の本を読みまくったことがありました。

 

本田宗一郎さん、井深大さん、盛田昭夫さんなど

やたらめったら読んだんです。

 

今思えばなぜでしょうか?(笑)

 

その時に、最も読んだのが京セラの創業者である

稲盛和夫さんでした。

 

10数冊は読んだ記憶があります。

稲盛さんの思想や考え方に感銘を受けたのですね。

 

あれから20年近くが経ち、

たまたま神田古本祭りで本書を見掛けて

即購入しました。

 

あの稲盛さんが「働く」を語るのか?

 

転職エージェントで働く人間としては

こりゃ読まねばあかんと思ったのですね。

 

久しぶりの稲盛さんの著書ということもあり、

大いに楽しみにしながら手に取ったのでした。

 

目次

プロローグ 幸福になる「働き方」

1章 「心を高める」ために働く

    ーなぜ働くのか

2章 「仕事を好きになる」ように働く

    ーいかに仕事に取り組むか

3章 「高い目標」を掲げて働く

    ー誰にも負けない努力を重ねる

4章 今日一日を「一生懸命」に働く

    ー継続は力なり

5章 「完璧主義」で働く

    ーいかにいい仕事をするか

6章 「創造的」に働く

    ー日々、創意工夫を重ねる

エピローグ 「人生・仕事の結果」=「考え方×熱意×能力」

 

感想

本書は多くの人に読んで欲しいです。

そして何を感じ、どんなことを考えたのか?

是非ともディスカッションしてみたいです。

 

稲盛さんも90才になられているようで

さすがに今の時代では

若干古く感じるところはあります。

 

しかし私個人的にはリスペクトしていますし、

稲盛さんのスゴイところは

時代に合っているかどうかではなく、

時代を超越した思想や思考を持っているところです。

 

その意味では本書も読みようによっては

とても参考になりますし勉強になりました。

 

逆に言うと

読みようによっては

時代錯誤感があって

若い方には理解不能のところもあるかもしれません。

 

しかし物事の本質、

特に仕事とは?ビジネスとは?という本質に

稲盛さんらしく切り込んでおり、

そこは若い方にも触れて欲しいです。

 

私にとっては

特に目新しいところはなかったですけど、

久しぶりに稲盛さんの考え方に触れて

思い出す部分が多く、

ああ、やっぱり稲盛さんはスゴイな、

爪の垢を煎じて飲まねばならんな、

少しでも自分に吸収したいなと

前向きに捉えて大いに刺激となりました。

 

それでは恒例の私がグッと来た箇所を

ご紹介いたします。

 

日々の仕事を進めるための技術やマニュアルは、

あふれるほど用意されているのに、

働くということに込められた、

根本的な価値を明らかにすることは、

ないがしろにされてきました。

そのため、今、若い人たちの間で、

労働を嫌い、厭い、

できるだけ回避しようとする傾向が顕著になっています。

(P.10~11)

 

人は労働しないといけないのか?という

根本的な問題はありますが、

そこに対して喧々諤々の議論は

世代を超えてすべきではないでしょうか。

 

しかし、「働く」こと自体に、

そのような過酷な運命を克服し、

人生を明るく希望あふれるものにしていく、

素晴らしい力が込められているのです。

(P.13)

 

仕事を通して人生を充実させていく。

こういう考え方が薄れている昨今、

果たしてこのままでいいのか?は

私たち1人1人が考えねばなりませんね。

 

人間は、自らの心を高めるために働くー

私はそう考えています。

(P.18)

 

そもそも心を高めるって何だ?から

現代人は考えたほうがいいでしょう。

 

情報過多で、広く浅く、

今だけカネだけ自分だけという価値観でいいのか?

もっと奥深さが必要な気もします。

 

労働の意義は、

業績の追求にのみあるのではなく、

個人の内的完成にこそある。

(P.21)

 

個人の内的完成。

本当に重要なものではありますが、

会社という組織が業績の追求を最優先とするならば

そんなことを言ってられなくなりますよね。

 

稲盛さんのような経営者が増えていかねば

業績のために魂を売る人は増える一方でしょう。

 

ちょうど冬の寒さが厳しければ厳しいほど、

桜が美しい花を咲かせるのと同じように、

悩みや苦しみを体験しなければ、

人は大きく伸びないし、

本当の幸福をつかむことができないのでしょう。

(P.36)

 

その通り!とは思いますけど

現代に受ける考え方ではないですよね…。

 

でも悩みや苦しみを避けようと思えば思うほど

結局さらに深い悩みや苦しみと遭遇してしまいます。

 

「天職」とは出会うものではなく、

自らつくり出すものなのです。

(P.53)

 

これは共感です。

キャリアシーンで長く仕事をしていると

つくづく感じることなんです。

 

どこかに自分にピッタリの世界があるはず…って

ないですから!

 

自分で作らなきゃ

一生、旅人になってしまいます。

そういう人生はかなりキツイです。

 

「自分の好きな仕事を求めるよりも、

 与えられた仕事を好きになることから始めよ」と。

自分の好きな仕事を求めても、

それは「青い鳥」を探しているようなものです。

そのような幻想を追うよりも、

目の前の仕事を好きになることです。

好きになれば、どんな苦労も厭わず、

努力を努力と思わず、

仕事に打ち込めるようになる。

仕事に打ち込めるようになれば、

おのずと力がついていく。

力がついていけば、

必ず成果を生むことができる。

成果が出れば、周囲から評価される。

評価されれば、さらに仕事が好きになる。

こうして好循環が始まるのです。

まずは、自分の強い意志で仕事を好きになる。

他に方法はありません。

そうすることで、

人生は実り豊かなものになっていくのです。

(P.56~57)

 

主体的に生きるか?

もうそのひと言に尽きますね。

 

誰にでも運命はありますけど

自分で作るか、偶然に頼るか。

どちらがいいかなんですよね。

 

人生では、つねに迷うものです。

真剣に仕事に取り組んでいればいるほど、

その迷いも大きくなるのかもしれません。

(P.103)

 

迷いからの脱出って財産ですよね。

そのプロセスも、結果も。

失敗もすべて未来に繋がります。

 

京セラでは、研究開発は成功するまでやり続けますので、

失敗に終わるということがないのです。

(P.117)

 

自分が負けを認めない限りは

いつか勝者になれるんですよね。

諦めない。

 

自分が置かれた環境をネガティブにとらえて、

卑屈になり、恨みつらみを募らせていくのか。

それとも、困難な要求を、

自分を伸ばしてくれる機会として、

ポジティブに受け取るのかー。

いずれの道を取るのかによって、

行き着くところが大きく異なってしまうのは、

仕事も人生も同様です。

(P.126~127)

 

目の前に現れる事象を

ポジティブに受け止める人と

ネガティブに受け入れる人がいますが、

客観的に見ると結果は一目瞭然です。

 

でも自分では気づかないんですよね。

自分の思考が自分に損させていることに…。

 

ベストという言葉は、

他と比較して、

その中ではもっともいいといった意味で、

いわば相対的な価値感である。

したがって、レベルの低いところでもベストは存在する。

しかし、私たち京セラが目指すのはベストでなく、

パーフェクト(完璧)である。

パーフェクトはベストとは違って絶対的なものだ。

他との比較ではなく、

完全な価値を有したもので、

他がどうであれ、

パーフェクトを超えるものは存在し得ない。

(P.155)

 

なるほどですね。

自分の仕事にもパーフェクトという概念を持って

取り組もうと思いました。

 

けがれた人間が敗北を恐れて踏み込もうとしない場所にも、

清らかな人間は平気で足を踏み入れ、

いとも簡単に勝利を手にしてしまうことが少なくありません。

なぜならば、清らかな人間は、

いつも自分のエネルギーを、

より穏やかな心と、より明確で、

より強力な目的意識によって導いているからです。

(P.171)

 

困難に飛び込めば

困難は怖くなくなりますね。

 

飛び込まないから

いつまでも恐れてしまうのですね。

 

楽観的に構想し、

悲観的に計画し、

楽観的に実行する。

ーーこれが新しいテーマに挑戦していく最良の方法だと、

私は考えています。

(P.174)

 

この言葉は随分前にも感動しましたが、

改めてこうありたい、こうあろうと思いました。

 

つねに前向きで、建設的であること。

みんなと一緒に仕事をしようと考える

協調性を持っていること。

明るい思いを抱いていること。

肯定的であること。

善意に満ちていること。

思いやりがあって、優しいこと。

真面目で、正直で、謙虚で、努力家であること。

利己的ではなく、強欲ではないこと。

「足るを知る」心を持っていること。

そして、感謝の心を持っていること。

(P.188~189)

 

総まとめというところですけど、

スゴイですよね~。

簡単ではありませんよね。

できるとも思えませんよね。

 

でも1歩ずつ近づくことが大事なのでしょうね。

最初から無理と思えば

そこでゲームオーバー。

 

やれば何かがわかるさ…というところでしょうか。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点とします。

 

ボリュームは少なめですし、

サラッと読めてしまうのですけど

じっくり、ゆっくり読むことで

言葉の奥にある本質の部分が

ジワジワと沁み込んでくるような

そんな内容です。

 

私にとっては久しぶりの稲盛本。

懐かしさを感じながらも

不変的な法則がここにはあるように感じました。

 

働くって楽じゃないですけど

必死こいて働いた人にしか手に入らないものが

確実にあるんですよね…。

 

それでは、また…。

 

 

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